ホッコリ星 | StarSオフィシャルブログ「みんなで行こう武道館」Powered by Ameba

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ミッドナイト童話霧

イノシシの仲良し三人兄弟のよし太くんとけん太くんといく太くんは、よく森の露天風呂のある温泉に遊びに出掛けます。
温泉にもぐって数を数えて競ったり、バシャバシャ泳いでみたり、お湯の掛け合いをしたり。
よく怒られてはごめんなさいと言いながら三人で顔を見合わせては笑っているのでした。
なぜなら、三人の目的は夜の露天風呂を貸切りにすること。
猿のまさ太くんや、鹿のかな太くんなど、誰もいなくなったのを確認してから、三人はヨシッと頷きあって目をつむるのでした。
三人が手を繋いで夜空を見上げると、満天の星空。
山の中にあるこの温泉は、湯船につかると温泉のお湯の流れる音と、虫の鳴き声、遠くで流れている川のせせらぎ、時折風に揺られてサワサワする木々の音だけ。
そんな中で見上げる星空は、都会ではなかなか見られないほどの星の数です。
三人が夢中になっているのは、その中で一番綺麗なお星さまを見付けて、それを湯船に映して両手ですくうこと。
するとまるで、自分のもののように手の中にキラキラ揺らめく星があるみたいに見えるのです。
それを自慢し合いながら、誰の星が一番綺麗かを競います。
僕のが一番!いや、僕のだ!そんなことないよ、僕が凄い!
そう言い合いながら、指がウメボシのようにシワシワになるくらい、ずっと湯船に揺らめく星をすくっては自慢しあっていました。
しかし、いつも何か物足りない気がしてなりません。
三人はふと、自分の手の中にある星を見つめ、夜空を見上げました。
すると、手の中にある星のどんな輝きよりもキラキラと輝いている星達が、夜空いっぱいに広がっているではないですか。
三人は考えました。
この星空を、ぜんぶ湯船に映してみよう!
三人は思い付いて、湯船の端に三角形になるよう、へばりついてジッと静かに湯船を見つめ続けました。
微動だにしない三人の肩を、首を、頭を、冷たい風がビューっと吹いていきます。
それでも、三人はただ黙って湯船を見つめ続けました。
するとどうでしょう。
静かになった湯船には、満天の星空がそのままに映ったではないですか。
その美しさはまるで三人が夜空に浮かんでいるかのよう。星空の中に浮かんでいるかのようです。
そしてその星空の星達が、まるで三人に笑顔で話しかけているようにキラキラキラキラ輝いているではないですか。
その煌めきを見ていたよし太くんは、ひとつひとつの輝きよりも、どんな綺麗な星よりも、こうして三人が仲良くしながら、綺麗な星達の輝きに感動出来て、感謝できる喜びこそが、なによりもキラキラした一番星だ。そうつぶやきました。
けん太くんといく太くんも、そうだねと頷きながら、この満天の星空にありがとう!と語りかけました。
すると、三人の体がフワッと宙に浮き、星空の星達がいっせいに歌い始めたではないですか。
その歌声の美しいこと。
三人も一緒に歌い始め、次第に大合唱に。
その歌声は森に響き渡り、木々を、動物達を、癒し、幸せな気持ちにさせたのでした。
三人は手を繋いで笑い合い、歌い上げ、喜びを噛み締めました。
しかし、どうも指がウメボシのようだし体が熱い。
ハッと目覚めた三人は、のぼせた顔をしたお互いを見て、夢だったのかとまた笑い合いました。
ケラケラケラケラ笑い合いました。
その笑い声は森に響き、なぜだかみんなホッコリと幸せな気持ちになるのでした。
ケラケラケラケラ笑い合って
ケラケラケラケラのぼせた顔で
ケラケラケラケラ幸せ気分
ケラケラケラケラ夜空の星も
ケラケラケラケラ笑っているね

よい夢を星星星
浦井