有馬記念(11年) | 一歩深く競馬を考えてみるブログ

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血統から見出すコース適性を分析し、尚且つラップ傾向を加味した予想をしています。

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『昨年のペースは異質なのか!?』

▼レース質 スピード&持続力

展望では昨年のスローペース分析し、昨年に似たペースの01年をと合わせた傾向から、Mr.Prospector系が走っていると述べました。

ただ、展望を書いた週頭はスローペースで頭の中は固まっていたのですが、ここにきて単純にスローにはならないのではと思うようになりました。

そう思わせるのが、アーネストリーの存在です。
この馬は父ロベルト系&母母父ノーザンテーストの通り、持続力に優れていて、先行して押し切る競馬を得意としています。
今年の宝塚記念もまったく息の入らないペースを先行して押し切っていて、スローからの瞬発力が要求される展開は向かないと陣営もわかっているはずです。
といっても、宝塚記念のナムラクレセントの様なペースメーカーが今回はいません。
ペースメーカーがいないのであれば、自分でペースを作ればいいと佐藤騎手なら考えるのではと思います。
佐藤騎手は有馬記念で02年・04年にタップダンスシチーで絶妙のペースで逃げ2着に粘っています。
アーネストリーにも充分な先行力があり、他に速い逃げ馬がいないのであれば、絶妙のペースに持ち込むチャンスとみます。


◎アーネストリー(グラスワンダー×トニービン)

上記で述べたように、自分に合ったペースを作り出せるとみての本命です。
現在有馬記念は04年から父サンデーサイレンス系が7連覇中ですが、父ロベルト系は94年~99年にかけて5勝(ナリタブライアン・マヤノトップガン・シルクジャスティス・グラスワンダー)していて、有馬記念で一時代を築いた血統です。
父ロベルト系での最後の馬券圏内は02年・03年に連覇したシンボリクリスエスが最後で、この時はタップダンスシチーが淀みない流れで逃げていました。
04年以降苦戦した理由として、終盤に12秒台のラップから11秒台前半のラップに加速する際の瞬発力が足りなかったのではと考えます。
逆に大活躍した94年~99年は終盤でも終始12秒台中盤のラップで、高度な持続力&スタミナが求められての好走だったと思います。
アーネストリーの場合は宝塚記念・オールカマーの様に高速ラップを刻み続けることで、高度なパフォーマンスを披露してきました。

今回ペース的にモデルにするのはタップダンスシチーが出走した02年~05年とします。
その間に活躍したハーツクライ・リンカーンは母父トニービンで、この点はアーネストリーと同じです。
その他、コイントス・シルクフェイマス・ゼンノロブロイと言った面々も含め、サンデーサイレンス系でも持続力に寄ったタイプばかりで、ハーツクライ以外は3000,以上の重賞での連対経験がありました。

04年 

7.0 - 11.6 - 11.5 - 11.7 - 12.3 - 12.4 - 12.0 - 11.7 - 11.8 - 11.9 - 11.6 - 11.6 - 12.4 

上記は04年にタップダンスシチーが逃げた際のラップで、この様なペースが理想でしょう。
こうなれば後方馬はかなり苦しく、相手はある程度好位置につける事が出来る馬になるとみます。

○ヒルノダムール(マンハッタンカフェ×ラムタラ)

アーネストリーが04年の様な高速ラップを刻む事が前提の対抗です。
この馬は何度も述べますが、中距離スタミナに優れていて、天皇賞(春)はそのスタミナが開花しての物でした。
それより評価したいのが産経大阪杯で、このレースも終始11秒台のラップが続くハイペースで、それを内から差し切っての勝利で、高速ラップへの対応力は確かです。
また、コイントス・シルクフェイマス・ゼンノロブロイ同様に天皇賞(春)で3000m以上ので重賞実績があり、父サンデーサイレンス系の中ではスタミナはNo.1です。
前を捕らえるには好位からの競馬が必須で、内枠を生かした競馬が条件です。


▲トーセンジョーダン(ジャングルポケット×ノーザンテースト)

持続力に優れたクラフティワイフ一族の馬で、天皇賞(秋)で高速ラップへの対応も証明しています。
母父ノーザンテーストですし、純粋に中距離で必要な持続力&スタミナであれば、◎○を凌ぐと思います。
ただ、近親のカンパニーも天皇賞(秋)やマイルCSで最高のパフォーマンスをしたように、広く長い直線で使う長くいい脚が最大の武器だと思います。
昨年は逃げて5着でしたが、今年はアーネストリーを追いかける展開になりそうで、3・4コーナーでの追い上げがポイントになりそうです。


△オルフェーヴル(ステイゴールド×メジロマックイーン)

全兄ドリームジャーニーが09年に当レースを制しているように、血統的適性は少なからずあるでしょう。
圧倒的強さでの3冠でしたが、3冠全てのレースがラップのアップダウンがほとんどなく、中盤での消耗が非常に少ない内容の薄いレースばかりでした。
しかし今回はアーネストリーが高速ラップを刻むと予想しているので、そうなると自分から積極的に仕掛ける競馬が必要です。
ディープインパクトも05年に敗れたように、経験不足が否めない感があります。


△ブエナビスタ(スペシャルウィーク×Cearleon)

グランプリレースの度に何度ももべますが、宝塚記念同様この条件は最悪で、昨年はスローペースの助けもあって2着しました。
今年は内枠で仕掛けも難しくなることから、有終の美を飾るの厳しいとみます。


△ヴィクトワールピサ(ネオユニヴァース×Machiavellian)

昨年の優勝馬ですが、スローペースに恵まれての物でした。
欧州で全く歯が立たなかったように、根本的なスタミナでは圧倒的に不利でしょう。
モデルにした02年~04年で好走した父サンデーサイレンス系は、軒並みスタミナに優れた馬ばかりだったことから、昨年よりペースが上がるとなると苦しそうです。


△エイシンフラッシュ(King's Best×Platini)

ヒルノダムール同様、ハイペースの産経大阪杯で好走していて、天皇賞(春)で2着している点も好印象です。
非サンデーサイレンス系ということから、抑えまでの評価です。