異常な暑さが続き、絶望的な世情の下、お元気でお過ごしでしょうか。

今日は、エマーソン・レイク・アンド・パウエルの唯一のアルバムを聴く手始めに、8曲目「火星ー戦争をもたらすものー」と、原曲である、グスターヴ・ホルストの曲をベルナルド・ハイティンクの指揮で聴いています。

 

久々にプログレのテーマでお送りしたいですが、今日は疲れているので、今日は、この曲と、EL&P(本当はこの略称表記は正確ではない)について大まかに書いて終わります。

 

 

EL&Pといえば、5大プログレッシブ・ロック・バンドのひとつで、メンバーは、キース・エマーソン(キーボード)、グレッグ・レイク(ボーカル、ベース、ギター)、カール・パーマー(ドラムス、パーカッション)の3人でした。

 

が、1979年解散後、僕の80年代に、再結成を画策したキースに対し、エイジアの調子が良かったことを理由に参加を拒んだカールに代わって、同じPが姓の頭文字であるコージー・パウエルが参加することで、エマーソン・レイク&パウエルが誕生したのです。

 

1986年、バンド名と同じタイトルのアルバムをリリースし、それっきりでバンドは終了しました。

ともかく、このパウエルのPによる3人のバンド、僕はFM誌に広告が載っていたのを覚えていますよ。

 

EL&Pは不変のまま、パーマーとパウエルが入れ替わっているなんて面白いアイデアだなと思っていた私でしたが、

パーマーが、自分でないPを用いたEL&Pは使用するなと、裁判で訴えて勝訴してしまったので、その後結局、パウエルのいたバンドは、EL&Pという略号は使えなくなったそうです。

 

1986年のエイジアは、3rdアルバム『アストラ』リリース翌年のことで、たしかに、その年は、まだパワーがあったかもしれません。

一方、グレッグ・レイクは、この数年前に、エイジアでジョン・ウェットンが脱退していた時に、代役になった時期があります。

エマーソン・レイク・アンド・パウエルの本作を聴くと、レイクの声は、限りなく、ウェットンに近い感じに聞こえます。

 

レイクもウェットンも、かつてキング・クリムゾンにいたという共通点があり、レイクは、クリムゾンの2nd『ポセイドンのめざめ』では、まだ参加の形跡があり、さらに、『ポセイドン・・』収録の「デヴィルズ・トライアングル」こそは、実はホルストの「火星」のタイトルを変更して、クリムゾン仕様にアレンジされた曲のようです。

 

しかし、本作『エマーソン・レイク・アンド・パウエル」収録時点では、ホルストの著作権50年が失効しており、こちらのタイトルは、ホルストと同じで、曲調も極端なデフォルメを施しているという感じではないように聞こえます。クリムゾンと大きく異なっています。

 

なんか、暑さのせいか、世情のせいか、物事すべて空しく聞こえ、虚しく映るばかりです。「火星」はそんな状況にふさわしい、鬼気迫る曲です。クリムゾンほどではないが、ホルストの原曲が怖く聞こえるのに対し、エマーソン・レイク・アンド・パウエルのがいちばん、ほのぼのかっこよく聞こえる気がします。

 

詳しいことは、またやる気のある時に書きます。

 

キース・エマーソンもグレッグ・レイクも2016年に亡くなり(前者は自殺)、コージー・パウエルは1998年にすでに他界しています。このバンドは3人とも死んでしまったので、再結成のしようがないでしょう。カール・パーマーは存命だと思うけれど、長生きしてほしいし、また音楽的な場での話題を聞きたいものです。

 

今日は疲れたので、また。そうだ、明日は立秋ですよ!信じられないけど、暦の上で、秋になるんです!