除夜の鐘の由来を教えて

「除夜の鐘」は、日本の年越しの習慣に関連しています。これは、大晦日の夜、年が明ける瞬間に寺社の鐘を108回ならびに16回鳴らす行事です。この習慣には仏教の影響があります。

「除夜」(じょや)は、「年を越す夜」を指し、仏教徒が年の瀬に厄を払い清め、新たな年を迎えるために行う修行の一環として、「108の煩悩を消す」とされる108回の鐘の音を聞くことが奨励されています。

108回の鐘の数には、仏教の教えに由来する意味があります。仏教において、人間の煩悩(くさび)は108種類あるとされています。これを象徴的に表すために、108回の鐘を鳴らすことで、煩悩を清め、新たな年を迎えるという意味合いが込められています。

多くの寺では、この行事に合わせて除夜の鐘を打つ儀式を行い、地域の人々が訪れて参拝や祈りを捧げることがあります。この行事は日本の年末年始の風物詩の一部となっており、多くの人が新しい年の始まりを祝う重要な瞬間となっています。

 

 除夜の鐘を聴くとご利益があるの?

除夜の鐘を聞くことには、仏教の教えや習慣に基づくとされるさまざまなご利益が信じられています。以下はその一例ですが、これらは宗派や個々の信仰心によって異なる可能性があります。

  1. 煩悩の浄化と新たな出発: 108回の鐘の音を聞くことで、仏教の教えに基づき108の煩悩を浄化し、新しい年を清らかな気持ちで迎えるとされています。煩悩の解消によって心身が清められ、新たな出発や成長が期待されます。

  2. 厄払いと災難除け: 除夜の鐘の音は邪気を払い、災難や厄を遠ざける力があると信じられています。年末に厄を払うことで、新しい年には幸運が訪れると考えられています。

  3. 家族や社会との調和: 除夜の鐘を家族や地域の人々と共に聞くことで、調和と連帯感が生まれ、良いコミュニケーションや平和な社会を築く手助けになるとされています。

これらの信仰やご利益は、文化や宗教によって異なります。一部の人々はこれらの信仰を重視し、年末に寺社を訪れて除夜の鐘を聞くことで、精神的な安定や幸福を求めることがあります。ただし、これらの信仰や習慣はあくまで信仰の範疇にあり、個々の信仰心や文化によって解釈が異なることを理解する必要があります。

 

 人間には108もの煩悩があるの?

「108の煩悩」という表現は、仏教の文化や伝統において使用されていますが、厳密に言えば、これは象徴的な数字であり、文字通りに人間が持つ個別の煩悩が108個あるわけではありません。実際のところ、仏教の教義において、具体的な煩悩の数は厳密に決まっているわけではありません。

煩悩(ぼんのう)は、仏教でいうところの欲望や執着、無知など、人間の苦しみや迷いの原因とされる心の乱れを指します。仏教ではこれらの煩悩を克服し、悟りを開くことが目指されます。ただし、具体的な数や種類は仏教の宗派や伝統によって異なります。

なぜ「108」が特別視されるかというと、仏教文化では数学的なシンボリズムが重視されており、108は数学的に特別な数字とされています。例えば、仏教の経典において108の数が何度も登場し、また仏教の数秘術では、1から9までの数字が十地(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天人、阿修羅、摩楼羅夷、帝釈天)と九品(菩薩、辟支仏、声聞、一依三覚、五百阿羅漢、十八羅漢、十六辟支仏、五百辟支仏、大乗六祖)に掛けて108となります。

総じて言えることは、108の数は仏教文化において特別な意味を持っているとされ、その具体的な数や種類は宗派や地域によって異なるということです。

 

 少なくとも仏教では意味のある数字なんだね

はい、そうです。仏教において数字はしばしば象徴的な意味を持ち、特に108はその中でも特別な数字とされています。この数字は数学的な側面だけでなく、仏教の経典や教えにおいても重要な役割を果たしています。さまざまな宗派や伝統で、108は悟りへの道を示す数として捉えられ、修行者が煩悩を乗り越え、真理に至る過程を象徴しています。

このような数字や象徴には個別の解釈があり、異なる文脈や宗派で異なる意味合いが与えられることがあります。それでも、仏教の教えや伝統では数字が重要視され、数学的な側面だけでなく、深い精神的な意味も内包しているとされています。

【感想】

除夜の鐘も仏教の風習ですが、今では大みそかの定番ですよね。

うちの近所では鐘を鳴らしているお寺がないので、テレビで聴いています。

私事ですが、テレビ越しでも聴いているとおごそかな気分にリフレッシュされます。

ただ、私には108の煩悩を払うパワーはないので、一歩一歩前進していきたいと思います。

いつもご覧いただきありがとうございます。