全国の映画館でプロレスを見ることができる。しかも“3D”で・・・この企画を実現させた新日本プロレスは偉いし凄いし尊敬に値する。業界の揺るぎなきリーディングカンパニーとしてプロレスという特殊なカテゴリーのエンターテイメントをプロモートする役目を一身に担っている。


で、3Dプロレスである。新日本プロレス創設以来長きに渡るパートナー・テレビ朝日の製作で実現した3Dプロレスの処女作となった昨年のG1大会を、実は私はある展示会で視聴させてもらったが、これが実に驚かされる出来映えだった。
テレビ画面に向かって3Dメガネをかけると、あら不思議、今まで観たことのない異次元プロレスがそこで繰り広げられていた。
棚橋のハイフライフローが飛び出し、小島のラリアットが大爆裂。あまりの目新しさに30分間その場にかじりついた自分がいた。


続いて今年の1.4は見逃したが、3D第三弾として近年最盛況となったG1最終戦決勝大会が、しかも全国拡大公開されると聞いて気にならないはずがない。新日本プロレスもプロモーションに積極的だった。そんな姿勢からポジティブマインドを感じ取り、応援したくなるものである。
私にとって一番近場の六本木での劇場公開が最終日を迎えると知って、慌ててネットでど真ん中席を確保してヒルズに駆け付けたのだった。


わざとなのか素なのか、滑舌の悪い(笑)棚橋の前説で微笑ましく始まった新日本プロレス第三弾3Dは・・・正直に言って、3Dに期待される立体的な動きが生かされた映像ではなかった。
プロレスラーたちのリング内外での動きが3Dカメラに必ずしもバッチリとフィットするとは限らないということなのだろうか。映画のようにあらかじめ作られたシナリオ通りに演技するために何度も撮り直しができる世界ではなく、プロレスはライブである。ひとつひとつの瞬間の動きを捕えるにはカメラ側の対策がより必要なのか、事前に3D用の動きと撮影方法を打ち合わせしておく必要があるのか、ライブを3D作品とするためのノウハウはこれから蓄積されていくことになろう。
3Dプロレスという世界初の取り組み自体がスペシャルゆえに、開拓者としての挑戦あり。近い将来、とてつもない3Dプロレスがお披露目される日を楽しみに待とう。


3Dが生きるのは動きだけとは限らない。大スクリーンに映し出されたレスラーたちのボディは、これまでのテレビで見るよりも、雑誌なネットの写真で見るよりも、会場の座席から見るよりも、断然ゴツく筋骨隆々さが際立っていた。昨今、日本のプロレスラーが小型化していたからかテクニカルな面にクローズアップしがちだったが、今回の3Dプロレスを通して改めて気付かされた。
プロレスラーのカラダは凄いんです!と。


今の時代にプロレスのファンをどのように獲得し、満足してもらい、永遠のファンになってもらうか。そのためには実際にプロレス自体を見てもらうことが必須だが、今は様々な手法で知って見ることができる時代。
そこで、3Dプロレスがひとつの大きなきっかけになる可能性を持っている。純粋に私はそう感じた。


まだWWEも踏み込んでいない領域を新日本プロレスが推進している。規模は違えど工夫の勝負。日米プロレスビジネス比較も面白い。
なので、ここで、頑張れシンニッポン!