80年代にプログレのスターが集結して生まれたスーパーロックバンド、エイジア。僕がリアルタイムで聴いたのは、第3作『アストラ』で、1985年の終わりになります。自分のお小遣いで洋楽のLP(アナログレコード盤)を買い始めて間もないころ、FMラジオや街のレコード店などから聞こえてきた「GO」に衝撃を覚えて、迷わず購入。レコードプレーヤーで聴いて期待を超える内容(当時の自分の評価)にしばし感動に浸る日々を過ごしたのでした。

 

 

 

 

エイジア(ASIA)

アストラ』(ASTRA)(1985.11.30)【1985年全米アルバムチャート最高67位】

 

1. ゴー/Go【1985年全米チャート最高46位】

2. ヴォイス・オブ・アメリカ/Voice Of America

3. ハード・オン・ミー/Hard On Me

4. ウィッシング/Wsihing

5. ロックン・ロール・ドリーム/Rock And Roll Dream

6. カウントダウン・トゥ・ゼロ/Countdown To Zero

7. ラヴ・ナウ/Love Now Till Eternity

8. トゥー・レイト/Too Late

9. サスピション/Suspicion

10. アフター・ザ・ウォー/After The War

 

メンバー:ジョン・ウェットン、ジェフ・ダウンズ、カール・パーマー、マンディ・メイヤー

1、2、4~7、9、10:ウェットン、ダウンズ

3、8:ウェットン、ダウンズ、パーマー

プロデュース:マイク・ストーン、ジェフ・ダウンズ

 

 

当時の評価では、と書きましたが、今でも、これは当時買って正解だったと思っています。

今は、CDで聴くだけですが、この音をアナログで黒く透き通った盤に針を落として聴く至福の感覚、わかりますかね(笑)

アルバムジャケットの濃い紫色と宇宙のSF的なイラスト(ロジャー・ディーン作)も想像を無限に広げてくれます。

 

ジョン・ウェットンの厚みのある男性の声、トコトコトっと進むカール・パーマーのドラムス、あふれんばかりのニューエイジなシンセサウンドのジェフ・ダウンズ、当時の僕が求めていた音、そしてメロディでした。

「GO」から「ロックン・ロール・ドリーム」までがA面で、この5曲は全部君たち最高だよと言いたい出来(笑)

当時の自分でも、B面は少し物足りない。ラストの鬼気迫る感じだけが際立っていて、それでも凄いのが聴けたなあと思ったものでした。

 

当時のFM誌のレビューでは、脱退したスティーヴ・ハウのギターのセンスへの評価が良くなかったのですが、その時点で僕は、ハウを知らなかったので全然気になりませんでした(笑)

今でこそ、スティーヴ・ハウのギターは、YESのサウンドをすぐに思い起こさせるだけの個性に満ちていて楽しいですが、たぶん、ウェットン&ダウンズの方向性及びエイジアのスーパーヒーロー主題歌のような音とハウの感性とは、ずれがあったのだと思います。

(つまり、ハウのギターサウンドが良い悪いの問題ではないのです。『詠時感』『アルファ』でハウのプレイも楽しいですが、そのパートを聴いているとき、エイジアを聴いているのか、ハウ或いはYESのプログレを聴いているのかわからなくなっているかもしれません自分は)

 

昨年暮れに出た、ハウの自伝本『オール・マイ・イエスタデイズ』にも5行程度ですが、この辺りについてハウの考えが記されています。代役グレッグ・レイクがお役御免となり、ジョン・ウェットンが再加入し、ハウが追い出された後、しばらくして、『アストラ』への参加を誘われたハウは、音源を聴いて、ダラダラした感じ、悲しく重い印象から、断ったという趣旨のことです。

 

・・・なんかそれ、わかるんです(・_・)←笑

 

もう少し、特に後半に音の冒険や、歌詞の工夫があると良かった気がします。悲しく重い、っていうのは、ウェットンの、キングクリムゾンに通じる雰囲気からくるものが、あるのかなあと思ったりします。

 

実際、いま、『アストラ』を聴くと、そのような感想を持ちます。

 

まあ、それでも、僕には記念碑的なアルバムです。

「GO」は僕の中ではエイジアの代表曲です。サビの歌詞の言葉の跳ね加減が好きです(ウィッチウェイ~とか、メイビーとか、ユーガッタタイムとか)。

そして、『アストラ』を軸に遡ったり先の時代に飛んだりして、エイジアを見ています。

 

なお、「GO」のMVは、今世紀に入ってから観たような気がします。あのジャケットのヒューマノイドみたいなキャラクターは、特殊な宇宙服を着た女性です。バッドエンドっぽいストーリーがあるビデオですね。

また本作で2番目に好きな曲4「ウィッシング」は、英語版のWikipediaによると、セカンドシングルだったようで、地味にうれしく感じます(笑)

日本では、8「トゥー・レイト」が12インチシングルで出た記憶がありますが、あれは頂けなかった(笑)

あの曲はちょっと押しが弱いんだ。

 

 

余計な話ですが、85年当時、新ギタリストのマンディ・メイヤーの所属していたバンドが「コブラ」であるというのを知ったかぶって同級生に言っていた自分が恥ずかしく思い出されます(笑)フロリダのバンドだったか忘れましたが、サバイバーにも、「コブラ」出身のメンバーがいたと思いますが。決して、特筆するほど売れた系統のバンドでないはずだし、僕自身知識はほぼゼロだし←

 

当時は、この『アストラ』を買って聴いてから約5年後に、中野サンプラザで、エイジアのライヴを観ることになるとは勿論予想できませんでした。やはり、エイジアとの出会いは、自分の中の重要な部分だったのでしょう。

 

いずれ、『ゼン・アンド・ナウ』についても書くつもりです。では、また!

 

 

 

追記。

前回、エイジアの記事、『アルファ』についてコメントをいただいた際に、『アルファ』の#7のことがふれられておりましたが、私も確かに、あの2ndでは、7「時の旅人」がかなり好きなのかもしれないと思うくらい、あの曲のメロディがずっと頭のなかで聞こえています。今月に入って、ずっとですね(笑)