前回のお話でもあげたのですが、日本に渡ってきた欧米のスーツ文化は、日本で日本風にアレンジされています。

 

ですが、あまりその「スーツの源流」をご存知ない方も多いので、今回少しご紹介いたします。

知っておくと、得になります!

 

前回、『男の装いには「ルール」と「礼節」が求められています。

特にヨーロッパでは、相手の服装を頼りに相手のクラスや教養、知性などを推し量るという文化があり、「外見=第一印象」から自分たちとビジネスをするのにふさわしい相手かを見極めています。』とお伝えさせていただきました。

 

まず、スーツの源流は、15〜16世紀のヨーロッパで生まれたフロックコートと言われています。

 

 

18世期から19世期になると、宮廷貴族たちが朝晩に散歩に行く際に、歩きやすくするために前裾を大胆にカットしてある「モーニングコート」や乗馬する際に適した形に改善された「燕尾服(テールコート)」がイギリスで登場しました。

 

やがて、室内でもくつろげるような室内着として、裾の部分を大幅にカットした「ジャケットスタイル(タキシード)」が登場しました。

 

※ちなみに、燕尾服には「ホワイト・タイ」を使用するのはご存知でしょうか?

もしも、ドレスコードに「ブラック・タイ」との記載があるときは、「タキシードで来てくださいね!」という意味です。

 

そして、20世期初頭になると、現在の形のスーツが登場しました。

 

一方、日本はその頃幕末末期で、男性も女性もまだまだ主流は「着物」でした。

幕末末期から明治時代にかけては、内乱や戦争が多くなってきたため、男性の服装は着物から軍服へと変わっていきます。

 

明治時代に入って文明開化が起こり、大正時代に入ってやっと男性のスーツスタイルが一般化されてきました。

※ただしこの時代のスーツというのは、一人ひとりの体をしっかりと計測して作る「オーダーメイド製品」だけです。

 

そして、戦後の産業革命で機織機の発達により、産業がオートメーション化されたことにより、既製品スーツが簡単に手に入れられる時代になったのです。

 

このように、日本のスーツの歴史はとても浅く、文明開化で欧米を真似しようとする急激なまでの移行が、本来の服装の意味やマナーの浸透の遅れを招き、日本独自のスーツ文化を作り上げてしまったのです。

 

例えば、よく目にするのが、時間帯によって礼服を変える習慣のない日本では、夜の結婚式でも「モーニング」を着用されている方をたまに目にします。

 

また、フォーマルスーツとして幅広く「ブラックスーツ」が認められていますが、実際に欧米ではブラックスーツは葬儀用として着用されるものです。

 

スーツのマナーは、そのスーツが出来上がった経緯に基づいており、欧米では「スーツの着方」を親から子へ社会に出て恥じないようにしっかりと教えています。

 

一方、日本では歴史が浅いため、家庭からも社会に出てからも教えてもらう機会がないため、スーツに対する知識が不足している方が多いようです。※スーツはもちろん、着物の着方も教わらないですからね!

 

これからは国際社会はもちろんのこと、オンライン時代に入り、いつどこで海外の方と接するチャンスが増えます!

あなたの身だしなみで、ビッグなチャンスを棒に振るのはもったいないと思いませんか?

 

マナーを欠かさないためにも、色々と知識を学ぶことが必要ですね!