『レモン哀歌』
そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白くあかるい死の床で
わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉(のど)に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓(さんてん)でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光るレモンを今日も置かう
(高村光太郎『智恵子抄』)
文系のセンスは微塵もないもんで
詩というものはさっぱりわかりかねます。
しかし『檸檬のように甘酸っぱい日々』が
人生にあったかどうか
記憶の定かじゃありません。
ただひとつ言えるのは
酒を飲みすぎるのは
体に悪い
…ねって話。
(Base Ball Bear『17才』)
そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白くあかるい死の床で
わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉(のど)に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓(さんてん)でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光るレモンを今日も置かう
(高村光太郎『智恵子抄』)
文系のセンスは微塵もないもんで
詩というものはさっぱりわかりかねます。
しかし『檸檬のように甘酸っぱい日々』が
人生にあったかどうか
記憶の定かじゃありません。
ただひとつ言えるのは
酒を飲みすぎるのは
体に悪い
…ねって話。
(Base Ball Bear『17才』)