これは上の歯の裏側から見た写真です。

 

 

歯の根元がすり減ってしまって弱くなっています。

 

さらに黒い線が入ってきているのは初期虫歯です。

 

患者さんにこの写真を見せると、「自分の歯磨きの力が強過ぎたからすり減ってしまったのだ」と思い込んでいました。

 

そうじゃないんです。

 

夜間の食いしばりや歯ぎしりによって、歯に強い力がかかり続けたため、歯の壁が砕け落ちたのです。

土壁を叩き続けると、ポロポロと砕け散るイメージと同じですね・・・

 

エナメル質が一番硬いので、そのバリアが剥がれると中は柔らかくて虫歯になりやすかったり、歯がしみたりしてきます。

 

改善策としては、夜間マウスピースをつけて寝ること、日中の噛みしめ防止が基本です。

 

より良い治療は?と聞かれたら、矯正になります。

 

歯並びを整えることで、どこか1本だけに力が集中することがなく、全体でしっかりと噛むことができるからです。

 

将来ずっと自分の歯で過ごすためには、矯正が必要な方が多くいらっしゃいます。

 

自分で見えるところ(前歯)が綺麗に並んでいる方にとっては、矯正対象と言われてもピンと来ないでしょう。

 

歯並びが悪いなど、コンプレックスを改善する『審美矯正』とは違い、本来の口の持つ機能を取り戻す『機能矯正』では、噛める・飲み込める・話すなど、健康的に過ごすための治療になります。

 

もちろん健康的な歯並びというのは、美しいものなんです。

 

保険が効きませんし、期間がかかりますが、人生100年時代の私たちにとっては費用対効果は十分にあると思います。

 

もちろん、迷ったり悩んでいる間はマウスピースで対応されると良いと思います。