
飛雄馬と一徹は巨人の星を目指して、日々努力してきた。しかし、飛雄馬が中学生の時、お互いが現実に直面する。一徹は日雇い労働をしていた。甲子園に行くためには高校に入らないといけない。それは夢のまた夢なのか・・
「この教育費がべらぼうに高い時代に、しがない肉体労働者のせがれが高校へ・・ゆめだできっこない! 飛雄馬よ、あのバックネットのむこうの世界は、しょせん、おまえにはえんがないのか・・」
飛雄馬も父を気遣い、高校野球の夢は捨てようとしていた。その時、一徹は
「飛雄馬・・おれはやる!やるぞっ おまえのために いや おれたちふたりの夢のために、このからだに残る体力を最後の一滴までしぼりつくす。おまえは余計な事は考えず、野球に打ち込め。いっそう厳しくだ」
そう誓った、一徹は好きな酒を断ち、朝、夜仕事に出かけることになったのだ。星一徹といえば、大酒を飲み、気に入らないことがあると、ちゃぶ台をひっくり返すという間違ったイメージが世間には流れている。しかし、一徹が酒に浸っていたのは、栄光の巨人軍で活躍する夢を戦争の怪我で奪われたからだった。自分の夢を子供に託す、それは良くないことなのだ、今風に言えば。それでも星親子は人生を野球に捧げる道を撰んだ。息子に高校野球をやらせたい。その一念からピタっと酒を断ち、学費を稼ぐために我が身を捨てて働いたのだ。ちゃぶ台をひっくり返す場面も、漫画の中ではおそらく1度しかない。テレビを壊す場面はあるけどね。飛雄馬が星一徹は、家庭内暴力のわがまま親父ではなく、ものすごい、信じられないほどの過保護の親父なのだ。