待合室で、1人待つ。

ウーロン茶を飲みながらスマホを取り出し、LINEを開いた。


「婚姻費用、こっちの言い分通りに決まりそう。裁判官も良い人そうで、私の思いが通じたっぽい!」
と泣いて喜ぶスタンプと共に、サナへLINEを送った。


すぐに既読がついた。


サナ
『おめでとう!』
『正義は勝つ!』
『糞トオルざまぁwwwww』
『アキハルいいこ』
『今から31でアイス買ってくる』
『夕ご飯は実家ね』
『うな重』
『手ぶらで早く帰っておいで』

スタンプ連打


若者特有なのか?(笑)

短文な一言ずつで返事が届く。



OK!のスタンプを返し、スマホをバッグにしまった。



待合室の壁に貼ってあるポスターを眺めたり、ウーロン茶をちびちびと飲みながら笹木先生を待っていた。



ガチャ!とドアが開き、笹木先生が戻ってきた。


笹木先生の目と顔色には、うっすら怒りが見えて、ドキッとした。



笹木先生→ここに来て、婚姻費用は端数を端折って、月額11万円にしてほしいと言ってきました。


私→えっ!


笹木先生→そして、振込手数料がかかるので、マナさんに○○銀行の口座を開いてほしい、と。


私→まぁ、それぐらいは…


笹木先生→端数を端折ってくれないなら、次回も婚姻費用の調停を続行したい、と。


私→どうすればいいですか?
でも、端数8000円ですよね?年間にしたら、10万円近くになるんですけど…


笹木先生→あちらとしては、所得証明書ベースでの金額が気に入らないみたいですね。昨年よりも、マナさんには間違いなく多く給料が手元に入るのに、と。


私→……分かりました。
これ以上、婚姻費用について相手にするのも面倒なので、もう端数は切った金額で応じます。


笹木先生→すみません。裁判官や調停委員も説得してくれたのですが、どうにも気に食わないみたいで…
じゃあ月11万円ということで合意した、と伝えます。
○○銀行の口座は、近々開設し、開設したら先方の弁護士事務所を通じて連絡する、と伝えます。
本当に、腹立つ相手です。


顔と目が、怒っていた。

血走った目が本気だった。