今日は、歯科で使用する材料に対してのアレルギーのお話です。

 

金属アレルギー

 

虫歯治療後に入れる銀歯ですが、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、頭痛、

めまい、喘息など100をこえる金属アレルギー症例の報告があります。


特に金銀パラジウムは、金属の中でもアレルギーの感作率37.9%と最も高く、

唾液に溶けてイオン化した金属が血液に入り込み、体中に影響を及ぼしやすく、

臓器も含め体のいたるところに症状が現れる可能性があります。

 

クロムには、発がん性物質の含有も報告されており、医療従事者が自ら入れたいと望む材料とはかけ離れています。

 

 

プラスチックアレルギー

 

マウスピースや白いプラスチックの被せ物に、

アレルギー反応を起こす方もいらっしゃいます。

 

 

光アレルギー

 

歯科材料の中でも、お口の中で材料を充填した後に

光照射をすることで固めるものもあります。

 

太陽に長時間当たると蕁麻疹が出る方がおられるのですが

歯科で使う照射器でも同じようなことが起こります。

 

 

麻酔アレルギー

 

歯科の麻酔注射で気分が悪くなったり、倒れてしまう方がいます。

 

以前は、麻酔液の中に入っていたパラベンという防腐剤に対して

アレルギー反応をおこすことがありましたが、

最近のほとんどの麻酔薬には防腐剤は使われていません。

 

麻酔薬中の血管収縮薬によって血圧が上昇し、

頭痛等を引き起こすことがありますが、

これはアレルギー反応によるものではありません。

 

 

お薬のアレルギー

 

抜歯した後や、歯ぐきが化膿して痛みが強い場合に

歯科でも抗生物質や消炎鎮痛薬を処方してくれます。

 

痛み止めのロキソニンにもアレルギー反応を起こす方もいます。

抗生物質は、ペニシリン系やセフェム系の薬を使用した場合に、
なんらかのアレルギー反応がみられることが多く、
鎮痛剤や非ステロイド抗炎症薬、ホルモン剤、酵素製剤、
造影剤などでも他の薬に比べてアレルギーを起こしやすいといわれています。
 
症状は、発疹、皮膚や目のかゆみなどです。
検査の結果により肝障害、血液障害などがわかることもあります。
 
気管支喘息や、最も重症であるアナフィラキシーショックを起こすこともあります。
これは、全身に起こる急性アレルギー反応で、急激に血圧が下がり、
呼吸困難に陥って意識を失うこともあります。
 

 

消毒薬のアレルギー

 

 

注射前の皮膚消毒には、アルコールが使用されることも多く、

アレルギーをお持ちの方は、清拭後に皮膚の赤みや腫れ・痒みが残ります。

 

自覚がある場合は、事前に伝えておくとクロルヘキシジンなどに変えてくれます。

 

 

いずれも自覚がなく、歯科で反応が起こってから

初めてアレルギーに気付くというケースもあります。

 

少しでも不安な場合は、これまでの経緯などを伝えておくとよいでしょう。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。