定期的に買う、参考文献。会計の現場を去って7年、その間、税法もだいぶ変わりました。

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 さて、先週金曜日のSRC札幌支部セミナーは実際にヤミ金融からおカネを借りてしまい、返済地獄を脱し正常化しつつある会社の経営者の方からお話をいただきました。

 そのような事情ですのでセミナー開催要綱にも登壇者のお名前を出せず…

 その注目の内容とは?(  )内は山崎の加筆です。


 きっかけは融資勧誘のDMだった。20-500万円の融資について即決で応じます、と言う内容で200万円で申し込みをしてみた。すると「自分たちでは融資をするのは難しい。金利は高いが貸してくれるところを紹介することはできる」と返答された。(DMを送りつけてくるのは表の業者でおそらく貸金業の番号も取っているはず。自分たちでは融資できないが、他社を紹介する、というところでヤミ金が登場となる)

 最初貸してくれたところが次第に融資を渋りだす。すると次の業者を紹介され…が繰り返されていく。その後、貸してくれていたヤミ金の動きが止まり、「どうやって次の借り入れをすればいいのか」と思っていると別の会社が現れ、「分かれている借入を取りまとめる」と申し出る。取りまとめの条件として白地の手形・小切手を取られた。

 ヤミ金に手を出したきっかけは、①会社を何とかするんだ、という経営者のプライド、②経営者と言えど、法的なこと(相手が違法な金融だという認識)、会計や税務の知識に乏しく、手を出してはいけない、という認識が薄かったこと。

 問題解決のきっかけは、STP経由弁護士を紹介され、その弁護士と警察がタイアップして問題解決にあたってくれたこと。ヤミ金側にも弁護士がついていてその弁護士と渡り合ってくれたこと。

 無事に手形を回収でき、ようやく、本来の再生に手がついたところ。

 ヤミ金対策についてがんばろう、と言う気持ちになれたのは、弁護士とSTPから「破産はいつでもできる、できるかぎりのことをやりってみては」と言われたことが励みになったから。

 余談ですが、何度かヤミ金の事務所にも足を運んだ社長は、

 「ヤミ金というといかつい、その筋の人がやっているように見えるでしょう?でも実際に仕事をしているのは線の細い人たち。黒幕は後ろにいて出てこない。その人たちに話をすると一番反応するのは「警察」という言葉。彼らは違法なことをしているという認識はあるので警察沙汰になるのを恐れます(たぶん、検挙され投獄されることを考えるとワリの合わない仕事なのでしょうか)」

 また首都圏だと借りる方がヤミ金は違法、元金を含め返済の義務はない、ということが浸透しつつあり、借り逃げされる事案が増えている(!)とのこと。「地方だとまだ商売になるけどね」ということなのだそうです。

 ヤミ金の手口、対処法、など非常に参考になったセミナーでした。


 
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