今年(2022年)1月下旬に、スーパーバンド、エイジア(Asia)の初期4作が紙ジャケットの高音質CD(MQA-CD×UHQCD)で再発されたので、私ysheartは、すべて入手しました。80年代後期に洋楽に開眼して間もなく、少年ハートは、エイジアを、大きな衝撃をもって受け入れました。

 

これから、不定期で、この4作品をレビューしていく予定ですが、今回は、デビューアルバムについてです。

この1stアルバムは、1982年3月発売ですが、この頃私は、まだ、リアルタイムで聴いていません。

当時、私は、自分の作文を地元のタイムカプセルに埋めた頃。

ああ!そういえば。

1982年3月、このアルバムリリースとほぼ同時期に、日本の特撮番組では、『宇宙刑事ギャバン』が放映開始されました。いまちょうど、YouTubeで配信されていて、当時あまり見なかった私は今観ています。・・・

 

若さは、振り向かないこと、愛とは、ためらわないこと

 

 

それはいいとして、エイジア!

 

 

エイジア

詠時感(エイジア)~時へのロマン~』(Asia)(1982)

 

1 ヒート・オブ・ザ・モーメント

  Heat Of The Moment

2 時へのロマン

  Only Time Will Tell

3 孤独のサヴァイヴァー

  Sole Survivor

4 ワン・ステップ・クローサー

  One Step Closer

5 タイム・アゲイン

  Time Again

6 この夢の果てまで

  Wildest Dreams

7 ウィズアウト・ユー

  Without You

8 流れのままに

  Cutting It Fine

9 ときめきの面影

  Here Comes The Feeling

※10 ライド・イージー

  Ride Easy

 

※・・・ボーナストラック

 

エイジアは、ジョン・ウェットン(元キング・クリムゾン他、リードボーカル、ベース)※2017年3月逝去、ジェフ・ダウンズ(元バグルス、YES、キーボード、ボーカル)、カール・パーマー(元EL&P、ドラムス、パーカッション)、スティーヴ・ハウ(元YES、ギター、ボーカル)という、プログレッシブ・ロックの精鋭が集結したバンド。

 

 

当時の世間の反応もまた凄かったのではと想像します。プログレのドラマティックで複雑な展開を、ポップスのシングルレコードサイズの3~5分で納めたような曲群。マニアックでない一般大衆にもメインストリームで楽しめる音として迎えられたのではないでしょうか。実際、本作は、1982年に、全米アルバムチャート(US Billboard 200)で1位を9週キープしました。

 

アルバムジャケットは、YESのジャケットでも有名なロジャー・ディーンによるもの。

アジアのオリエンタルなイメージといえば、龍ですか、先ずは。

音は、特に東洋的とは思いませんが、当時の日本のポップスシーンに共通した音の隙間のようなものを私は感じます。

ともかく、メロディは、わかりやすく直球で心に届き、それがウェットンさんの稀有な声と歌唱でつよい説得力をもっています。名曲が出ないはずのない声質、という感じがするのです。

 

本作からのシングルは、1、2、3の3曲で、緩急あって素晴らしく、何より前向きな曲のパワーがいいですね!

特に、3月に出た訳ですよね、そして今、4月で、日本では、新年度。

 

ちょうど、昨日、仕事で近所の公共施設に行ったら、会議室でどこかの会社の新人研修をやっていました。

新生活で、緊張する人たちにとって、背中を押してくれるサウンドが、エイジアにはあります。

1と2は有名過ぎるので、ぜひ聴いてもらいたい。

そして、がんばるぞと思ってほしいですわ(笑)

 

3、4は、スティーヴ・ハウらしい東洋的な個性のあるギターが聴けます。

4は、ゆったりして明るい曲です。ハウの音楽だなと思います。昨年、YESは、ハウのイニシアティブで新作『クエスト』を出しましたが、あの雰囲気をすでにこの曲で感じ取ることができます。

 

言い忘れましたが、本作の曲は、2000年代に、再現ライヴが東京で開催されたのを観に行きましたので、すべてなじみがあります。それでも、こうして家でゆっくり聴いていると、新しい発見があるのです。

 

後半は、やはり、6が最高に聴きごたえのある、スリリングなところが好きです。1990年秋に中野サンプラザ(今、まだ開いていますか或いは改装工事に入りましたか私は新情報得ていません)で初めてエイジアのライブを観た時のオープニングがこの曲でした。

 

そして、7、8、9と、第一級の認知度はない曲ですが、それぞれ、さすがプログレの人が作った作品らしい、いろいろな顔を見せる楽曲です。

7の構成、8で3分台で主題が終わった後のインストゥルメンタルのパートが何とも時代の面影を伝えてくれそうなのを感じられます。

9は、本編のラストを締めくくる、安定感ある曲。以上3曲はいずれもハウが曲作りでクレジットされています。

 

全体に明るく優し気な1st。

スタートの季節に相応しいシンプルさも兼ね備えています。

 

エイジアやプログレの往年のファンであれば、みんなはとっくに探り当てているはずの鉱脈を、あたかも新作と向き合うかのように探っている自分が好き(笑)

こういう聴き方ができるから、紙ジャケ再発は魅力的であります。

 

では、ひきつづき、よい週末、休日を。