巨人軍監督、川上は飛雄馬をドラフトでとらず、あえて突き放し、入団テストを行った。これは川上の飛雄馬に対する挑戦である。一般人にまざって、入団テストを受けた飛雄馬。その勝負に勝って、ついに巨人軍に入団した。心を鬼にしてこれを行った川上は、一徹を訪れて真意を語り謝罪した。そして、永久欠番になるはずの自らの背番号16を飛雄馬に与えたのだ。

もりあがる長屋の人々、その中で一人のおばさんが号泣する。

 

「そりゃ、ここまでなしとげた 親父さんもえらいっ 飛雄馬さんもえらいっ・・・ だ・・だけどさ、そのかげで健気にもお母さんのかわりをして、男たちの夢をかなえさせてやったのは明子ちゃん、あんただから」

「あんたの手柄さ!貧乏所帯をやりくりし、長屋中から一家が白い目で見られた頃は、謝り役で・・・」

 

物語全体を通して、姉、明子は重要な役割をはたしている。決して全面にでることはないが、かげで支えながら、要所要所で、するどい分析やつっこみをしているのだ。古き良き日本の女性へのあこがれを、梶原一騎は明子を通して描写したのだ。巨人の星を語るとき、だれもが明子ねえちゃんの存在を忘れることがないのはそのためなのだ。