S/H様から、アンヴォスのイラスト第2弾を頂きました!

本当にもらってばかりで……何かの折りに何らかのお返しができればいいなあ……。

 

 

ツイッターでも言いましたが、この手の美しさよ。

何度も試行錯誤して頂いたということで、マジで嬉しいです。テンション上がりっぱなしです。

本当にありがとうございます!

イラスト見てるだけで、色々ショートエピソードとか思いついてしまいます。

こういう頂き物をもらうと創作意欲が刺激されてしまう……。

なのでちょっと書いてみました。

 

<ファウファーレとアンヴォス>

 

 

(ズラリと並んだ鞍を前に)

「どの鞍がいい? 座り心地試してみて。当日つけてきてあげるから」

「……あの、本当にいいんですか」

「いいも何も、今度の悪霊は空を飛んでるんだから。私に乗らないと駄目でしょ?」

「その、俺なんかがファウファーレ殿の後ろに乗っちゃっていいんですか?」

「何? 私に一人で戦わせる気?」

「いや、決してそんなことは。……じゃ、じゃあこれで」

「これでって座ってもみないで何で分かるの。試しなさいよ。ほら、乗って」

「えっ? 今ですか?」

「任務の時に試せる暇あると思う? 本番までに息ぴったり合わせるわよ」

「あ、は、はい! では、失礼します! ……あの、重くないですか? 大丈夫ですか?」

「あなた、上司である私のこと馬鹿にしてるの? 本当に怒るわよ?」

「も、申し訳ありません!(高く結い上げたファウファーレ殿の髪が顔にバサバサかかる。美しい翼も目の前に。ま、まずい。心臓が凄くドキドキする。俺こんな状況でちゃんと戦いに集中できっかなあ……)」

 

 

(アンヴォスの手にマニキュアを塗る)

「ほ~ら。やっぱり綺麗♪」

「……は、はい」

「何であなたこんな手が綺麗なの?」

「そ、そう言われても。元々なので」

「ね~やっぱりこのまま一日仕事してみてよ」

「いや、すぐ落としてくれるって約束でしたよね!?」

「駄目よ。こんな綺麗なのに。だって、ネイルやるためにあるような手なんだもの……」

「いや、流石にこの爪で人前に出るのは! 勘弁してくださいよ……」

 

 

 

(アンヴォスのストテラ7号を手に取り)

「なんて素晴らしい剣なの……。しかも勝利の女神が自らの手で彫った紋章が刻まれてるなんて」

「はい。自分には勿体ないです」

「これ、ちょうだいって言ったら怒る?」

「いえ、差し上げます」

「あなた本気で言ってるの?」

「はい。俺が持ってるより、ファウファーレ殿が持ってくれてる方がいいです」

「冗談よ」

そう言って、ファウファーレ殿は刀身にキスをして、鞘に納めて俺に返した。

残念だ。

パトロンから豪邸をもらって、いくらでも金を使えて、俺がとても手が届かない金銀宝石をあしらったアクセサリーを体中につけてるファウファーレ殿に、俺がプレゼントして恥ずかしくないものといえば、このストテラ7号しかないのに。

俺には分不相応な剣だ。貴女のような素晴らしい方に受け取ってほしかった。俺にとっての女神はウィーナ様ではなくファウファーレ殿なのに。

 

 

 

(ファウファーレ、手駒にしたサクスにお世話させてる)

「できました」(尻尾を三つ編みにして)

「……はあ? なにこれ? 全然汚いじゃない! ちゃんとやってよ!」

「す、すいません、やり直します」

「痛いっ! 引っ張ったわね! やっぱアンヴォスじゃないと駄目だわ! 私の尻尾はあの繊細な手で結ってもらわないと駄目なの! ねーちょっとアンヴォスどこ行ったのよ! こいつ全然下手なんだけど~!」

 

 

 

(ファウファーレが後足を台に乗せて、サクスが屈んで蹄を研いでいる)

「え~ちょっとごつごつじゃない! なんで滑らかにできないの?」

「申し訳ありません……ファウファーレ様……」

「もういいわ! やめて! やっぱいつものようにアンヴォスにやってもらうから!」

「申し訳ありません! どうかやらせて下さい! お願いします!」

「何なの!? 触んなよ!(やっぱ愛のある奴にやってもらわないと駄目ね。アンヴォスは私のことが好きだもんね~♪)」

 

S/H様より、アンヴォスのイラストを描いて頂きました!

 

 

相手の心の中に入り込み、こうして笛を吹くことで相手の心理に様々な働きかけを行います。

チート能力のように感じますが、相手の意思が強ければ干渉を跳ね除けられてしまうので、万能ではありません。

 

彼は本編の時系列上、ワルキュリア・カンパニーの戦闘員で最後に登場したキャラです。

読者に対して、ラスボスであるリアルの目的を伝える役割を持たせました。

リアルが心を持たない非生物である、この設定を文章上だけだとイマイチ分かりにくくなってしまうので、その設定に意味を持たすため、心の中に入り込むという能力を持つというアンヴォスの設定ができました。

しかし、アンヴォスが口で「あれ、心に入れないです!」なんて言っているだけでは話の流れに説得力が生ませません。

だから、実際、一回は相手の心の中に入り込む描写を入れたい。そして、このアンヴォスがリアルに喧嘩を吹っかけるちゃんとした理由がなければ、「リアルと戦う」というシーンに持っていくことができない。

そこで、リアルの人間関係を考えてみると、彼はファウファーレに自らの力の片鱗を与えて、手駒として利用している、というものがありました。

そこで、アンヴォスが「元々ファウファーレに好意を持っていて、リアルに惹かれて、次々と仲間に手をかけていく彼女を止めたかった」という動機を持たせました。

こうすることによって、

 

・アンヴォスが実際に誰かの心の中に入り込む描写をする

・アンヴォスの能力が心を持たないリアルには効果がない描写を入れる、それによってリアルが「兵器」であるという説得力をストーリーで持たせる

・リアルの目的を読者に説明させる(ウィーナや冥王との最終決戦では、いちいち動機を話ながら戦っているとテンポが悪くなるからやりたくなかったのです。なるべく戦闘描写以外余計なものは排したかったので。それにウィーナもリアルも、いちいち敵と会話のやりとりをしながら戦うというキャラ設定ではなかったので、やはり読者への説明はどこかで入れる必要がありました。ラスボスの動機を読者には伝えないといけないけど、ウィーナが知る必要は全くないので)

 

以上3項目を満たせることができました。

更に、アンヴォスが委員会に身を寄せていたなら、どうしてバングルゼやリザルトやカネスタ達と行動を共にしなかったんだということになってしまいます。

だから、ファウファーレの直属の部下で、彼女に従順だったから排除の対象から外れていたこと。だからバングルゼ達とは関わりを持たなかった。そして、ファウファーレが裏で仲間を裏切っていることは、彼女の心に触れて知っていたけど、それをただ見ていることしかできなかったこと。

そして、そんな自分自身への不甲斐なさが、リアルに戦いを挑む動機になっていること。

こんな感じに、全部ストーリーを回すために、必要に迫られてアンヴォスの設定ができました。全部矛盾点を埋め合わせるための後付けですが、キャラの製造から入るよりは、意外とストーリーの必要性にしたがって設定を固める方がいい感じのキャラができたりします。

いい加減にウィーナの部下を乱発して出し過ぎていたので、ラストの戦いの前に最後ということで、このキャラを作りました。

なので、やることやったところで、後腐れなく死んでもらいました。

たった3話しか出番がありませんが、彼の登場によってリアルに魅せられて変わってしまう前のファウファーレの事や、ビギナズの後日談など、既存のキャラに深みを与えるきっかけにもなりました。

結局、登場させたはいいがうまく意味を持たせられずに、最終的にガヤと化してしまったリザルトやトリオンフよりはインパクトの強いキャラになったと思います。

フィーバはサクスを弓で狙撃するという、一大イベントがあったし、あんまり目立たず、それでいて程よく無能で目先のことしか考えられない人で、ウィーナやメクチェートを引き立てる貴重なバイプレーヤーになってくれたんでよかったんですが、リザルトやトリオンフはいっそのこと出さんでもよかったと思ってます……。この2人はなまじ有能で、あんまり変な行動もしないから尖らないんだよなあ……。

 

アンヴォスでの心残りは、剣でガチで戦う描写がなかったこと。(リアル戦は問題外)

笛やギターばっかりの吟遊詩人風ですが、名刀「ストテラ7号」は伊達で持ってるわけではありません。

冥界流正統剣術の免許皆伝(要はその流派を完全マスターしてるってこと)の実力者で、腕力にはやや欠けるものの、技量に関しては一流で、戦いでは華麗な剣の舞を披露します。

それこそビギナズ(剣術普通レベル)なんか相手になりませんよ。

 

最後になりますが、S/H様、ありがとうございました!

更には、顔が良く見えるイラストも描いて下さっておりまして……本当に楽しみです。

 

 

 

S/H様から、また素晴らしいイラストを頂きました!

チューリーです。作中のシーンを描いてもらいました。

大丈夫だとは思いますが、若干流血(とネタバレ)のあるシーンなのでちょっと下げます。

それではどうぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、彼女の最期を絵で見ると辛いものがありますね…。

「血が青い」っていう、何気なく出した設定をこうしてイラストにしてもらえたのがすごい嬉しいです。やはり、小説を書いてて、こうして反応を頂けるというのが、すごく力になります。

今まで投げずに続けててよかったと思うし、チューリーも少しは浮かばれるかな(笑)。

 

元々スパイを書きたかったから登場されたキャラです。

ただ出すだけではなく、ちゃんと違和感ないようストーリーに組み込みたかったので、最初っから最期まで考えて出しました。死ぬシーンを書きたくって出したといっても過言ではありません。

彼女がどういういきさつで、ウィーナのスパイをやっていたのか、それは特に設定がありません。ただ、彼女は好きでやっていたわけではなく、何かやむを得ない事情があってスパイをやっていて、色々と委員会の内情を知りすぎたから、なかなかやめることができなくなってしまったのだと思います。委員会の中では、メイドとしてウィーナの組織に潜入していることになっていますし。

チューリーが初登場の話でバングルゼに言った、

「ウィーナ様のため、組織の為、冥界の為。ご自身のその逞しい腕力を拠り所に、力を振るうことに一点の曇りもない。私は、恥ずかしながら、ときどき自分が何をやっているのか分からなくなることがあります」

というセリフ。これが彼女の本心なんでしょう。やってて辛いんだと思います。

自分の身分を決して明かせないし、明かしたところで複数の組織に内通しているから、仲間から仲間として信用されるはずもない。

そんな中でも、ウィーナについていけばいつか報われるときがくる。それを信じてスパイを続けていたのでしょう。

そこら辺のことを補完したくて、番外編「間者の歩む道」を書き始めたのですが、投げっぱなしですね…。ただでさえ亀の更新なので、本編を最優先させようとして番外編はちょっと休止してますので…。

チューリーの悲しいところは、スパイになりきれていないところですね。プロに徹しても、どこか仲間との絆を求めている。それが作中で命取りになるのですが。

それこそ、番外編に登場した、彼女の直属の管理者に当たる、スワエルのようにならないと。

でも、スパイとしてはそれで正しいのかもしれませんが、チューリーも本当は普通の女の子だと思うので、スワエルのような一切の感情も持ち合わせていない機械のような人間になってしまうのは、それはそれで悲しいですね…。うん、やっぱり彼女にはスワエルのようになってほしくはないなあ。やっぱりちょっと人間的な部分があって、そこから生じる葛藤がこのキャラのいいところだと思うので。

彼女、体中に殺人暗器を隠し持っていますが、どこで習得したのか…。多分本人に聞いても教えてくれないかな…。ウィーナは彼女の素性を知っているようですが。伊達サクットも知りませんwww

 

S/H様、本当にありがとうございました!

チューリーのことについて書き綴るいいきっかけにもなりました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここだけの話、ファウファーレ対する内偵、任務ってこともあるけど、ファウファーレに対するコンプレックスってあったんじゃないかなあ…。だって、ファウファーレがワルキュリア・カンパニーに就職するずっと前から、ウィーナの元でスパイやってるのに、ずっと組織に籍がなく、いつまでも「中核従者相当」的な位置付けで、ファウファーレはあっという間に管轄に昇進してるんだから。それに地味で辛気臭い性格の自分より、ずっ要領よくてみんなからチヤホヤされてるし、委員会の上層部に取り入ってるし。ココ重要です。スパイでないファウファーレが、後から委員会に接触して、さっさとダッシやフンニューと仲良しになってるのに比べて、プロのスパイであるチューリーは未だに末端の専従職員止まりですからね…。もちろん才覚の差もあるし、一番決定的なのは委員会の有力な出資者(裏設定。だからこそファウファーレはこいつらに身体売った)である執政官のパトリックやバライア伯爵といった有力者に気に入られてコネクションができたからです(オッカー・ネ・モッチーノ爆爵は委員会とは繋がりはなく、たくさんの自分で自由に使えるお金や、野望のための活動資金、豪華な屋敷に住んで、金銀宝石のアクセサリーに身を包み、おいしいものを食べたいからって理由。だから逃げたとき委員会とコネのない爆爵の屋敷に逃げた。5人の愛人はみんなそれぞれ別々の機能を持っている)。つまり「美貌」の差なんですよ。もちろんチューリーは、番外編でヤクザの若頭に誘われても徹底して拒んでるし、そういう「女」を武器にするような手段は使わないんだけど、それでも内心悔しいです。もちろんファウファーレの事を監視してて、夜愛人の屋敷に密会のために出入りしてるの見てるので。さらにここだけの話、チューリーよりファウファーレの方が3つぐらい歳下です。戦闘員としても、工作員としても(筆跡コピーの魔法を看破できなかった)、仕事の才覚でも、容姿でも勝てない。そんなチューリーがファウファーレに唯一勝ってること。「ウィーナの信頼」です。実際、ウィーナは最初っからファウファーレのことなんて全然信用しておらず(というか、作中の描写見る限りほとんどファウファーレのことなんか眼中にない)、番外編ではファウファーレを探るチューリーの身を案じて、ヴィクトに目を離すなって指示してる。ヴィクトが生きてりゃなあ! 元々冥民調なんて、ヴィクトが冥王政府の官僚退職した後、実質フンニューやヴィクトが作ったようなもんですからね! ダッシやレディコマンドーなんて委員会がようやく軌道に乗った後合流してきた派閥だから! ヴィクトが委員会に合流していればファウファーレの好きにさせてないのに! 権謀術数で言えばファウファーレよりヴィクトのが全然上ですから! みすみすチューリーを死なせたりしないですよ! お前死ぬの速すぎやねん! ……まあ、実際ウィーナからの信頼は厚かったんです。が、最期、その唯一勝っている信頼さえ、ファウファーレが変身した偽ウィーナに否定されてしまった。しかも自分が、あれだけ嫌悪していたファウファーレと同じように、結果的に自分の情報で仲間を殺したという事実を突きつけられて! しかも自分はファウファーレの当て馬!? 自分は使い捨てで、ウィーナはファウファーレの方を信頼していた!? ずっと心を押し殺して孤独にスパイしてた自分より、本性はあんな下半身ユルユルでビッチのくせに、みんなからチヤホヤされてる腹黒女を!? そりゃあ錯乱しますよ! ……ちょっと、あんまりにも生々しくて、基本ギャグ小説である脱力神のノリからかけ離れてるので、ちょっと文字を小さくしてチューリーの、精いっぱいの愚痴を、作者が代弁して書かせて頂きました。

……なお、ファウファーレは、ジョブゼに倒させようと思ったけど、委員会の手でケジメをつけてもらいました。