角松敏生さんがプロデューサーやソングライターとして手掛けた様々なアーティストの楽曲を集めた『角松敏生ワークス』が先月リリースされ、勿論、その日に手に入れてきました。2020年リマスタリング、CD2枚組で合計32曲。角松氏による序文は、わかりやすく、時代を顧みての感慨が伝わる言葉に頷くysheartでした。

やはり時代が必ずしも作者が意図した通りには受け止められず、歯がゆい思いをなさっただろうなあ、と、序文を読んで、思います。

 

実際、僕自身も、中学生のころから、音楽誌やFMを通して、角松氏とその音楽は何となく知っていたけれど、今一つ無粋な自分の心に納得しがたいものがありました。僕の同級生はかなりハマっていたようで、そこから情報を得ていた部分もあります。

しかし、どこかで、この人売れてほしいな、報われてほしいな、という想いもありました(笑)。

それだけに、1997年に、AGHARTAの長万部太郎名義で、作詞・作曲された「WAになっておどろう~ILE AIYE~」が聴けたときは、ああ、いよいよ、角松の時代が来るな(正確には、角松に時代と私が追いついたな←)と確信し、うれしかったのを思い出します。

 

WAになっておどろう~ILE AIYE~」を角松氏のCDで聴きたいから買ったと言っても過言じゃありません。

今まで、AGHARTA名義であるせいか、なかなかお店でCDを見つけることができなかったんです。

今回、ようやく聴けて、聴きながら、苦しかった当時のことがいろいろ思い出されて、涙が出ました。

 

 

さて、2CDの感想ですが、

DISC1は、オープニングのインストゥルメンタル・ナンバーから、力がわいてきます。「Lady Ocean」(Tokyo Ensemble Lab)、絶対どこかで聞いた曲ですよ。このあと、自分の特に気に入ったのは、4曲目の「Splendid Love」(Sala from VOCALAND)、14曲目「THE BLUE CLIF」(友成好宏)、15曲目「Heart to you~夜が終わる前に~」(Anna from VOCALAND)、そしてラストの「NEVER GONNA MISS YOU」(吉沢梨絵 Duet with KADOMATSU.T)。

 

VOCALANDは、1996年に、女性ボーカルの人を集めてつくったプロジェクトらしい。上にあげたうち、インストゥルメンタルの14以外は、VOCALANDの2枚のアルバムから。ホーンセクションも、リズムも、シンセで華やかに彩られたサウンド全体も角松さんの象徴的な音の世界で、今の時代になって、それが自分の気持ちにちょうど良くフィットしている感じがします。どうしてでしょう~!

ラストの吉沢さんは、角松さんとデュエットですが、これを聴いていると、何度もすみませんが、ミュージカル「東京少年少女」に通じるドラマティックな空間が自分の心の中に広がっていきます。

 

続くDISC2も良いですが、やはり、圧巻は、ラストの「WAになっておどろう~ILE AIYE~」しかも、NHKみんなのうたversion。

1990年代の日本で、最も美しいポピュラーソングです。

いまの混乱した世界に、必要な歌。

 

さて、これらの楽曲の外には・・・

杏里さんが何曲か登場しますが、安定の杏里さん、夏といえば、杏里さん。もう、杏里さんと4回書いてしまいました。

中森明菜さんの「UNSTEADY LOVE」は、1985年のアルバム『BITTER AND SWEET』から。そのアルバム収録のシングルは、「飾りじゃないのよ涙は」です。中森さんは、アイドルを超えて、日本の希少な素敵な歌手。元気であり続けてほしいです。

 

夏は水分補給しっかり、そして、角松サウンドも、風鈴のような効果があるので、夏に欠かせません。

みなさん、がんばって、楽しく、夏を過ごしましょう。ただし、コロナには今まで通り、気をつけて。

そして、ここに挙げた、ミュージシャンの皆さんも、健康でありますように!