今週末の22日、23日にあるモーグルのSAJ公認B級大会と、来週の28日、29日にあるスキークロスのFIS(国際スキー・スノーボード連盟)公認大会・全日本選手権に向けて、18日(火)にハチ北高原スキー場で特訓しました。
この日は晴れ時々曇。前日までに降った季節外れの雪でバーンが覆われ、上部ゲレンデから下部ゲレンデまで、3月中旬の関西のスキー場とは思えない良好なコンディションでした。
<下部の中央ゲレンデもこの状態>
ハチ北での練習メニューはここしばらく、午前中はアルペン、午後はモーグルです。午前中のアルペンは、GS(大回転)用の191cmのスキーとアルペンレース用の細くて硬いブーツ(ノルディカ・ドーベルマン5RD-S)、GS用の長いストック、耳まで硬い素材で覆われたFIS(国際スキー・スノーボード連盟)認証付きのアルペン用ヘルメットで上部ゲレンデ、下部ゲレンデのフラットバーンでスピード練習、昼食休憩をはさんで午後は板、ストック、ブーツ、ヘルメットと総替えして、下部のメーンゲレンデ(中央ゲレンデ)のこぶトレーニングコースを滑ります。
この日は、過去最悪の惨憺たる結果になった白馬八方尾根リーゼンスラローム大会の反省をもとに変更した用具を使いました。
一つはゴーグルです。湿った雪が降る日のモーグル大会でスタート直前にゴーグルが曇ってしまって、やむなくゴーグルを外して滑らざるをえなくなったことがあり、それ以来、サングラスで大会に出るようになりました。サングラスは万一、曇っても、滑り始めたらすぐに曇りが取れるからです。
、昨シーズンまではオークリーのハーフジャケット2種類、今シーズンはTALEXを使っていました。風の巻き込みがないサングラスを選んだでいたので、風や雪が目に入ることはありません。ただ、白馬八方尾根リーゼンスラローム大会やスキークロスの全日本選手権のように時速80kmを超える速度のレースになると、何かの拍子に横から風を受けることになったときに、コンタクトレンズが外れる危険性もないではありません。極寒の日の大会や練習で、サングラスで額など顔の覆われていない部分が冷たいということもあります。
AmazonでおすすめされていたFIRNというブランドのURANUSというゴーグルを買いました。中国製で、格安の税込み9980円。ゴーグルも以前とは様変わりしているようです。ユニセックスのワンサイズ。視界が広くなるよう大きくなっています。小さなめがねならかけたままでゴーグルを着けられます。ヘルメットの縁にぴったりと合います。晴れているときも曇っているときもよく見えました。レンズは磁石でフレームに固定されているので、簡単に別のレンズに交換することができます。なかなかいい買い物だったと思います。
もう一つはブーツです。今シーズンは昨年12月に買ったノルディカのドーベルマン5RD-S(硬さ130相当)をアルペンレース用に使っています。白馬八方尾根リーゼンスラローム大会の成績があまりにひどかった理由を探っているところですが、その一つにエッジが立たなくて横滑りすることが多かったということがあります。
このブーツにはオプションでリフターというプレートを靴底に付けることができます。靴底から足裏までの高さを高くすることによって、てこの原理(レバレッジ)でエッジに加える力を大きくすることができます。釘抜きの柄が長いと釘に加える力を大きくすることができるのと同じです。靴底から足裏までの高さが柄の長さに相当します。
付属の5mmのリフターを店で取り付けてもらいました。ブーツのつま先とかかとのコバ(木端)という部分も分厚くなるので、コバを削って薄くしないとブーツがビンディングに入らないので、個人では取り付けできません。
ブーツの靴底の厚みにはFISのレギュレーション(規制)があります。マスターズは45mm(推奨)、それ以外は43mmです。
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Specifications for Alpine Competition Equipment 2024/2025
https://assets.fis-ski.com/f/252177/x/8c2b2decbd/specifications_for_alpine_competition_equipment_03-07-2024.pdf
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5RD-Sの靴の中のフットベッド(ウェッジ、ゼッパ)は標準で装備されているもののほかに、低い(厚みが薄い)タイプが別売で用意されています。5mmリフターを付けて靴底の厚みが43mmを超えた場合には、薄いタイプに交換することができます。店の人が5mmリフターを付けた後で厚みを測ったところ、43mmにならなかったので交換は不要ということでした。
靴底の厚みが増して、足裏の高さが高くなった場合、てこの原理でエッジに大きな力を加えることができますが、柄の長いてこを動かすにはたくさん動かさなければならない(動かす距離が長くなる)ように、エッジを切り返すときの動作が大きくなります。切り返しを速くしたいときには低いフットベッドにした方が有利だと思います。
ブーツにはもう一つ問題がありました。リアスポイラーというインナーブーツのふくらはぎの部分に当てるパッドが付いていませんでした。ブーツを買ったときに付いていなかったのをそのまま使っていました。
リアスポイラーはインナーブーツの後ろ側に付けます。インナーブーツのアッパーシェルの間に挟み込む形になります。その機能はすねの前傾角を付けるためと説明されます。膝が前に出て足首の角度が鋭角になるということです。
リアスポイラーを入れてすねを前傾させるというと、スキーのトップを下げやすくするように思いがちですが、逆です。リアスポイラーがない状態で、すねが直立しているところからテールに力をかけるには、直立しているすねを後ろに倒さなければなりません。リアスポイラーを付けていることによって、すねを後ろに倒すのが楽になります。
ターンの後半、テールを雪面にしっかり押しつけることができないとテールが横滑りします。ずれたターンになってスピードが落ちるだけでなく、スキー全体が谷側に落とされることにもなります。直滑降や斜滑降ではテールを下げて、トップを浮かせた方がスピードが出やすくなります。てこの原理(レバレッジ)を働かせて、テールで雪面を押すにはリアスポイラーを使った方がいいと思います。
モーグルの一般的なターンのように、テールを浮かせぎみにしてターンを切り替えたいときにはリアスポイラーはない方がいいかもしれません。春の重たい雪やパウダーこぶをフルカービングで滑るなら、リアスポイラーは必要かもしれません。テールずらしとか縦ずらしというこぶの裏側をテールで削る滑り方はどうでしょうか。みなさん、試してみてください。
5RD-Sのリアスポイラーは2枚重ねになっていて、全くなし、1枚だけ、2枚だけと3段階の調節ができます。この日は1枚だけ付けて滑りましたが、次は2枚付けて滑ってみようと思います。

