スタニスラフスキー第6巻 409頁より引用

 

習慣…それは第二の天性です。この格言は俳優の創造活動にとても当てはまります。私たちのハラハラする、刺激的で、麻痺するような環境…創造は困難で異常な状況は、私たちの感情を脱臼させて、本当の技術を奪うことがあります。そこで俳優はそんな絶望的状況から脱しようという努力します。感じないのに感じよう!やりたくないけど行動しよう!と。それは簡単なことではありません。ですからここで、舞台のあらゆる慣例、決まり文句、調子、トリック、形式主義的なテクニックが俳優を助けます。毎日毎日、そんな正しくないテクニックを使い、沢山間違った練習をして、悪い習慣を生み出し、舞台での第二の習慣になってしまいます。このように不自然な幸福感、充実感が俳優に作られていきます。慣れてくるとそれが日常生活と変わりないものとして感じ、舞台で好まれ愛され自然で普通なことだと思うようになります。