毎晩2mg処方されています。

下記内容は、Wikipediaより


1薬剤概要
1970年代前半にスイスのロシュ社が開発し、1975年にヨーロッパで販売を開始する。睡眠薬の中では中時間作用型に属する。
米国では当初は1mgと2mg錠が販売されたが、乱用のリスクがあったため、製造元のRocheは市場から回収を行い現在は 1mg のみが販売されている。
日本では1984年3月に中外製薬、エーザイが、それぞれロヒプノール、サイレースの販売名で販売を開始し、後に各社がビビットエース、フルトラース、フルニトラゼパムなどの後発医薬品を販売する。第2種向精神薬であり、入手には処方箋を要する。
アメリカでは Schedule 4 の麻薬指定(一部の州ではさらに厳しい、Schedule 1の麻薬指定)され、承認されていない。そのため、日本から旅行する際には携帯は不可、もしくは英文で書かれた処方箋が必須である。また、飲料に混入されたらわかるように、錠剤に細工を施していたり、何らかの味が付いていたりする国もある。
アメリカ以外の国でも所持が違法である国や、合法であっても所持に制限がある国が多いため、フルニトラゼパム製剤を携帯し海外旅行をする際には、英文による処方箋や診断書を携行することが望ましい。(詳細は「フルニトラゼパム」の英語版記事を参照。)あるいは医師に相談し、他の薬剤に一時的に処方を切り替えてもらうのもよい。


2効能
フルニトラゼパムは他の多くのベンゾジアゼピン系薬剤と同様に、鎮静、抗不安、抗痙攣および筋弛緩作用を有する。鎮静作用(特に入眠・催眠作用)に限ってはベンゾジアゼピン系薬に分類されるものの中では最も強いとされ、治療範囲での投与量で比較するとジアゼパムのおよそ7~10倍の効力を持つとされる。抗不安作用も強い。また抗痙攣作用や筋弛緩作用はやや少なく、ジアゼパムと同等もしくはそれ以下である。効果は比較的即効性で、経口投与時の効果発現はおよそ15~20分、1時間後に血中濃度が最高に達し、投与後12時間目までの半減期はおよそ7時間、消失半減期はおよそ9~25時間、作用持続時間は6~8時間であり、ベンゾジアゼピン系の中では中時間作用型に分類される。効果の持続性も他のベンゾジアゼピン系睡眠薬より強く、より深い睡眠が得られる。作用機序は、抑制性GABAニューロンのシナプス後膜にあるベンゾジアゼピン受容体に結合しGABA親和性を増大させることでGABAニューロンの作用を特異的に増強することによると考えられている。
フルニトラゼパムに過敏症の既往歴のある患者、急性狭隅角緑内障、重症筋無力症の患者には禁忌、呼吸機能が高度に低下している患者には原則禁忌である。
アルコール、中枢神経抑制剤、モノアミン酸化酵素阻害薬、シメチジンとは併用に注意が必要である。


3副作用
主な副作用はふらつき、眠気、倦怠感等、集中力低下である。健忘や脱抑制も比較的多くみられる。重大な副作用としては、依存性、刺激興奮、錯乱、呼吸抑制、炭酸ガスナルコーシス、意識障害などがある。また稀に肝機能障害、黄疸、横紋筋融解症、悪性症候群、などがある。特に、大量連用によって薬物依存を生じることがあるため用量を超えないように注意する。アルコールと併用(飲酒)すると中枢神経抑制作用が増強され、かつ肝機能障害のリスクが増大するため、併用は禁忌である。


3.1 依存症
フルニトラゼパムは他のベンゾジアゼピンと同様、身体的依存・薬物依存症・ベンゾジアゼピン離脱症候群を引き起こす。
服薬中止によりベンゾジアゼピン離脱症候群を引き起こす。突然の断薬は、発作・精神病・深刻な不眠・深刻な不安など、深刻な離脱症候群をもたらす。短期間の夜間の単剤投与であっても、典型的には服薬中止時にリバウンド不眠により不眠の質を悪化させる。
3.2 乱用と日本国外での現状
アルコールとの併用で比較的高い確率で健忘を引き起こすことがあるため、アメリカ、イギリスなどでデートレイプドラッグとして強姦等に利用された。被害者が健忘によって、薬を飲まされた間やその前後に起こった出来事を覚えていないことが多く、加害者が特定されにくかったためである。また、ヘロインやコカインとの併用で効果を高めたり変調することや、メタンフェタミン・アンフェタミンといった覚せい剤の使用によって起こる不眠などの副作用に対抗するために乱用された。このため、乱用が深刻となったアメリカではフルニトラゼパムは禁止薬物に指定されている。したがって、旅行する際には英文による薬剤証明書を持参する必要がある。1996年5月からは、アメリカおよびカナダへのフルニトラゼパム製剤の持ち込みは一切禁止となった。
3.2.1 「ドラッグ」としてのフルニトラゼパム
ヘロインやコカイン常用者(医療ではなくいわゆる「ドラッグ」として)はその効力を増強するためにフルニトラゼパムを併用するケースがある。
ヘロインによるトリップ効果の増強
離脱症状の緩和
覚醒剤の副作用緩和(不眠、妄想、不安障害)
コカインやメタンフェタミン過剰摂取の場合のバッドトリップ(いわゆる「ハイ」になることができず、悪夢のような不安増大ばかりになってしまうこと)の緩和