会社から段ボールが届いた。何だ！ 開けるのを一瞬ためらう。しかし、思い切ってガムテープを剥がすと、同期からのメモが……。オレ宛てに届いていたものを転送するとの内容。半年以上もデスクの上に放置されていたものが、箱に詰まっているということらしい。
箱からは、会社の匂いがする。通常ならば、会社のデスクの上で目を通すものだ。そんな仕事の空気をまとったものを家で開封することは、それほど嫌なことではない。むしろ、懐かしい気分になった。半年以上も遅れて読むことになった年賀状。自分は当然一通も出していないのに、律儀に年頭の挨拶をくれた人達に感謝。他に特に重要なものは入っていないようだが、書籍が何冊かあった。さっぱり本を買わなくなったオレ。編集者としてどうかと思うのだが、仕事に戻るためには活字にも慣れていかなければいけない。
そういえば、会社のメールアドレスにはどれだけのメールが届いているのだろうか。何か重要な内容のメールが届いていたら……、それは少し怖い気もするが、一方でこの自分だけに送信してくれたものだったら嬉しい気もする。まだ仕事と細い糸で繋がっている。これからそれを手繰り寄せていかなければならない。これは決意だ。