
さわやかな色と、磁器の軽さで、ビールや冷酒が
おいしくすすみそうな、きもちのいいグラス、雫シリーズ。
有田の土地の若手として注目をあびる作家の西さんの、
「器づくり」 のぞいてみました。
「素材の特性や良さを活かすこと、焼成で変化する土や釉薬の表情、
そうしたものの表現を意識しています」
◆西さんにとって陶磁器のおもしろさってどんな部分ですか?
ー 最初から最後まで自分の手で作れることです。
私は大学では建築を勉強したのですが、
建築は図面は描いても実際に作るのは大工さん。
もっと自分の手でなにかを作りたいと思い、陶芸の道に進みました。
自分の手で土に形をあたえていくことを楽しみ、
土や釉薬の焼成によって生まれ得る無限の表情に、とりこになっています。
◆デザインや、技法なども含めたアイディアは
どんなふうに出てくるのでしょう?
ー 作業をしていくなかの気づきや閃めきでしょうか。
作業工程のなかで、ここをもっと生かせばきっと面白くなるとか、
失敗して出来たものを観てこれは何かに使えるぞ、とか。
◆青磁釉をつかった代表作・雫シリーズは、
デザインはポップですが凛とした空気も感じます
誕生のひみつは?
ー はじめは、青磁釉の実験をしていたんです。
青磁釉って、厚くかければかけるだけ青さに深みが出てきれいなので、
厚くかけることのできる釉薬を研究していました。
でも、ふつう、釉薬は厚くかけるとちじれたり、はがれたりします。
そうならずに厚くかけられて、きれいな青さの出る釉薬を試作していました。
そうして作っていくなかで釉が流れてしまうものができて、
最初は失敗と思っていたのですが、ふと気づけばその表情が面白く、
そのまま作品にしました。
◆釉の流れを生かした焼きものはありますね
ー そうです。昔から、釉の流れを表情として表現するものがありました。
そういう作品や釉薬の表現は、もともと好きだったというのもあります。