小さい頃に遊んでくれたおばあちゃん。
料理の上手なおばあちゃん。
いつも優しいおばあちゃん。
トン トン トン トン
小さかった私はもう20代になって、おばあちゃんの介護をするようになった。
遠く一人で住んでいたおばあちゃんの介護をするために、一緒に暮らすようになった。
でも今は.
ときどき、気持ちはちくちくして、泥水のような気持ちになる
いつも優しかったおばあちゃん。
一緒に住めるようになって嬉しかった。
でも、
今では私が恩返しをしようとすると、いらない、と叱られてしまう。
せめてニコニコしてくれてたらいいのに。
今日は夜中に目が覚めて、トイレに行った
そこで溢れた排泄物の掃除をする 冬
深夜3時
暖かいオレンジ色のライトで照らされなが
便器と床を磨く
綺麗になるように
しゃがんで隅々まで
パチッ
電気が消えた。
トン トン トン トン
ドアの前でおばあちゃんの杖の音がする
まだ、ここにいるよ と声は 出なかった
きっと自分がトイレをした後に
電気を消すのを忘れたと勘違いをして
電気を消しにやって来たのだろう
深夜3時
真っ暗になった
他の家族は寝静まっている
汚れたトイレットペーパーを持ったまま立ち尽くす
数十秒間 動けなかった
なぜ こうなってしまうのだろう、と
これが介護なのか
おばあちゃんが部屋に帰り着いたのを耳で確認して手に持っていた汚れたトイレットペーパーを流す
綺麗になったであろうトイレ
真っ暗な中で お花を摘み
誰も起こさないように
ゆっくり 静かに自分の部屋へと戻った
驚くことに
普段ならおばけが怖いはずなのに
不思議とこわくはなかった
それはきっと
トイレには女神様がいると
どこかで聞いた歌のおかげ