coenzyme-q10

コエンザイムQ10サプリは、抗加齢作用で注目される補酵素です。

生物界に広く分布する(ユビキタス)ことから、ユピキノンとも呼ばれます。

脂溶性のビタミン様物質で、体内でも合成されるコエンザイムQ10ですが、歳をとるにつれて合成されにくくなります。

不足してくるとエネルギー生成力が弱まって、肌の老化や免疫力低下、また疲れやすい、肩こり、冷え症などの症状が現れてきます。

コエンザイQ10は血糖や脂肪酸からエネルギーを生成

血糖や脂肪酸からATP(生体エネルギー)を生成するときに、コエンザイムQ10が重要な役割を担っています。エネルギーを生成しやすくするので、疲労回復や加齢に伴う肌のトラブルの修復にも効果があります。またコエンザイムQ10は抗酸化、免疫機能の強化、心臓病の予防にも働きます。

コエンザイムQ10は、体内の抗酸化ネットワークを構成する物質の一つでもあります。

老化や疾病の原因といわれるフリーラジカル(紫外線などの有害物質によって発生し、老化の原因となる分子)に対抗し、体を酸化から守るアンチエイジングの役割を担っています。

抗酸化作用の点では、他のネットワーク系抗酸化物質であるビタミンE、ビタミンC、グルタチオン、α-リポ酸などと同様に大切な成分です。ビタミンEの抗酸化力やビタミンB6の免疫増強作用を補強する働きもあります。

コエンザイムQ10は、以前からうっ血性心疾患などの治療薬「ユビデカレノン」としても使用されてきた成分です。2001年4月の食薬区分改正により、サプリメントに使用できるようになりました。コエンザイムQ10製剤(UbiQGel)は、米国ではミトコンドリア脳筋症に対するオーファンドラッグとして認められ、筋ジストロフィ症やパーキンソン病にも有効性が示されています。

コエンザイムQ10のサプリは降圧剤との併用に注意

血圧に対する影響を考えると、降圧剤を併用した場合は、血圧の変動に注意する必要があります。大量摂取で、食欲不振、吐き気などの副作用の出る可能性があり、医薬品として用いられる量(1日30mg)を一つの目安としましょう。

男性不妊のサプリにコエンザイムQ10

 

 

軽度の男性不妊に治療(乏精子症や精子無力症)には、非ホルモン療法として、漢方薬やビタミン剤とともにコエンザイムQ10のサプリが処方され、精液所見に改善が見られるかどうか経過観察が行われることがあります。精子がつくられるのには約3カ月かかることから、3カ月は継続するつもりで試してみましょう。

 

 

 

 

 

参考文献:男性不妊治療における漢方治療の実際 監修 横浜市立大学附属市民総合医療センター 生殖医療センター泌尿器科 部長・講師 湯村 寧 先生

 

 

論文:Nadjarzadeh A, Shidfar F, Amirjannati N, Vafa MR, Motevalian SA, Gohari MR, Nazeri Kakhki SA, Akhondi MM, Sadeghi MR. Effect of Coenzyme Q10 supplementation on antioxidant enzymes activity and oxidative stress of seminal plasma: a double-blind randomised clinical trial.
Andrologia. 2013 Jan 7.doi: 10.1111/and.12062.

 

 

・3ヶ月のCoQ10の摂取が精漿(せいしょう)での酸化ストレスを減らし、精子の検査数値と酸化防止酵素の活動の改善に寄与している。

論文:Safarinejad MR, Safarinejad S, Shafiei N, Safarinejad S. Effects of the reduced form of coenzyme Q10 (ubiquinol) on semen parameters in men with idiopathic infertility: a double-blind, placebo controlled, randomized study.
J Urol. 2012 Aug;188(2):526-31. doi: 10.1016/j.juro.2012.03.131. Epub 2012 Jun 15.

・コエンザイムQ10の継続的な投与と精子の濃度、運動率、正常形態率に良好な関連があることが判明した。