昨年から本格運用が始まった株式会社堂島取引所の堂島コメ平均(米穀指数)。米の出荷業者と卸売業者の取引価格をもとにした商品先物取引です。(米の現物を取引するのではなく、米の価格指数を取引します)
誰でも取引できますが、開設時に想定された取引形態の一つが、米の生産農家のリスクヘッジ(危険回避)。秋の収穫時に米の価格が下落した場合、米農家は春の植え付け時に考えていたほどの利益を上げることができません。
米の価格が高いうちに先物取引で売っておいて、価格が下がったときに安く買い戻せば、差額を利益にすることができます。秋に価格が高ければ現物の米の出荷で利益を上げることができ、秋に価格が安ければ先物取引で利益を上げることができるというわけです。
ぼくも小規模ながら米農家なので、リスクヘッジのために売りで入ろうとSBI証券に口座を開設したのですが、チャートを見ると、新米が出回った昨年末に一時的に下がったものの、その後は上がる一方で、売りで入るタイミングが見つかりません(これ以上は上がらないだろうという頭打ちの状態が見えない)。

現在の価格は1俵(60kg)が約2万6000円。1俵の値段で50俵を売買します(レバレッジ50倍)。2万6000円で売って、2万5000円で買えば、差額の1000円の50倍の5万円の利益になりますが、逆に2万7000円でしか買えなければ5万円の損になります。
米の価格が上がって現物の米の出荷で利益を得たのに、先物取引で損を出して帳消しになる可能性もあります。
米の価格変動で、うちが米の出荷で得る利益がどのくらい変わるのか、先物取引でどれだけの利益を上げれば米の出荷の損失の埋め合わせになるのか、先物取引でどれだけ損失を出せば、米の出荷の利益が帳消しになってしまうのか。考えれば考えるほど難しい計算です。
現在、1俵の値段を取引するのに必要な証拠金は最低で5万1250円(2月14日現在)です。これだけの余裕資金があれば、誰でも米相場にチャレンジすることができます。