2024年が明けました。

本年は、元日の夕方に、能登半島の地震、昨日は、羽田空港で航空機事故と、不穏な年明けとなってしまいました。震災の被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。

 

そのようなわけで、私ysheart(ワイエスハート)が運営しております当ブログも、新年最初の投稿内容とそのタイミングを考えて、今日のアップロードとなりました。そして、ブログ自体も、昨年は、11月以降、なかなか更新できずにいまして、大晦日に暮れのご挨拶に間に合ったばかりでしたが、ここでさあとばかりに加速するのでなく、地味かもしれませんが、丁寧に書くことを第一に進めてまいりたいと思います。

 

 

新しい年も、当ブログをよろしくお願い申し上げます。

 

初日の出の瞬間には間に合わなかったのは、久しぶりです(笑)

今年最初に聴いたのは、年末に聴いた2作と、シーオンの「Now or Never」、それに昨年亡くなったKANさんの「愛は勝つ」でした。

 

 

KANは、ビリー・ジョエルを聴いていると思えば、その音感で楽しめると思って聴いています(KANの8cmCDシングルは、『愛は勝つ』『まゆみ』を実家の保管庫に所有しています。『愛は勝つ』のカップリング曲は「それでもふられてしまう男(やつ)」です笑)。

 

そして、昨日今日と、ロビー・ロバートソン(Robby Robertson, 1943-2023)のソロアルバム『ロビー・ロバートソン』(1987)を聴いています。

※以下、右のカッコによる作者の表記がなければ、すべてロビー・ロバートソン作。

 

ロビー・ロバートソン

ロビー・ロバートソン』(1987年最高38位)

 

1.墜ちたエンジェル/Fallen Angel(Robby Robertson, Martin Page)

2.ショウ・ダウンービッグ・スカイにて/Showdown at Big Sky

3.ブロークン・アロウ/Broken Arrow

4.スウィート・ファイア・オブ・ラヴ/Sweet Fire of Love(Robby Robertson,U2)

5.アメリカン・ルーレット/American Roulette

6.クレイジー・リヴァーのどこかで/Somewhere Down the Crazy River

7.ヘルズ・ハーフ・エイカー/Hell's Half Acre(Robby Robertson,Martin Page)

8.ソニーとムーンライト/Sonny Got Caught in the Moonlight

9.テスティモニー/Testimony

 

1.~4.は、それぞれ映画のサウンドトラックで使用された。

3.は、ロッド・スチュワートのアルバム『ヴァガボンド・ハート』(1991)でカヴァーされた。

 

レーベル:ゲフィン・レコード

プロデュース:ダニエル・ラノワ、ロビー・ロバートソン

※ダニエル・ラノワといえば、ニール・ヤングの『ル・ノイズ』(2010)(私あまり好きでない作品)のプロデュースで、曖昧な音の洪水的なイメージを私、勝手に持っているんですが、この方は他にもピーター・ガブリエル『So』(1986)、U2『ヨシュア・トゥリー』(1987)他U2の作品いくつか、ボブ・ディラン『オー・マーシー』(1989)等、有名な傑作を作っていますので、下手ではなく個性の強い音楽性が反映された音なのだと思います。

 

参加ミュージシャン錚々たる顔ぶれ。

本人、ダニエルのほか、有名なところでは、U2のメンバーたち(4.、9.で。ボノは4ではボーカルで前面に出ている)、ピーター・ガブリエルがキーボード等で(3.)、トニー・レヴィンが5.~8.でスティック或いはベース、90年代に良曲をヒットさせるマーティン・ペイジは、数曲をロビー氏と共作のほか1.でドラム・プログラミングで参加、ザ・バンドのガース・ハドソンとリック・ダンコ、そして、ギル・エヴァンスがラスト9.のホーン・アレンジで参加しています。

 

 

僕が、このアルバムを知ったのは、リアルタイムの1987年。当時、少年のくせに、大人の男性歌手の、自分ではちょっと理解しづらい大人の次元の音やメロディに好奇心が芽生え(ロバート・パーマー、スティーヴ・ウィンウッド、ピーター・ガブリエル等が当時の僕にはそのような人と映った。ビリー・ジョエルは、自分にはもう少しポップでなじみやすかったので、これらに含まれず 笑)、要するに背伸びしたかったんですわ。

その流れで、音楽雑誌の新作紹介のページで見つけたのが、『ロビー・ロバートソン』でした。ロビー氏がザ・バンドだった人とかそういう知識は全然なかったですが、アルバムジャケットからして、なんかよさそう、自分が求めている感じが込められているはずだ、と予感したものです。ただし、当時は手に入れて聴くことなく過ぎ去りました。

 

ここ数年、このアルバムを思い出してCD店を探しましたが、見つからず。昨年、ロビー氏が80歳で亡くなり、これが追悼の意味合いで他のディスコグラフィーとともに再発されるのを待っていましたが、国内盤は出されず、先月下旬CD店にて、ロビーの特集的な棚に輸入盤があるのを手に入れたおかげで、いま、こうして聴けているのです。

 

聴いてみると、幻想的な音がU2の当時の音と融合しているあたりは、ジャケットから当時想像した通りでした。ただし、ボーカルは、想像したよりも粗削りな感じで、まあ、カントリー・ロック的な、ザ・バンドの趣というのか、そういったものは想像とは一致しなかったところです。

オープニング1.などは、プログレッシブで僕はイメージ通りで好きな雰囲気です。

3.は、いかにも、ロッド・スチュワートがカヴァーできそうな曲、ロビーの歌唱はボブ・ディランをほうふつさせました。4.はイントロのギターからU2です(笑)

5.は佳曲。6.はディランやルー・リードみたいと少し思った。9.はパワーとタイトさを帯びていて、力強くアルバムを締めて終わり。

 

僕は、2.の透明感とシャカシャカした音の軽快さと緊張のブレンドされた感じが好きです。

1.~3.、5.が良いかな。しかし、全体として良いアルバムです。

 

当時、堪能で来ていたらなあ。しかし、聴けたのはうれしいことです。

 

ロビー氏は、これの前に、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの『サザン・アクセンツ』(1985)にも参加していたようですね。僕『サザン・アクセンツ』持っているのに、その認識なかったぞ(←)。また、ちゃんと聴いてみよう。

 

いま、時代が混とんとして不安定で、年の始まりも不穏な状況で、こういう、やや物憂げながらタフな(それでいて僕の好きな透明感あるギターやキーボードの音が聴ける)作品がちょうど心にぴしゃっと響くような気がしています。

 

 

以上、2024年最初のレビューでした。

では、あらためまして、今年もTHE OTHER SIDE OF LIFEと私ysheartをよろしくお願い申し上げます。