ロードバイクにハマりだすと「サドル問題」でモヤモヤするのはローディ誰もが通る道ではなかろうか。
個人的な結論としては、「長く乗ってりゃある程度は慣れるゼ!」という、もうなし崩し的見解なのだが、このサドルと同じくらいハマりだすとキリがないのが、グラベルライダーにとっての「グラベルハンドル問題」である(イチ個人の感想ヨ)。
何も気にしないライダーであれば、買ったままのハンドルで生涯乗り続ければ済むハナシなのだが、グラベルロードの世界にはかなり変わった形状のハンドルも多く、物好きなタチの人間としては、「こんな変なカタチで果たしてどんな乗り味なのか」と、どうしても試したくなる。
例えば業界大手、RITCHEY(リッチー)。
同じグラベルハンドルだけでも、かなり性質の違うものを揃えており、さすがの大手。そんなラインナップにBeaconとVentureMaxというグラベルハンドルがある。まずは画像とそれぞれのスペックをご覧いただきたい。
Beacon
ドロップ:80mm
リーチ:65mm
フレア:36°
バックスイープ:4.5°
重量:288g(400mm)
下ハン:525mm(400mm)
Venturemax
ドロップ: 102mm
リーチ: 76mm
フレア: 24°
バックスウィープ:6°
重量:350g(460mm)
注目いただきたいのは両者のフレア角(広がり角度)とドロップ(上下差)の2点。
二つの端的な差を言うと、BeaconはVenturemaxに比べ浅くて広い。そして上下差&奥行きも少ない。
互いにグラベルハンドルでありながら結構な差異が見られる。
グラベルハンドルはドロップハンドルに比べ、ポジションがワイドかつ、上下、手前奥の差が少ないものが多い。それは不整地を走る際の安定性重視のために他ならない。
そのフォルムこそ奇異に映るグラベルハンドルだが、ライドポジションはロードのそれらよりも自然体な姿勢で乗れるものが多く、これからドロップハンドルデビューという方にとっても比較的入り易のではと思う。
私がまず初めに導入したのはventuremax。
幅がワイドなのは当然ながら若干エアロ形状もあり、それ以前に使っていたロード用ハンドルに比べ非常に乗りやすかった。
ところが頭の中には、常にさらに異形なBeaconがあり気になって仕方なかった。
そして。
半年を待たず遂に念願だったBeaconにチェンジを果たす。
ついでに。
ステムもRENTHALから、RACEFACEのATLASへ(ステムは常にMTB用ショートタイプと言う妙なこだわり)。
ドロップが2センチ以上浅くなり、腹の出たオッサンライダーにはさらに乗りやすい親切ハンドルだ。
しかしBeaconはハンドルの構造上、STI(シマノの変速兼ブレーキレバーの名称)の角度がかなり寝てしまうため、これを呑めるか来るか否かがBeaconを受け入れる一つの判断基準になるだろう。
他にも様々な形状のグラベルバーが各社より出ているので、導入の際はきちんと数値をチェックした上で、自身の体型や目指すライドポジションと相談し、「自分は手が長いのか短いのか」「姿勢は前傾になるのか起き気味になるのか」「ワイドが良いかナローなのか」など、あれこれ吟味した上で自分にとって最上の一本を見つけて欲しい。
実はサドル以上に深いのが、この「ハンドル沼」だったりするので、気付けば家中ハンドルバーだらけでなんてこともあったりなかったり・・・。残るステップはいよいよカーボンしかないかなぁ。
オマケ
後々振り返ってみると、実はNITTOのグラベルハンドル(M137)、形も一番オーソドックスながらロングライドでも乗りやすかったなと(ああもう、ここまでの記事の意味って・・・)。