続いて一徹はいう。

「友情の花 かぐわしい花だ!」「だがな、これからがむずかしいそ!」

 飛雄馬が負傷のことを言わぬと決めたのは、第二投手小宮に対する友情のためだった。もし自分がそれを公表すれば、小宮が便りにならない投手であることを世間にさらしてしまう。自分が汚名を着ることで、小宮をまもったわけだ。

そこで一徹はいう。

 

「男が一度言わぬと決めたら、口がさけてもいうな! わずかでも宣伝がましいまねをしたら最後・・・」 「せっかくの花も、こうなる」

そういってしおれた花を差し出す。

 自分かわいさに、すぐに言い訳したくなる。平気で人をうらぎることが多いのが現実だ。これほど厳しい態度で生きたとて、誰かにほめられるわけでもなし、報われるわけでもない。まさに自己満足だ、自分に対する美学だ。それでも、そういう厳しさに我々はあこがれ、手本にしようとしたのだ。