2024年1月6日、大好きな人たちに会いに行ってきました。
写真家の川内倫子さんと、ミュージシャンの原田郁子さんです。
神戸のTHE BOOK ENDという小さなアート系の書店にて、お二人の「THE BOOK ENDにつどう」というイベントが開催されていたのでした。
小さな書店の定員たった25名の小さなイベント。
川内倫子さんのInstagramのポストで告知があってすぐ申し込みをしました。
倫子さんの写真との出会いは中学二年生の頃で、映画館で観て心に響いて初めてDVDが欲しいと思った映画『誰も知らない』の写真撮影の担当をされていたことがきっかけだったと思います。
そしてそして、原田郁子さんがボーカルのクラムボンは人生で一番聴いている大好きなバンドなのです。
このイベントは、川内倫子さんの写真絵本『いまここ』の出版と、本に掲載されたミニ写真展のスタートを記念して行われたものでした。
『いまここ』は、谷川俊太郎さんの詩のとなりに倫子さんの写真が並ぶ構成。
原田郁子さんも谷川俊太郎さんの詩から『いまここ』という曲を作っていて、郁子さんが倫子さんの写真展を訪れたことをきっかけに『いまここ』プロジェクトとして写真絵本を作ることが決まったそうです。
イベントでは、受付間もない時間に到着できたおかげで、なんと!お二人の目の前の席、一番前の席に座ることができました。
あまりにも距離が近くてびっくり!
写真絵本の制作の裏側についてたくさんお話を聞くことが出来たのですが、なんと写真絵本は倫子さんが撮り溜めた20年分の写真の中から寄せ集めて作られたと聞いて驚きました。
その他にもお二人の谷川俊太郎さんとのエピソード。
また、暑苦しくなりすぎず、いかに軽やかに、それでいて他の人でも真似できるようなものではなくて、自分のエッセンスを出しながらモノづくりをするか、というお話は、私自身も日々よく考えるテーマだな、と思いました。
こうやって生のお話を聞くと、この日出会った写真絵本との交流がより深まるのを感じます。
きっと書店で手に取って、交流するのとは違う奥行きを得ることができて、深く繋がった分だけ、深く受け取ることができるんだよ、ってメッセージが私の中に響いています。
ネットのおかげで、この世界に色々な作品だったり情報が溢れていて、何かをすぐ知った気になったり、何かをすぐ味わった気にもなれたりして、でも、そうしたことが悪いわけでもなく、そこから得られる閃めきだってあったりするけれど。
でも、あの日、あのイベントに参加できてお二人のお話を聞くことができて、時間と空間を共有できて、単純に幸せだったな、楽しかったな、という想いがより、私を深く作品の中に繋げてくれる気がするのです。
好きな写真家さんの20年の歩みの中の、一瞬一瞬のいまここが一つの作品の中に閉じ込められていて、それを味わうことができる幸せ。
2024年はこの幸せなエネルギーが私を支えてくれそうな気がしていて、立ち止まったときにこの写真絵本を何度でも開いてみようと思います。
最後に郁子さん、というか郁子ちゃん(と普段私は呼んでいる)のミニライブもあって、すごく近くで生歌が聴けて本当に幸せで心地のいい時間でした。
なんだかこうした深い交流をもっともっと人とも、作品ともしていきたいなって思っている2024年であります。
あらゆるものがすごい速さで自分の元に届いたりして、そのスピードに慣れていると、何かを知った気になりすぎて、満たされた気になったりしすぎていて、友人からもSkypeで話せるなら会わなくてもいいなんて思われたりしてるんだけど、もっともっと私は深く触れてゆきたい2024年なのです。