恵まれた境遇でありながら、自分は社会不適合でダメなやつといって卑下する友人。
私は冷水をぶっかけて目を覚ましてもらうべく、自分の幼少時の話をした。
私「父がとても厳しくてね、幼稚園生の頃には何キロも走らされたよ。毎日夕方になると、兄と姉を引き連れて、父は何キロも走らせる。途中で歩こうものなら、雷が鳴ったかのように怒鳴りちらすの」
友人「え、レイカさん(私の名前)って、育ちが良いお嬢様だと思ってた!そんなの信じられない!!」
私「本当だよ。私は子供の頃、病弱で運動は苦手だったけど、父親は暴言を吐きながら絶対に休ませなかった」
友人「そんな…こう言っちゃなんだけど、レイカさんってお嬢様で男にも甘やかされて、怒られたこととかなさそうに見えた」
私「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、それは陰と陽でいうと、陽の部分だよ。みんな陽の部分しか見ようとしない。光のシャドウの部分はないことにするじゃん」
友人「恵まれた人だと思って、底辺の話なんて、聞くのも嫌だろうと思ってた」
私「恵まれているのは、あなたの方だよ。父は大学も国立のみしか許さない。父は学歴厨だから、勉強に関してもめちゃくちゃ厳しかった」
友人「僕みたいに一浪して○○○落ちて、早稲田ってディスられそう」
私「でも、恵まれているなら良いと思う。うちはそうじゃないから。父は3年前に亡くなったけど、私はお葬式に行ってないよ」
友人「そんな…信じられない」
私「でもM(同僚)の子供を妊娠して入籍する前に、相手のご両親に会ったんだ。そしたらお父様がうちの父にそっくりで、私は死んだ父の化身かと思った」
ほんの入口だけ私という人間をチラッと見せた。
でも、友人はとても驚いていた。
光と闇は、表裏一体だ。
恵まれている部分が光だとしたら、それと同等の闇もまた存在する。
それぞれに苦しみがあるのだ。