土曜日に2回目の観劇をして来ました。
保田圭ちゃん出演舞台『ロマンチックにヨロシク』。


千穐楽の日には行けない自分にとっては、これが最後でした。
残念に思いましたが、けいちゃんの「☆28歳☆」というブログを読んで、考えが変わりました。

28歳最後の日に立ち会えたとポジティブに思えるようになったのです。
やっぱりけいちゃんの言葉って凄いです。
心の持ちようまで左右します。
29歳のけいちゃんにはこれから何度でも会えますが、28歳のけいちゃんはあの日が見納め。
すっごく前向きです(笑)



2回目を観て、更にこの作品が好きになりました。
2回目だと大筋を知って観ているからわかりやすいというのもあるかとは思います。


でも、それだけではありません!

全体的に空気が柔らかくなったというか。
初日の張り詰めたような緊張感がほどよい感じになっていて。
役者さんたちも力まず演じられていたように思います。


セリフもここまでにいくつか追加になったようで。
3つの作品がでどうやって繋がるのかが、より分かり易くなりました。
これなら初見の人でもすんなり理解できたのではないでしょうか。


当日はDVD撮影が入っていましたので、来年発売されるDVDにはこの、より完成度が上がったものが収録されます。
観劇に行けず、発売を心待ちになさっている皆さん。
大いに期待していていいと思いますよ!




では。

遅くなりましたが、印象が変わった部分、より感動した部分について書いておきたいと思います。


一番印象が変わったのは、「モーニングアフター」です。
セリフの追加があったのも、ほとんどこのストーリーですね。

初めて観たときは、ここが一番わかりにくくて…。
このストーリー自体のまとまりを感じられず、断片的にしか楽しめなかったんです。
ですが、追加のセリフによって他の2作品との繋がりがよりわかりました。


特に、58歳のスミレ、御手洗夫人を演じられた礒辺万沙子さんの凄さが際立っていて。
初日は失礼ながら、他の役者さんの流れに引きずられている印象もありましたが。
今回は礒辺さんが劇場の空気を持っていってしまう感じにワクワクしました。

追加のセリフによって、中島早貴ちゃん演じる17歳のスミレとの繋がりがしっかり伝わってきて。
御手洗夫人の雰囲気に、人が生きてきた年月、苦労してきた重みを感じます。

それと同時に、17歳の時にスミレが言ったのと同じ言葉、
「やり直せなくなっちゃうよ!」
には、人は根本的には変わらないかもなぁと思わずにはいられませんでした。


なっきぃも言うこのセリフ。
まっすぐで純粋で直向きな感じが声にも表れていて凄くいいです。

なっきぃは、初日に気になっていたセリフも聞き取りやすくなっていました。
その分、全体的に声が弱くなってしまい、刑事とのセリフの応酬は勢いが失われたかと思います。


「モーニングアフター」には、“二日酔い”、“後悔”という意味があります。
劇中でそんなセリフがあるのですが、1回目に観たときは急な話の展開についていけず聞き逃していました。
そのセリフの意味に今更気づいています。

そのおかげで、この話のラスト、御手洗夫人の悲しみがより伝わってくるんです。
目頭が熱くなりました。



「スナック聖美の最後の夜」で聖美ママが店を閉める理由。
1回目を観たときは何となくでしかわからなかったのですが、今回はすごくよくわかって切なくなりました。


17歳のあの日、朝日を見てワクワクした気持ち。
今はそれを失ってしまったけれど。
だけど。
まだやり直せる。
そう思ったから。


けいちゃんのセリフに初日の硬さがなくなった分、聖美ママの気持ちがピシピシと痛いほど伝わってきます。
彼女なりに苦しみ抜いた末の結論なんだと。


けいちゃんがこの気持ちを語るところは劇場の空気を動かしていて。
その後、一人になったスミレが店内を歩くのですが、その姿が聖美ママのすべてを語っているようでした。
オーラまでもが聖美ママになっていて鳥肌が立ちました。


歌はさらに感情が入っています。
今回は不意打ちで無かったので“けいちゃんの歌”ということには惑わされませんでした。
歌に込める感情も、初日の張り詰めた緊張感から抜け出した分、ストレートに込められたんじゃないかと思います。

声の震えや息づかいまでも完全に聖美ママで。
いや、38歳の女性、春野スミレでした。


歌が素のスミレの歌として感じられて、もう心にズキズキきます。
なっきぃが歌う、17歳のキラキラした思いが込められた歌と対比していて。
泣きそうになりました。



聖美ママが過去の自分を重ね、こちらも対比している真央ちゃん。
演じる矢島舞美ちゃんが初日より遥かに良くなっていました。
硬さがとれていて。
17歳の等身大の真央ちゃんになって。
直向きさがより伝わってきました。






今回、強く思ったのは、けいちゃんが一人で舞台に立っていることにまったく不安を感じなくなったということです。
今までも、けいちゃんが劇場の空気を動かしていると実感することは何度かありましたが、それはセリフがある場面でした。
もちろん他の役者さんも舞台上に居ました。


でも、今回はセリフなしの完全一人の時にそれを感じたのです。


従業員を先に帰し、店の真ん中で佇む聖美ママ。
舞台の真ん中で一人ポツンと。
天を見上げ、歩みを進めた瞬間、肩の荷をすべて下ろしたのだなと。
聖美ママが春野スミレに戻っていく。
そう感じました。



背中で演技をしている。

どんなセリフよりも。
心がふるえた歌よりも。

感情が伝わってくる演技でした。