Star Dust Present

Star Dust Present

ここは自作小説広場だにょーん。
みるんだにょーん。
・・・あ、すみません。見てください。
ー・・・あー、やっぱ見てくれると嬉しいです。

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✿あらすじ✿
トマトを片し終えた日陰たちは無事、一日を終えました。


時刻は4時30分。
そしてこの時間は誰もが部活を行っているか、帰路についていることだろう。
なのにも関わらず。
2年5組の教室では有実子の叫び声がこだましていた。
「日陰っ!ねえったらっ起きろっこのおたんこなすっ日陰ーっ!!」
「ん~」
かれこれこのやり取りを一体何時間やっているのだろうかと有実子は感じていた。
そして、これでこの寝腐れ日陰が起きなければ、もう置いて帰ろうと決意し、有実子は渾身の力を込めて日陰の背中を叩いた。
「日陰ーっ!!!!!」
「いっでえっ」
有実子の約1時間30分の努力が報われたのか、ようやく日陰が痛みと共に目覚めた。
「んだよ~有実子の馬鹿力~暴力ゴリラ~」
言ってからしまったと思った日陰は恐る恐る有実子を見る。
(やっべー)
日陰はまるで悪戯がバレた子供のようにばつの悪そうな顔をした。
「何か言ったかな~?ひ・か・げ・く・ん。」
「イイエ何モ言ッテマセンスミマセン」
目線をそらしながら言うと有実子は「くそ日陰。」と罵倒を日陰に浴びせた。
だが、そのあとに有実子は溜め息をはいた。
「どした?」
「どーしたもこーしたも…あんた、後で千にノートとらしてもらいなさいよー」 
「え?なん…あーあ」
「なんで」という前に日陰は気がついた。
自分が寝ていた机上にくしゃくしゃとなったノートがくたびれたように置いてあった。
見ると、「Yes,because...」で止まっていた。
挙げ句に日付は先週の授業から途切れている。
ものの見事に英語の授業は睡眠時間と化していたわけである。
「やべ~やっちゃった…」
嫌いな授業を睡眠へとあてたことに今更、やってしまったと日陰は思う限りだった。
だが、そんな不憫な目にあった英語の授業への日陰の懺悔は一瞬にして終わりを迎えた。
「部活はっ!?」
それを聞いた有実子は「アンタ、反省してないわね~」と溜め息まじりに言いつつ日陰に教えた。
「それは、千の担当でしょ。聞くなら千に聞いて。」 
「千だったら、きっと何かしてくれてるよ。というか。千は部活どうしたんだ?」
そう言いつつ日陰は自分の隣にいながらも今の今まで一回も言葉を発していない千を見た。
「それがねー。それを聞こうと、さっきから頑張ってんだけど…千、今心ここにあらず状態なんだよねー…」
と言うと有実子もやはり千を見て「ずっとこんな感じなの。」と付け足した。
「そりゃ大変だ…って千ってめっちゃ睫毛長くね?」
日陰は放心状態の千を凝視したが実際に目がいったのは、男にしてはやけに長い睫毛だった。
元々、千は眼鏡をかけているので、普段は拝見できないが、今は眼鏡をとっていて目を瞑っているため、睫毛の長さが際立って長く見える。
 そう日陰が言うと、有実子も千を凝視した。
「うはあっ…あたしより長い…」
男に負けたのが悔しいのかなんなのか、有実子はそれ以降黙ってしまった。
前言撤回。
「何食べたらこうなるのよ…」
とブツブツ呟いていた。
それを「不気味っ」と思った日陰はもう一度千の方を見た。
その時だ。
THE☆魔王覚醒。
「…何見てんだ、貴様は。」
「うわあっ!!生き返ったっお帰りっ!」
とりあえず起き抜けの魔王に、つい先程までは軽く死んでいたんだと言わんばかりに日陰は言う。
起き抜けの魔王は只でさえ通常状態でも機嫌が悪いにも関わらず、更に3倍くらい悪化する。
今ここで日陰が正直に「睫毛を眺めてました」等言ってみようものなら、魔王の手から天誅が下されることだろう。
それほどまでにご嫌斜めとなるのである。
「……ただいま。」
そんな日陰の心中など意にも介さず、魔王ー千は、「ふあーあ」とあくびをして日陰に応答した。
「…つーか、お前こそお帰り。」
「…ただいまっス」
どうやら今回の魔王はいつもより少しはまともなようで、日陰は少し睨まれるだけで済んだのだった。
その機会に日陰は気になっていた部活のことを聞いた。
「千、部活はどうした?」
それに千は飄々と答える。「なくなった。」
「え?なくなった?今日活動日なのに?」
「…今日の活動場所。」
そういって千は指で下をさした。
「それって…ここってこと…?」
「…ご明察」
そのまま放っておくとあくびをせんばかりの千に日陰は聞く。
「え、でもお前んトコの部活活動場、昨日は理科室だったじゃん?先週は…屋上だったし…」
その日陰の質問に千はよく覚えてんな。と感心したような口調で言った。
「…人研の活動場所は日替りで変わるんだよ」
「なんのために?」
「マンネリ化防止のために」
聞いた俺って…と日陰は感じたが、流石は人の常識の斜め上を行く人間心理研究部だけあって一般人の考えていることなどコイツらにはきっと理解し難いものなのであると無理矢理納得した。
その間に千はシャツに引っかけていた眼鏡を、ゆらゆらと怪しい手つきでかけていく。
まだ魔王は完全に覚醒はしてないのだ、と日陰は確信した。
「…ノート」
「…誠ニ申シ訳ゴザイマセン」
「いいよ、勝手に鞄から取り出して。」
そう言って千は自身の黒い鞄を指差した。
それに従い、日陰はその鞄を取りに行って、いつもはついてるはずのないキーホルダーを見つけた。
「あれ?千、こんなキーホルダーつけてたっけ?」
「っ」
そう日陰が問いかけると素早く千はチェーンを外してキーホルダーを取ってしまった。
そんなに見られると困るのだろうか、すぐにそれをポケットにしまった千は日陰に般若並みの剣幕で「…見たか?」と聞いた。
日陰は首がもげるのでは、と心配されるレベルで左右に振った。
「見てないですっ」
それでも疑惑の視線を向けてくる千に日陰はどうする術もなく、その視線を浴び続けることとなってしまった。
日陰は肩身の狭い思いを堪えること約1分、この場に似つかわしくない軽快な音が流れ出した。
「キーン…コーン…」
普段は授業の始まりを知らせ、学生を地獄へ導くチャイムが、今回だけは魔王から逃げるための救いのチャイムに聞こえた日陰だった。
✿あらすじ✿
学校につき、日陰がクラスに入るため扉を開けると、目の前に真っ赤なトマトが・・・



そんなことを言い放った千の言葉にクラス全員の思考が停止した。
3秒間程、クラスが沈黙に包まれることとなったが、それが過ぎてしまうとクラスメイトの全員が一斉に騒ぎだした。
「慊田っあっはははっ」
「あひゃひゃひゃっ」
笑いすぎて言葉を出そうにも出せない状況に陥っているクラスメイトをよそに千は拍子抜けして間抜け面の日陰にボソッと呟くように言った。
「大人気ないから、こんなことで怒るなよ。」
その千の冷静すぎる台詞に日陰は「そんなこと言われたって」
とでも言うように
「俺大人じゃないしー」
とふてくされた顔をして言い返そうとした。
そのときだ。
「あの・・・嵐野君。これで顔拭いていいよ」
日陰の目の前にピンクのハンカチが差し出された。
その先を見てみると、そのハンカチの色と同じ色の髪をした女の子が立っていた。
「おぉっ萌子ちゃんっ」
床館萌子(Yukadate†Houko)。
日陰のクラスの中でも結構な美人と、うたわれる女の子である。
そんな女の子からハンカチを差し出された日陰は、鼻の下が若干伸びていた。
「サンキューっ!助かったよっ」
そのハンカチを快く受け取り、日陰は顔面に張り付いたトマトの除去作業に取り掛かった。
「うわあっ嵐野ズッリイっ!抜け駆けしてんじゃねえっ!」
そんなことを言いながらズカズカと日陰の方にやってくるのは、今回のトマト首謀者である樹枢柚稀(Kisu†Yuzuki)だった。
「はっ!もとはと言えば、お前がこんなことしたからじゃねーかっ
自業自得だ、ばーか」
その一言により、とりとめもない応酬が始まった。
そのやり取りの真っ最中に萌子は千の肩をつついた。
「ん?」
「あの2人って仲悪いの・・・?」
あの2人が日陰と柚樹のことを指していると分かると千は軽やかに笑って答えた。
「むしろ逆だよ。あいつらがやってるのは兄弟げんかみたいなやつだからあまり気にしない方がいいと思うよ。」
「あ。そっかあー。よかったー。」
「まあ。そろそろ止めないと面倒くさいから・・・」そう言いつつ、千は2人のところへ近づき、冷徹な目を向けて、
「いい加減にしなよ。」
と言い放った。
「「ハイッ!!」」
いい加減にしろと言われただけなのに日陰と柚稀にとっては「るせえ、黙らねぇと殺すぞ」と言われてる気分だった。

それから10分後、日陰は柚稀、千と共にトマトの除去作業を終え、始まる授業に備えるため各自の席に座ったのだった。















✿あとがき✿
久々の更新です。
本当に高校生活は忙しいですね・・・
こんな勢いでしかスタプレをお送りできないことを心からお詫び申し上げます・・・。
ですが、それでも見守っていただけることを厚かましくも祈りつつ・・・笑
ではではっ  
   ばーい:六魔

「ベチッ」

それは日陰の開いた扉以上に勢いよく日陰の顔めがけて一直線に飛んできた。

それが当たった瞬間クラス中にからかいの笑いが日陰に向かって飛んできた。

―前から後ろからも―

「っははは、あははは、日陰、顔、ははは、」

「笑うな、千!!!第一なんでお前、こいつの被害食らってないの!?ねえ!!ちょっとぉ!!」

『コイツ』と日陰に称されたものは今は日陰の顔から落ち、足元に崩壊して今、悲惨な光景を繰り広げていた。

「うわあ、嵐野ダセェッ!!」

「トマト爆弾最高だろー!」

「うっせえよ!!」

クラス中が下卑た笑いで包まれ、日陰の反論も虚しくかき消されてしまう。

笑いの大きさが大きくなるのと比例して、日陰の苛立ちも次第に大きく全身に広がっていった。

怒鳴ろうか、と思った日陰が口を開きかけたときだった。

千がグシュグシュになったトマトをわしづかみ、その掴んだ手のひらを一気に閉じる。

悲惨な現状をさらに酷くするがごとく千は、日陰にあたった不運なトマトに追い討ちをかけた。

「お、おい・・・千、何やって…うわ…ぁ」

理由がわからない千の行動に日陰は驚愕すり。

当の千本人は何てことはない普段と変わらぬ顔をしてすかしている。

つぶれたトマトが千の指から赤い液体を出しながら滴り落ちる。

「ピト・・・ピト・・・」

指から落ちた赤い液体が同色の水溜りを作る。

・・・否、トマト溜り?

しばしの重い沈黙があたりを取り巻く。

その間にも千はクチャクチャと気味の悪い音を鳴らしながら手の中で、ほぼ溶解しているようなトマトを弄んでいる。

「ピチャ」

トマトの最後の抵抗なのだろうか、千の顔にトマトの果実が飛んだ。

それは千の頬を伝い下から下へと落ちていき、口元に達したとき千の下によってなめ取られた。

その光景はあまりにも異様でおぞましかった。

トマトが赤いため、遠くから見ると、まるで手の中で臓器をいじくり、飛んできた返り血を舌でなめとってるかのようなグロテスク極まりないものを想像させた。

 

―次回、そんな千の口から吐かれる言葉にクラス中が驚愕!?-