2022年のゴールデンウィーク初日は、静かな始まり。外は雨が本降りになってきています。こんな日に聴くのは、ギルバート・オサリバン(Gilbert O'sullivan)のセルフタイトルアルバム『ギルバート・オサリバン』が良いです。
2018年9月にリリースされた、オリジナル・スタジオ作品第18作、これは2022年4月現在、オサリバン氏の最新作です(7月に新譜が出るまでは、新譜です)。
『ギルバート・オサリバン』
1.アット・ジ・エンド・オブ・ザ・デイ/At The End Of The Day
2.ザ・セイム・ザ・ホール・ワールド・オーヴァー/The Same The Whole World Over
3.ラヴ・ハウ・ユー・リーヴ・ミー/Love How You Leave Me
4.ホワット・イズ・イット・アバウト・マイ・ガール/What Is It About My Girl
5.アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン/I'll Never Love Again
6.ホエア・ディド・ユー・ゴー・トゥ?/Where Did You Go To?
7.ダンセット・ドリームス・アンド45’s/Dansette Dreams And 45's
8.ノー・ヘッド・フォー・フィギュアズ・バット・ユアーズ/No Head For Figures But Yours
9.ペニー・ドロップス/Penny Drops
10.ディス・リフ/This Riff
11.ザ・マインド・ブーグルズ/The Mind Boggles
12.フォー・ザ・レコード/For The Records
プロデュースは、イーサン・ジョンズで、ポール・マッカートニー『NEW』(2013)の共同プロデュースなどで有名な人。7では、ギターソロで参加しています。
ミュージシャンの中で、いちばん、あ、と思ったのは、ドラマーでジェレミー・ステイシーの参加です。そう、あの、昨年来日したキング・クリムゾンの人です(トリプルドラムのセンター)。本作では、双子のポール・ステイシーさんも参加しています。
日本語盤の解説にもあるように、70年代の、オサリバンらしいイメージの曲調で、それぞれ個性的な要素をもった楽曲が揃っています。今月23、24日の来日公演で1、2、5、6、7、8と、12曲中6曲も演奏されているのも価値ある感じがうれしい、オリジナルアルバムです。
【右の英語版解説のほうは、オサリバン氏が前進しています(笑)】
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実は、2018年当時、僕はBillboard Live Tokyoでオサリバンのライヴを観たのですが、その時点では本作を購入せず、動画や試聴などで予習してライブに行きました。久々の新譜ですが、イメージだけで、よい作品だと思い込む自分を、この提灯野郎を想像したからです(笑)
その時、ライヴからの流れで、このブログに感想を書いていたら、当時の自分だと、”提灯記事”必至だったのではと思っていますので、やはり、時期を空けて、いま3年半ぶりくらいの来日のタイミングで、こうしてようやくアルバムを買って聴きこんだうえで感想書くことになって良かったです。
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【23日、新宿文化センターで観てきました】
1は最初から、オサリバン独特のメロディが「アローン・アゲイン」に通じる不思議な空気感を帯びているし、2や6の軽快さ、5のいかにも日本の歌謡曲風な親しみやすさ、その他前半から、メロトロンやオーケストラが音に深みを与えていて、やはり、オサリバンは、ただ良い曲というには留まらず、そしてそれぞれのメロディの違いを心に印象付けられます。
僕がいちばん気に入っている7は、ゆったりとムードも哀愁も伴って歌われるのにどこか力強さを感じさせる曲です。
この”ダンセット”というのは、一種のレコードプレーヤーで、45’sとは、シングル盤レコードのことだそうです(国内盤の解説書から)。本作でいちばん長い5分台の曲です。
後半もいろいろで、特に、10は、50~60年代のR&Bを聴いている感覚になります。こういうのが入っているのも、本作の良さです。僕がブルースにハマったのはちょうど2018年でしたが、当時、それなりに的を射た感想が言えたかどうかね。僕は過去の自分を信用できないんですよ(笑)
ラストの12の潤いのあるポップさと、歌詞のユニークさのバランスで、オサリバンらしい作品が締めくくられます。このラストの曲、バッキングボーカルに、娘さんのヘレン・マリーさんが参加しているようです(英語版のクレジットから)。
【英語版の解説書は、パラパラめくると、右上の白いシルエットのオサリバン氏が歩きます。右上に、・・・おわかりいただけただろうか(←)】
オサリバン氏は、名前の通り、アイルランド出身(頭にO'が付くのはアイルランド姓の特徴)。しかし、育ったのはほとんどイギリスらしいです。もっとも、先の来日公演(4月23日・24日)でもオープニングで歌われた「January Git」の歌詞にもDublinが出てきます。アイルランドの首都ですね。
では、今から、近くの店に買い物に行きますが雨なので、少し面倒な気分です。
みなさん、よい連休を。