成田を経って、ちょうど1週間。
ドイツ旅行の最終日を迎えてしまった。
あっと言う間だった。
時間が足りない。
せめてもう1週間、
それが叶わないのなら、せめてもう2日でもいいから
ここにいたい、と思う。
けれど
仕事があって、しかも愛犬たちをハルオさんに預けての旅だもの
贅沢なことは言えない。
私はいったいいつになったら
思う存分の期間を旅を楽しむことが出来る身分になれるのだろうね。
その日を迎えるまでは
足腰と頭の丈夫な自分で、必ずいる。
それが、残りの人生の最大の目標だ。
さて
最終日の朝ごはん。
もはやビュッフェのラインナップを撮る気も起こらない。
朝食を急いで食べ終え、ホテルを飛び出す。
イーザル門の正面を背にして
広い通りを真っ直ぐに進む。
目指すはルートヴィッヒス橋とイーザル川だ。
ものの5分と掛からずに橋のたもとに到着。
大河だと思って来たものの予想に反して川幅は狭い。
川辺を歩く歩道に下りてみるも
自転車がものすごいスピードで駆け抜けて行くものだから
おちおち歩いてもいられない。
橋の下はホームレスの寝ぐらになっている。
危ない危ない、早々に退散。
中州を越え
市内中心部から見れば外側を流れるイーザル川は
内側の流れと様相が違う。
たっぷりとした水量で流れる内側と
川底が表れた外側の流れ。
1本の同じ川なのに
川面の高低差がある不思議さを
この時は、何も疑問に思わなかった。
中州を渡り外側の川を渡った先に
教会のような建物が見えた。
1897-1901とある。
120年前の建物だ。
へえ
この教会にはカフェがあるんだ。
そんなことを思いながらダメもとでドアを開けたら
ラッキーなことに開いた。
入り口の正面に受付のカウンターがあった。
見学が有料なのかと思い受付に行くと
「泳ぐの?」と聞かれた。
入り口やロッカーの説明を受けてから
やっと間違いに気づいた。
どうやらこの建物は室内プールだったらしい。
「教会だと思ってしまいました。ごめんなさい」
と謝って慌てて外に出た。
外に出て、また少し歩いてから
ふと
なんて惜しいことをしてしまったのか、ということに
気が付いた。
120年も前に造られたスイミングプールだよ?
なんで見学して来なかったの?
馬鹿じゃないの?
ここまでやって来て。
だけどもう、時間は残っていない。
泣く泣く、マリアンネン橋を渡り中心地へ戻る。
マリアンネン橋を渡る前に面白い物を見た。
ダムがあったのだ。
けれどまたここで疑問に思う。
普通ならダムは川に垂直に設けられるのではない?
このダムは川に平行になっている。
川に平行にあるって?
その謎はすぐに解けた。
上の写真が中州に到着する前に
外側の流れを撮ったもの。
右側にダムが少し写っている。
そしてこれが中州を渡り切って
内側の流れを撮ったもの。
ダムは左側だ。
ダムは、川に平行して造られた、というよりも
中州と中州の間に造られたものだった。
これで、最初にルートヴィッヒス橋を渡った時の謎も解けた。
1本の川なのに
流れる水量が全く違い
川面の高さも全く違ったのは
このダムがあるからだ。
中州のたくさんある川だから出来ることなのだろう。
日本では、このような形式のダムはあるのかな?
知らなかっただけで案外あるのかもしれないから
調べて見よう、なんて
少しだけお利口さんになった気がして嬉しくなった。
室内プールを見学し逃した悔しさが、ほんの少し和らいだ。
マリアンネン橋は、
公園になっている中州に掛かる小さな橋で
金属の欄干に、たくさんの鍵が付けられていた。
こうした箇所に「来た証」の鍵を残して行くのは
世界的な風潮なのかしら。
グアムの恋人岬でも、ソウルのソウルタワーでも
たくさんの鍵が残されていた。
そう言えば
秩父のミューズパークの展望台にも
鍵はたくさんあったっけ。
橋を渡り切った先に大きな教会。
写真には残さなかったけれど
川の外側にも豪華喧噪な建物がたくさんあった。
一つ一つ観て回ることが出来るくらいの時間が欲しかった。
本当に
もっともっといたかった。
マリアンネン橋の上から
どこか1箇所でもいいから
写真ではなく
自分の目にきちんと焼き付けたくて
見学を逃してしまったスイミングプールと
その周りのイザール川の風景を痛いほどに目に焼き付けた。
だから、この景色が
今回の私の旅の、1番の風景だ。
※この後、カプチーノの投稿に続きます。後日、順番を入れ替えます。