2012年2月26日、さいたまスーパーアリーナ。遂に、UFCが日本上陸を果たす。かつて日本で三度UFCは大会を開催しているが、当時は現行のズッファ体制以前の世界的ブレーク前夜であり、現在の名実共に世界最高峰のMMAプロモーションとしてのUFCとしては本邦初公開となる。実際UFC自らも初の日本大会と銘打っている。
この報に私は純粋に喜びと期待を抱いているが、実際に日本の格闘技ファンはどう思っているのだろうか。
UFCの動向を追い続けている者、日本人選手出場時はチェックする者、海の向こうのこととして距離を置く者、PRIDEを買収しながらブランドを潰した“敵”として恨みを持つ者・・・でもみんなUFCが気にならないはずがない。
現在の日本でUFCというブランドがどれだけ浸透しており、どれだけのファンを集める力を持っているのかがまずはこの初上陸で明らかになる。そしてここからがUFC・イン・ジャパンの真のスタート地点。
あんなに盛り上がっていたはずの日本格闘技界が今や地上波テレビ中継もされず落ち込んでいると揶揄される今日この頃、世界最高峰プロモーションのUFC来日が日本で格闘技再ブームの火点け役になればいいのだ。
思い出してほしい。遡ること5年、2007年の3月、日本の格闘技ファンにとって寝耳に水の“PRIDE重大発表記者会見”。当時の日本人PRIDEファイターを一同に集め、大勢のファンを証人として、UFCによるPRIDEの吸収が発表された。
“PRIDE対UFC、MMAメジャーリーグの開戦”
この発表に誰もがときめいた。誰もが興奮した。
しかし時は経ち、日本大会が行われる気配のないまま、PRIDEの名を持った日本法人は畳まれ、PRIDEファイターだけが続々と戦場をUFCに移していった。
いまではPRIDEは過去の映像ライブラリーとして、またグッズとしてUFCの中に納められているのみだ。
日本人ファンが愛したPRIDEは現存していないが、PRIDEファイターなくして現在のUFCがないのも事実。PRIDEのトップファイターがUFCのラインナップに加わり、タイトル戦線にも絡み、UFC隆盛の大きな原動力となってきた。
PRIDEの名前を使わずともUFCの舞台でしっかりと“MMAメジャーリーグ”は実現してきた。それでいいじゃないか。
PRIDEの魂はちゃんとUFCの中に宿っている。そう思ってPRIDEと邂逅したUFCの現在を全身で受け止めなくてどうする?
ノゲイラ、ミルコ、ヴァンダレイ、ランペイジ、ショーグン、ダンヘン、アンデウソン・・・PRIDEを象徴するファイターたちの誰かは必ずや聖地・さいたまスーパーアリーナに戻ってきてくれるだろう。
そして初のホーム開催で片側のコーナーには日本人ファイターが並び立つはずだ。岡見、秋山、福田、五味、小見川、水垣、山本KID。
PRIDEの発展形、UFCの現在、そして日本格闘技界の未来。それらが凝縮された空間で、我々日本人格闘技ファンは堂々とPRIDEの栄光を背負ってUFCを迎え入れようではないか。
日本格闘技の“誇り”は永遠に生き続ける。それは我々ファンの使命である。
だからこそ、UFCを確認しに行こう。