【続き】
穏やかな晴れの日が続いていたのに、突然雨雲が現れ嵐になるように、私の体調は急変した。
突然つわりがひどくなり、水すら受け付けなくなってしまった。
それまではオエっとえずくとつわりはおさまっていたけど、この時は何を食べても戻していた。
布団に横になっていると、うぅと唸り声を上げるほどで、寝ることさえしんどかった。
3日間絶食で寝込んでいたので、さすがに病院に行くことにした。
近所のクリニックで検査すると、先生が見せてくれた結果にケトン体3+と書かれていた。(学生時代の記憶を手繰りよせて)ケトン体→ケトーシス→ケトアシドーシスと連想していき、さぁどこから質問しようかと考えていると、
先生は「これはつらいね〜。注射をしましょう」と言った。
点滴用ベッドに横になる私。
ベテランナースさんが「そんなに勢いよく寝ちゃダメだよ。まずはベッドに座って、上半身だけゆっくり横になるの。そのあとに脚の方も合わせて行くんだよ」と言った。
何もかもが新鮮だった。
3日間悶え苦しんだけど、それすら妊娠したから得られた経験であって、これまでの人生観がガラッと覆るほど感動したのを覚えている。