本日は私の先輩?友達?が、数年前に実際に体験した話。



大学の学年は同じだけど、私より年上の現在アラフォー。



背が小さくて華奢で、永遠の少女って人です。
肩幅のある私から見たら羨ましい…



そして、体全体から出す空気感っていうか雰囲気が、無邪気で可憐な感じだから年を感じないです。


体臭は甘い香りするでしょ!的な。

トイレも行かないし、人の悪口とかに無縁でしょ?的な。

喋り方も、ゆっくりな口調で舌っ足らずだし、どこから見ても【可愛い】


芸能人で言うと、
大食いアイドルのもえあずとか…?

いや、あんなに食べないし、ぶりぶりしていませんけど(笑)
声や雰囲気はあんな感じ。



高卒で一旦就職したけど、大学で勉強したい!と思って、働いてお金を貯めながら勉強して、私と同じ年に大学へ社会人入学したハナコさん(仮名)



出会いは入学後の4月。


学内も大学の周辺も、他大学からのサークルの勧誘に溢れてました。



午後から講義の無かった私と新しくできた友達は、5人で学食でランチする前に喫煙所へと歩いていました。


その喫煙所で学内のサークルの先輩に「ねぇ英会話サークルなんだけど興味無いかな?」と話しかけられたのです。


「一緒にランチしない?あの子達も1年生なんだけど…」と、指を指された先にいたのがハナコ集団でした。



雑誌から出てきた女子大生!って感じ

膝上ワンピース・カーデ・パンプス・ブランドバッグ・コテで巻かれた髪



私達は、当時は倖田●未の全盛期でしたので…そんな服装です(ご想像にお任せします(笑))



結局、英会話に興味は無かったので、一緒には行かなかったのですが(笑)





第一印象→うわ、神戸系。きっと絡む事は無いな。


第一印象→うわ、ギャル。怖いから関わらないどこ。


お互いそう考えていたみたいです(笑)



そんな第一印象で避け合う私とハナコさんですが、ひょんな事から仲良くなりました(笑)



大学入学して、昼はカフェ夜はバーという店で接客のバイトを始めた私。


そこで料理に興味を持って、入った料理教室に彼女がいました(笑)

初めて話した時に、今年26歳になるの?!と衝撃でした(笑)


彼女は彼女で、
ギャル=酒・煙草・クラブ通い・合コン三昧・喧嘩を売ってくる…
等というものを想像していたらしい。

(笑)

ここから彼女と仲良くなった私は、同じ店でバイトしようよーと誘って、しばらく一緒にバイトしてました(笑)


そんな出会いで、仲良くなった異色のハナコさんと私。



成人式後は、当時の彼氏の好みに染まっていく私。
倖●來未やギャルは、とっくに卒業してましたよ(笑)!













今回は、年齢や地名等にはフェイクが入っています。


でも起きた出来事は、本当の事。


THEノンフィクション!第二弾

長くなりましたので区切りました(笑)






例の如く、私・糞夫トオル・不倫女は伊井さんでお送りします。











〜壊した女〜


大学を卒業する直前に妊娠した。


就職の内定を辞退して、卒業式の直前に最愛の人トオルと入籍した。

大学に26歳で入学したので、卒業する時には三十路だから、早くプロポーズされたいな…と密かに思っていた。


トオルは中部地方出身で都内の会社に勤務するサラリーマン。
付き合っていた頃から、地元へ戻りたいと言っていた。


異動願を毎回出していたトオルの念願叶い、結婚後三年目で、中部地方にある関連会社へ出向。


ウトとトメは、二世帯住宅を建ててあげるから!とまで言ってくれるほど、私達と同居したがっていたけど…。
早めに二人目の子供が欲しかった私とトオルは、二人目を生むまでは…と義親を説得して、ひとまず同居は待ってもらう事にした。


トオルの実家とは電車で2駅の距離に1LDKのアパートを借りて、新生活をスタートした。


そこからすぐにトオルの朝帰りが頻繁になった。

お客さんの対応したり引き継ぎだと言っては、連絡が取れないまま朝帰り。

終電逃してケータイの充電も切れたから会社に泊まってたとか、そういう言い訳ばかりされるようになった。



転勤したてだから忙しいのかな…と、思っていた。

旦那の地元とはいえ、見知らぬ土地で初めてのイヤイヤ期真っ盛りの子育てに必死で、朝帰りをしてもまさか不倫だなんて思いもしなかった。

そんなに忙しいトオルに、寂しいとか言って負担にもなりたくなかった。


地元や学生時代の友達にメールで寂しいって愚痴るぐらいだったし、寂しい以外は大きな不満も無かった。



土日祝と繋がり、転勤後では初めての三連休だと言っていたから、前日からワクワクしていた。


久しぶりに家族三人で過ごせる!

アキをほんの少し見て貰ってる間に、溜まってる家事もやりたいし、もし良いよと許してくれたら美容室かマッサージに行きたい…

あ、アキの新しい服と靴も見に行ってあげたいな。

土曜日は、日頃疲れてるトオルにマッサージにでも行ってもらって、その間に大好物のメニューを作ろう。



そんな楽しい想像をしてた。



結局、トオルは金曜日の夜は仕事後に地元の友達と飲みに出かけて、当然のように連絡も取れないまま朝帰りに…。


一日中寝室で寝ていた。


遊びたい盛りのアキを連れて、近くの公園へ散歩がてら出かけた。

公園は、両親と一緒に来てる子達やパパだけで連れてきてる子達で溢れていた。

ダイナミックなパパの高い高いをしてもらったり、パパと汗だくてボール遊びをしてる子達を見て、少し寂しそうな横顔のアキ。


アキもパパと遊びたいよね…


「明日もお天気良いから、パパと大きい公園に行こうか?じゃあ、お茶とお弁当持ってこうか!」

そう私が明るく言うと、ぱぁっと満面の笑顔で大きく頷くアキ。


二人で、砂遊びをしたり、滑り台やブランコをした。



アキ→明日のお弁当おにぎりー!

私→よーし!ママこぉーんな大きいおにぎり作るぞー!食べられるかなぁ?

アキ→食べるー!

私→楽しみだねぇ〜

アキ→ねぇ〜♪


そう話しながらアキの小さい手を握って、家へ帰った。




日曜日の朝、朝食が終わってリビングでプリキ●アを見てるアキ。

キッチンで、せっせとおにぎり弁当を作る私。


トオル→会社からトラブルの連絡がきたから今から会社行ってくる!夕方までには帰るから!

と、慌ただしく身支度をして走って出ていった。



トオルが玄関のドアを開ける直前に
行ってらっしゃい…気をつけて…と、背中に声をかけるのが精一杯だった。

何か他の言葉を言えば、文句やワガママしか出てこない気がしたから…



パパ会社だから、と言われただけで、突然出かけていった事に、玄関先でみるみる涙が溢れてきたアキ。

最初はポロポロ静かに泣いてたけど、私が肩を抱きしめてあげると…うわぁぁぁん!パパー!と悲痛な声でアキは泣き叫んだ。

そんなアキを見て、私も涙が止まらなかった。

せっかくだし、お昼からお弁当持って公園に行こうかと誘ったけど…

アキ→行かない…


しばらく泣いて疲れたのか、抱っこのまま眠ってしまった。


そっと布団にアキを置く。


ほぼ完成した三人分のお弁当を見つめながら考える。


会社へ行くのに…

何故に私服を着て、スーツと仕事用の革靴を片手に出ていくんだろう?
家からスーツ着ていけばいいのに…
仕事バッグも持ってたけど、パソコンにしては大き過ぎる紙袋の中身は一体何だったんだろう?


そう不思議に思った。


トラブル処理終わらせて夕方までには戻ると言って車で出ていったけど。

外が暗くなっても帰ってこない。


まだ不機嫌を引きずるアキの機嫌をとろうと、わざと明るくおどけて夕ごはんを食べた。
お風呂と寝かしつけをしながら、5時を過ぎてから何度も合間に電話とメールを入れる。


通じないし、返事も来ない。



『おかしい…』

妻として、女としての勘。

当たってほしくないけど、こういう時程、何故か当たる嫌な予感。



お風呂に入る前の7時半頃に、会社へ電話してみた。

だけど誰も出ない。

その後もケータイや会社に電話をしたり、メールを入れ続けた。






本人いわく、着歴の全部私で埋まってたと思うよ超しつこくかけてた(笑)
と、無邪気にキャハハと笑ってました。








10時半頃。

「ごめんごめん!今も一人で会社にいるんだけど、けっこう深刻でさ。ケータイ見る暇もなくて。まだ処理が終わってないから、今日は帰れそうにない。(自宅の最寄り)駅に車置いてきちゃって、このままなら終電は間に合わないだろうし。いつまでかかるか分からないから、終わったら電話する」

と、やっとトオルから電話が。



分かった、気をつけてね…と言って電話を切った私。



車で出ていったのに、何で駅に置いて電車でわざわざ行ったんだろう?
普段は自転車で駅に行き、そこから電車で通勤してる。
会社にも駐車スペースは多少あるはずだし、日曜だから止められなくっても、会社の近くにだってコインパーキングは沢山あるじゃない?



今も一人で会社って言うけど、トラブル処理なら会社の電話がしつこく鳴ってるのに、一回も出ないのはおかしくない?



トラブルだと朝に連絡してきた人は、トオルを呼びつけて、自分だけはさっさと帰ったの?






最近の多くなった朝帰りに、連絡が取れない事も増えた事。

更に、今日の不自然な外出…





考えれば考える程、悪い方向へ…






翌日の夕ごはん後に今から帰ると電話してきて帰ってきた

トラブル処理がいかに大変だったかを喋りまくってた。
何か疚しい事があって、それを必死に隠しているような…
そんな空気を感じ取った。







私→そうそう。来月の○日の土曜日に友達の結婚式二次会に招待されたの。
東京でやるみたいだし、前日と当日は泊まりで行ってきてもいい?
二泊三日になっちゃうし、子供は私の実家(都内)で預かってもらってもいいし、トオルの実家でもいいけど?



嘘をついた。




トオル→たまには友達と楽しんで、実家にも子供の顔見せてきなよ!ゆっくりしておいで!

私→じゃあ久しぶりだから、1週間ぐらいで帰省してきてもいい?

そう聞いたら、目に見えてトオルは喜んでいた



そして探偵事務所と契約し、私が出かける日程で証拠を…着々と準備をした



嘘の結婚式前日である金曜。

深夜のうちに、探偵さんはトオルの車にGPSを取り付けたはず。

トオルの出勤時刻に、GPS付きの車に乗せてもらって、子供と駅まで送ってもらう事になった。

機嫌の良いトオルが、駅まで送るよ!と申し出た。





私→私がいないからって、羽伸ばして風俗も浮気も本気もダメだからね!

と、わざわざ言って自らチュウをして車から降りた。

元々、行ってらっしゃいのチュウは毎日していたが(笑)



駅近のビジネスホテルに予約をして、前日の木曜から都内の実母を呼び出しておいた。


ホテルにいる母へアキを渡して、すぐタクシーで家に戻り、貴重品を全て持ち出した。



通帳・実印・保険証書・貴金属…

勿論、トオルはこれ等が何処に仕舞われているかなんて知る由もない。

だけど、もし不倫をキャッチできたら家出をするつもりだ。



万が一、私の顔を知る人と会わないように、ホテルで閉じこもって過ごした。



18時。

契約通りの時間から張り込みを始めた探偵さんから
「今現場に到着したが、既に不審な車がご夫婦の駐車スペースに止まっている」
と電話がきた。

心当たりの無いナンバー。

またしてもタクシーで自宅まで見に行くことにした。



そっと探偵さんの車に滑り込む。

窓から止まっている車を見てみたが、やはり見覚えの無いナンバーと車種。


闇夜に紛れて、そっと止まっている車の中を覗き込むと、大きなカピ●ラさんのぬいぐるみが後部座席に2体置いてあった。

女だ!絶対に。間違いない。




8時過ぎに「夫が動き出した!」と、トオル側を張り込む探偵さんから連絡が入ってきた。

どこにも寄らずにトオルが帰宅。

普段は毎日午前様なのに…



不審な車の前に、トオルは平気な顔で車を止めた。
(1台しか契約してないから、他には止められない)


それを確認して、後は探偵さんに頼んでホテルへ戻った。


翌朝、アキと母と一緒に実家へ。


今頃あの車の持ち主であろう女と何をしてるんだろう…とイライラしてヤキモキしながら一睡もできなかった。



驚く事に、金曜の8時に夫が帰宅してから、土日は二人ともGPSで見る限り車を動かすことが無かったらしい。

探偵さんが見てる間は、カーテンも閉め切ったままで、部屋から外出することも無かったらしい。




金土日と外出しなかったとして…
何をしているんだろう?


賃貸だし子供がいるから、と煙草はベランダに出て吸っていたトオル。

私が妊娠してから一度も家の中で吸ってなかったのに、この三日間は中で煙草を吸ってるの?



もしかして探偵さんが気づかない内に電車で出かけてしまったのでは?



いてもたってもいられなくて、子供を頼んで月曜日に自宅に奇襲をかけた。


息巻いて昼過ぎにアパートへ到着するも、車は2台ともいなかった。



仕事で居ないのか…とホッとした。

アパートの階段を小走りで登る。

部屋に入り、自宅の中をじっくりと観察して写真を撮りまくった。





寝室で見つけたのが…


ゴミ箱には、おびただしい数の使用済みコン●ームとティッシュ。
乱れたシーツと掛け布団。
敷き布団の上には出しっぱなしの大人のオモチャ類。


生々しかった。

まるで、ついさっき終わったかのような乱れ方だった。


枕元には吸殻がいっぱいになっている灰皿が放置され、部屋の隅にはコンビニの弁当やカップラーメンやお菓子、お酒の空き缶等のゴミが押しやられてあった。



付き合って10年、結婚して3年。
トオルとは数え切れない程セッ●スしていたが、大人のオモチャを使いたいと言われた事も使われた事も無い。

丁寧に丁寧に抱いてくれてる。

だけど…こんな…

この寝室の状況を見る限り、一歩も家を出ずに二人でセッ●スに耽っていたんだろう。






子供が小さいのでベッドではなく、三人で並んで布団で寝てた。



普段三人並んで寝てる布団と寝室が、はっきりと、トオルと自分以外の女とのセッ○スの痕跡を証明してた。


家族の空間がぐちゃぐちゃにされてるのを見て、その場にがっくりと膝から崩れ落ちた。








ジップロックと割箸で、使用済みコン●ームをいくつか採取。

そこで使用済みのティッシュに血がついてるのを発見。

トイレの三角コーナーに、使用済みの生理ナプキンがあった…

勿論私のものではない。



全て写真に収めた。




この汚れて淀んだ空気を換えようと、全部の窓を開けて、ぼーっと外を眺めていたら…

例の不審な車と同じ車種が、信号の角を曲がってくるのが見えた。



そっと隠れて見てると、やはり私達が契約してる駐車場に止まる。

女が大きなトートバッグとビニール袋を持って、運転席から出てきた。




急いで窓を閉めて、荷物と靴を掴んで裸足のまま階段を駆け下りた。

1階下のフロアで息を殺して、壁の影から階段を見つめる。



ビーサンなのかペタペタという小さな足音と手にぶらさげたビニールのカサカサという音を立てて、階段を登ってくる女の顔を…見た!


誰?

知らない女だった。

女の死角から追いかけて、自宅の鍵を開けて入っていくのを確認。



そっと靴を履いた。


近所付き合いのある隣人の部屋に
『今、知らない女が部屋に入っていった!駐車場も知らない車があるの。旦那は仕事だし!助けて!』と説明して、隣人の部屋に保護してもらった。



隣人がケータイを取り出した。


ダイヤルしたのは…110





隣人A→お隣の302号室の●●さんの奥さんが、外出先から自宅に戻ったら、駐車場に見知らぬ車が止まってるし、ご主人は仕事中でいないはずなのに、部屋にも確かに人がいるような気配がする。
泥棒かもしれない。
今●●さんの奥さんは、隣の303号室の私の部屋で保護してる。


と110番に話した隣人Aさん。




今になって、目に焼き付いた寝室の光景と、つい今見た見知らぬ女の顔で頭がいっぱいになり、涙と絶望でガタガタ震えるだけで声が出なかった



Aさんは、私が怖がって震えてるように見えたのだろう。『大丈夫だから』と何回も言ってくれた。



程なくして、パトカー数台と警察官が駆けつけた。


まだ涙が止まらない。

ガタガタ震える。

間違いなく自分はこの部屋の住人である事を免許証で確認してもらった。



一人の女性警察官が私の部屋のインターホンを押す。

カメラが付いていないからか、インターホンでは何も言わずに、突然玄関のドアノブが動いた。



玄関から女が顔を出した。



やはり全く見覚えがない。


数人のイカツイ警察官達を、ビックリした顔でポカンと見る女。

その後ろで、隣人Aさんと中肉中背な警察官に支えられて立っている私と目が合った。


その瞬間、女はハッとした顔をして、すぐにドアを閉めようとした。


すかさず足を入れて阻止する警察官とドア越しでギャーギャー喚く女。


パッとドアが軽くなった。


何よ!来ないでよ!何なのよ!と、怒鳴りながらドタバタと奥へ逃げる女。


女から色んな物を手当り次第に投げつけられながらも、怯まずに進んでいく警察官達。


お巡りさん、こんな時でも几帳面に靴を脱いで入っていくんだな…と、そこだけは妙に冷静になった。



部屋の外で、中肉中背の警察官と隣人Aさんとで見守るだけだ。


本当に知らない人?心当たり無い?と中肉中背やAさんに聞かれた。


声が全く出なくなって、何か聞かれるたびに、首を縦や横に振るしか返事ができなかった。



どれぐらい時間が経っただろう。

しばらくは、喚いてる女の怒鳴り声と投げつけられた物が割れたり床に叩きつけられてる音が響いていた。


警察官達が何か説得してる話し声がくぐもって聞こえた。

無線から、怒鳴り声のような物だったり、無機質な音とか耐えず雑音のように聞こえていた。




一番奥にあるトイレにでも鍵をかけて立てこもっているのだろうか。





ふと下を見たら、パトカーが数台止まってるからか野次馬が集まっていた。


同じように後ろを向くと、フロアや別の階の住人達が、階段の辺りから好奇心とも心配とも取れるような視線で見ていた。


付き合いの無い、301号室の一人暮らしのおばあさんが「どうしたの?」と話しかけてきて、中肉中背がハッとした顔で周りを見回した。


ここで待っててください、とAさんと私に言って、階段辺りから見つめる野次馬達を帰そうとしに行った。




恥ずかしい…という感情からか、不思議と冷静になってきた。



戻ってきた中肉中背に、

私→あの…主人や家族に連絡してもいいですか?

中肉中背→この場で電話できますか?

私→はい。ここでします。



もう震えも止まっていた。

ケータイを取り出し、トオルの会社に電話をかけた。

保留の音楽が切れて、トオルが出た



トオル→何だよ

会社に電話をかけてくるなんて!とでも言いたげな不機嫌な声だった。


私→ごめんね。今ね、アパートにお巡りさんといるの。

はっ?何だよそれ!と言うトオルの大声を聞き終わらない内に、Aさんにケータイを渡した。



Aさんがトオルと話そうとした瞬間、中肉中背の胸元についてる無線機と中からドヤドヤっとする早口の声が聞こえた。


警察官達に囲まれて、女が出てきた


Aさんは無意識なのか、私にケータイを返してきた。

何かトオルが言ってる声が聞こえたが通話を切った。



相当暴れたのか汗と涙で化粧がドロドロになってた。


私の事を鬼の形相で睨みつけて通り過ぎて行った。


私は、女性警察官に家の中に入って確認するよう言われた。


Aさんに御礼を言って、また連絡しますと頭を下げた。




あの女が暴れたのだろう。

玄関からすぐのLDKは、食器棚が倒れて中の皿やグラスが割れていた。
クッションや洋服、ゴミ箱、雑誌、、、色んな物がそこら中で散乱していた。



女性警察官→足元に気をつけて…何か盗まれた物は無いか確認してください


私→分かりません…でも貴重品は私の実家に預けているので。


女性警察官→全部の部屋を確認してください


私→多分、何も盗まれてはいなかったと思います。でも自分の物ではない物が沢山ありました


と私は言った。


歯ブラシ、化粧ポーチ、吸いかけの煙草、部屋着、下着、服、そして大人のオモチャ、三角コーナーの使用済みナプキン。


女性警察官も「うーーーん」と唸って何が何だか…という顔をしていた。


鍵を閉めて、このまま警察署へ一緒に行くよう促され、女性警察官とパトカーに乗り込んだ。


ケータイを見たら、トオルからの着歴で埋まっていた。


家族へ電話をしたいんですが…と言ったら、運転してる年配の警察官に、すぐに警察署へ到着するからそれからで、と言われて素直に従った。


警察署の出入り口で、まずはトメに電話をかけた。

家に戻ったら知らない人が居て、強盗かと思って警察に来てもらった、とだけ話すと絶句していた。



電話を切り、トオルに電話をかける

ワンコールですぐ出た。

私がもしもしと言い終わる前に、

何だよ!お前!どういう事だよ!と、怒鳴りつけてきた。


早退したのか車の音や音楽が聞こえる


私→家に行って自分で見て。詳しくは隣のAさんに聞いて。

それだけ言って電話を切った。




しばらくしてから、奥から警察官が二人歩いてきた。



伊井トモミという名前。

年齢や住所、職業。

どれを聞いてもピンと来なかった。



言いにくそうに、警察官が口を開いた


「ケガや盗品が無くて何よりでした。
あの…それで、本人が言うには、奥さんのご主人の…トオルさんの…まぁ恋人というか愛人というか…そういう関係だそうで…。合鍵も渡されてると言ってて、コレですけど。トオルさんと連絡を取りたいのですが良いですかね?」


私は、トオルの番号を表示してケータイを渡した。
番号を手帳に書き留める警察官。

そのまま奥へ入って行った。


そこにウトとトメが駆けつけてきた。

完全に空き巣や強盗の類だと思い込んでいたようで、マナちゃん無事で良かったわ!アキは大丈夫?とトメは私の手を握って涙を流していた。


無言の私に、?という顔をしていた


そこへさっきの警察官が歩いて来たので、トオルの両親である事を伝えた。

気まずそうな顔をして、電話がトオルに繋がらなかった事と留守電にメッセージを残しておいた、と言った。

ウトが「犯人は誰ですか?」と警察官に話しかけた

少し顔をゆがませて、更に言いにくそうな顔をして、ウトとトメに簡単に本人の言い分と事の顛末を話して、そそくさと奥へ去っていった。


話の途中からトメが床にへたり込んだ
文字通り、腰が抜けたんだろう
放心状態だった


警察官が見えなくなった途端に、ウトが私に向き直り、土下座をした。

私はまた何も言えなかった。

我に返ったトメが、許して許して…離婚だなんて言わないで…ごめんなさいごめんなさい…等と呪文のように何度も言いながら私の手を握り、膝に縋り付いていた。


ウトとトメの土下座と言葉に、何も言えずに座っていた。

涙も出なかった。




私→実家に電話を…

握られたシワだらけで血の気を失って冷たいトメの手を、そっと外した。

その場で実家に電話をかけた。

母のもしもし?と言う声に、少しだけホッとした。

私の話に、驚きすぎたのか黙って聞いてた母。震える小さい声で

「…アキは良い子で待ってるから…気をつけて」


母との電話を切った途端に、いやあぁぁぁーと声を上げてトメが泣いた。
ウトは床に正座をしたまま、うなだれていた。


泣きたいのに涙が出てこなかった





握った手の平に爪が食い込む。

噛み締めた唇。




トオルと連絡が取れた、今からここへ来る、と警察官が教えてくれた。






真っ青で汗だくのトオルがガラス戸の奥に見えた。


ネクタイとYシャツのボタンがだらしなく緩められていた

ドアが開いた瞬間、マナ…と声をかけられたが、私は顔を背けて下を向いた。


その声にパッと顔を上げて、トオルだと分かったウトは全速で走って行き、「この馬鹿野郎!」と怒鳴りながら、力任せにトオルの横っ面を1発バチーンと張った。



死んで詫びろ!等と怒鳴りながら、ウトはトオルを何度も叩いたり殴ったり蹴ったりした。


トメは泣きながらウトを止めた。

私は何も言わなかったし、止めもしなかった。


騒ぎを聞きつけて、警察官が何人も出てきた。


やっとトオルから引き離されたウトは「この恥晒しが!情けない!馬鹿野郎!馬鹿野郎!」と言いながら別室にトメと通された。


張り手をくらったトオルは、何度も私の名前を呼んだが無視した。


マナ!

聞いてくれよ!

ちゃんと説明するから!

俺が悪かった!

マナ!マナ!




別の女性警察官と中年の警察官に連れられて、トオルも奥へ行った。