今もそうだろうが北大にはおおらかな雰囲気がある。

 

中央図書館で本を読んだり勉強をして腹がへるとクラーク会館でメシを食う。

 

食堂は学内に多くあり最近ではカフェやマルシェなんて言うのも出来たしコンビニまで出来てその建物でジンギスカンも出来るようだ。

 

朝早く大学に着くと先ず中央食堂で朝飯、昼食はクラ館、夕食は中央食堂2階で、少し贅沢をしたい時には当時、東京キャラ亭と言う感じの名のレストランが百年記念館の1階にあり、そこで食べていた。利用したことはほとんど無かったが学内には床屋もあった。学生ならほとんどタダで薬を貰える保健管理センターなどもあり、寮生なら学外に出ることなく生活出来る状態だった。

 

僕は北大の敷地の割りと近い場所に住み何度も引っ越しを繰り返した。北海道では手に入らない『うまかっちゃん』と言うインスタントラーメンを送って貰って、ラーメンに飽きるとその麺を焼きそばにして食べたりもした。学生街は安くて美味しいお店も多い。『正本』と言う寿司屋にはよく行った。注文は決まって『梅ジャン』。これは松竹梅の一番安い鮨のネタでシャリが🍙のようにデカいのでジャンボ、通称、梅ジャン。

有珠山の大噴火の時、金曜日の最終便で東京から千歳に飛び、土日にボランティアをして、札幌に移動し、正本に行き、もちろん梅ジャンを注文。その後、正本は廃業したと聞いている。

 

ソクラテスおじさんのことを書こうと思ったのにテーマが随分ズレてしまった。

 

ソクラテスの顔を見たことが無い人は社会科の教科書かネットで調べて欲しい。

まるでソクラテスのような顔をしたおじさんが北大構内に住んで居た。いわゆるホームレス。クラ館の食堂のオバチャン達ちとも当然、顔見知りでいつも楽しそうにクラ館を中心に暮らしていた。大盛りのドンぶりメシ、そばのツユ、納豆などを美味しそうに食べ食堂のおばちゃんとよく話していた。学生もカレーを注文する時に「おばちゃん、ルーは少しでいいからメシは大盛にして」なんて言ってるヤツもいた。あのソクラテスおじさんも、既に亡くなっているだろうが、幸せな晩年だったのではないだろうか。スタンフォードでも大きな袋に新聞を入れて食堂の辺りをチョロチョロしている人がいたが、あの人ももしかするとホームレスだったのかも知れないと今、考えている。

 

今朝も散歩をした。

 

今日のコースは楠漁港、ヨットハーバー、別府公園。

 

この広い公園にもホームレスの人はもちろんいる。ホームレスではないが毎日、イヤホンで何かを聴きながらひたすら文庫本を読んでいる老人がいる。スゴイと思うのはほぼ一日中本を読んで過ごしていることだ。何時も思うのだが1日24時間、今まで発表されたクラッシックのCDを聴いたとしても全て聴くことは不可能だし、僕の場合、ジャズやボサノバや今は70歳くらいになってしまった日本のミュージシャンの曲も聴く。

 

コロナと言う訳の分らないウイルスのお陰で様々なことを考えるようになった。

 

 

今朝は散歩の途中でソクラテスおじさんのことをふと思いだした。