何もする気がしない。そんな時、自分に問うてみることがある。取りためたHDのビデオを見る、iPhoneをいじる、読書をする、ジムに行く、いや取りあえず外に出てみる。順番に頭に浮かべてそのことを実行しようとするのだが、身体が一ミリも反応しない。心になにも引っかからないような感じを覚えるのだ。大量の時間を消費するすべもなく、心身がフリーズ状態になるのは恐怖といっていい。


その場しのぎだとしても、なにか熱中したり興味をそそるものがあればいい。例えば、iTunesのアップデートができるとか、ベランダの花に水をやるとか。でも、そんなことにさえ「ひっかかり」を感じないことが多々ある。そんな時は、ベッドとソファを往復する睡眠スパイラルに陥ることになる。寝逃げってやつだ。


しかし、人間は際限なく眠り続けることができるわけではない。半日以上床にいると、どうしても頭が痛くなったり、悪い夢を見たりする。頭の芯にまだ眠気が残っているときは儲けもんだ。寝ることだけが唯一できることなのだから。それなりにうつを飼いならすことができるように思っているのは、単なる自己の過剰評価だと痛感する。それは切ない。