
禅僧の言葉にヒントを得、ボクシング、剣道、射撃練習から自信を得て、そして、親友伴の無条件の協力によって、ついに大リーグボール一号が完成した。
致命的欠点だった球質の軽さを逆手にとり、幼少期から父と鍛えた奇跡のコントロール、そして何よりも絶望の中から不死鳥のごとくはい上がる、ど根性のなせる奇跡の魔球だ。打たれて結構、いや一歩進んで打ってもらおう・・そうバットの動きを予測してバットをねらい打ちする魔球なのだ。
その事実を、巨人軍の選手以外は、まだ誰も知らない。そして、ついに左門との対決の時がきた。オープン戦で飛雄馬の剛速球を打ちのめし、自信に満ちている左門。飛雄馬は、また背後にいる左門の兄弟たちのことが頭をちらつく。何も知らない左門に負けるはずはない。自分も打ちのめされ、絶望のどん底に落とされ、そこからはい上がったように、今度は左門が打ちのめされる番だ。
飛雄馬は言う
「あるときは自信を持ち、またある時は絶望のどん底にたたき込まれる。その繰り返しで、男は成長していく・・・おれも!そして・・・君たちの兄さんも・・・」
切磋琢磨。良き友は良きライバルである。優しさだけではない、慰め合いでもない、その存在によって、お互いが刺激し合い、ともに成長する・・・良き友とはそういう存在なのだ。