私が初めて映画館で見た映画は、ゴジラでした。母に連れられて、妹と三人で故郷の映画館で見ました。小学生だったか、まだ幼稚園だったか記憶が定かではありませんが、その一場面は記憶の片隅に残っています。
その次に記憶に残っているのは、高校卒業後何かの集まりで、講堂みたいなところで見た「ローマの休日」です。この映画は、自分の心に大きく影響して、その後何回も見ています。古い作品ですが、エンターテイメントとして最高の作品だと今でも信じています。
改めて書く必要もありませんが、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞を取っています。
第26回 アカデミー賞(1954年)
【受賞】
女優賞 オードリー・ヘプバーン
原案賞 ダルトン・トランボ
衣装デザイン賞(白黒) エディス・ヘッド
【ノミネート】
作品賞
監督賞 ウィリアム・ワイラー
助演男優賞 エディ・アルバート
脚色賞 イアン・マクレラン・ハンター ジョン・ダイトン
撮影賞 フランツ・プラナー アンリ・アルカン
編集賞 ロバート・スウィンク
美術賞
第11回 ゴールデングローブ賞(1954年)
【受賞】
最優秀主演女優賞(ドラマ) オードリー・ヘプバーン
自分は、その時高校を卒業して、初めて家族の元を離れ、自立していかなければと感じていた時でした。いろいろな迷い、不安、そして新しい生活への希望。学生時代とは違った感情が、渦巻いていました。
この映画の主題の一つが、個人の自立があると思います。主人公のアン王女の精神的自立。最初見たときは、まだ若かったせいもありますが、あまりピンときませんでした。何回も見るうちに、その場面が深く心にささるようになりました。映画最後の方の場面です。
一時的な個人の恋愛感情をぐっと抑えて、自分の与えられた使命に本当の意味で気づき、それに目を向けることで、その出会いもまた間違いでは、ない、、、。と言う100パーセントハッピーエンドではない事が、おとぎ話をちょっと現実に近づけた、少しほろ苦い、間違いなく名画です。
自分は、もう50歳をとうに過ぎていますが、まだ完全に自立しているとは、言い難いです。相手役の新聞記者ジョー・ブラッドレーみたいな感じです。彼も最後は、とても渋い選択をして、うならしてくれますが。
人生すべてにおいて、自分に妥協してしまい、甘いと言われてしまう自分ですが、それを戒めてもくれるとてもいい映画です。