Stardast Cafe

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日常の出来事から研究ネタまで幅広く書きます

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ブログをやり始めたものの、全く更新が出来ない状態でした。


そんな訳でここ数日を振り返り・・・。


22日、お世話になっている立命館大学の勉強会、大学寺子屋で発表させて頂きました!

この大学寺子屋、立命館大学文学部の田中 聡教授(日本古代史・史学史)を中心に、もともとは卒業論文が危ない学生を救済するための場として設置した所、何時の間にやら勉強好き、研究好きが集まるようになって、挙句の果てに他大学(京都大学、大谷大学、佛教大学など)や院生が集まる空間になったとの事です。まあでも今も卒論救済をやられているのですが・・・。


そんな訳で発表内容は「中世後期に於ける第六天魔王の変貌-『下国伊駒安陪姓之家譜』をめぐって-」という題でした。


第六天魔王というのは、仏教における欲望の象徴。釈迦成道を阻止しようとあの手この手で誘惑しようとした「降魔成道」譚で知られていますが、僕がやっているのは中世以降、説話や軍記、神道書、縁起などに現れる第六天魔王で、『沙石集』巻一太神宮御事に見える天照大神との契約譚がよく知られています。


今回中心にしたのは松前藩家老下国氏の家譜における第六天魔王先祖伝承とその系譜の分析です。この下国氏、中世の津軽半島を中心に活躍した安藤氏の子孫に当たる一族。三春藩の秋田氏とは同族に当る存在です。その下国氏、なんと第六天魔王の子孫を名乗っているのです!!


この珍妙な系譜を北方史研究者が放って置くはずがなく、平川新氏、斉藤利男氏、入間田宣夫氏による論考がありますが、僕はそれに対して批判をしました。だが結構苦労しました。なぜならこの問題は入間田宣夫に導かれる形でどうすれば入間田論文(1998)を乗り越えられるのか悪戦苦闘していた結果を出した訳ですから・・・。


僕の方法は以下の通り

① 『下国伊駒安陪姓之家譜』は第六天魔王を始祖にする下国氏(「安東氏」)の神話として読む。

② よってテキストに構造分析を施し、その構造を読み取る。

③ やがてそこから分かる第六天魔王始祖説を、第六天魔王の変貌の中でどう位置付けるのか。


この三点でした。構造の問題は読み込めば第六天魔王の子孫〈魔孫〉と神武天皇の子孫〈王孫〉が関係し合う事で「安東氏」を生成しているという構造が読み取れたのは収穫でした。そして第六天魔王研究を巡る研究史も新田一郎氏、伊藤 聡氏の流れを抑えられました。だが問題はその方法です。神話の問題として伊藤氏の〈中世神話〉論に対し、その〈中世神話〉論が批判した構造主義神話学の方法が何故有効であるのかという問題。そして質問にも出た、かつてレヴィ=ストロースがアメリカの神話を分析するためにやった方法が、なぜこのテキストを読み解く上で必要があるのか。


これらの問題に自分なりの解答が出せないと、僕はただのレヴィ=ストロース被れの「蘭癖」になってしまいますが、まだ自分なりに出会ったばかりの構造論を超克出来ておらず、〈中世神話〉論や〈中世日本紀〉論をまだ体得出来ていない点から自分の未熟さを痛感した次第です。


また勉強しなおし。でもちょっとここ数日駆け足だったので疲労困憊になり、師匠と先輩の勧めで休養を取る事になりました。そんな訳で色々考えながら休んでいる訳です。


卒業論文の中核になり、恐らく修士論文や博士論文への序章になるこの問題。じっくりと吟味し、料理して行きたいと思います。