2008年6月19日、再び八戸へ。

青森県八戸市鮫町にて、昭和10年頃の生まれの語り部から話を聞く。

「ヨアケボシ、いちばん光る。キラキラ光る。光りいい」
「ヨアケボシのぼると、夜(よ)明けてくる」

光がいい星、夜明け星。海で働く人にとって、毎日の暮らしの風景だった。

続いて、八戸市鮫町で大正10年生まれの語り部と出会う。

「月が沈むときも漁がくる。イカがくる」

「夜明けにイカが浮かんでくる。日の出のちょっと前にイカ浮かんでくる」

月、夜明けとともに星を目標にした。

「ヨアケボシ。星が出るとイカが浮く。ヨアケボシあがったらイカ浮く」

「サンコ。さんひかり。サンコーボシ。サンコウ、さんひかる(三光)、みっつ。サンコ。イカ浮く。サンコが出るときイカ浮く。サンコウの出るときイカ浮く」

夏イカは、6月、今頃はじまる。6月、7月、8月と夏イカだった。夏イカは小さいので、スルメにならない。刺身にした。

9月には秋イカ。秋なれば大きくなる。スルメなる。

トンボ、ハネゴは、先輩がやって終わりだった。昭和はじめ、トンボでの仕事が終わる。語り部は、機械化された時代を生きた。しかし、先輩が語った星の名前をはっきりと記憶していた。嬉しかった。