長引いた風邪がようやく治って3日(月)、4日(火)とそれぞれ日帰りで、ハチ北高原スキー場でモーグルの練習をしてきました。1月18日以来、2週間ぶりのスキーです。

 

 ハチ北の北壁は雪が崩れて閉鎖され、直下のパノラマゲレンデ上部も閉鎖。常設のこぶトレーニングコースはお休みです。

 

 隣のスーパーモーグルコース(大会バーン)は圧雪されて、硬く締まったフラットバーン。細かいターンを刻むのが難しいコンディションでした。

<圧雪バーンが新雪で覆われたスーパーモーグルコース>

 

 下部ゲレンデの最上部のテラス部分にある14連ウェーブは山の数が一つ減って13連。その分、山が大きくなってパワーアップしていました。4日はアイスバーンになったので、危険のないようセーブしながら滑りました。

<13連になってパワーアップしたウェーブ>

 

 今回の練習の眼目は細かいこぶのターンです。今シーズンはアルペンレースやスキークロスの大きなターンはそこそこ滑れていますが、モーグルのターンがほとんどできていません。こぶのラインをまっすぐ通して滑れなければ、大会に出る意味がありません。

 

 ぼくが独自に開発して、独り寂しく練習しているダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT、ディプト)は重心の前後の移動によるターンです。GS(大回転)のように大きな弧を描くターンでは、DPTの理論通りの重心移動ができるのですが、モーグルのような細かいこぶの中でのターンになると、DPTはできてもほんの一瞬で、すぐにDPTでもなく、普通のターン(SPT)でもない、中途半端なターンになってしまいます。

 

 その理由が何かと十数年間考え続けているのですが、一つには人間の体の機能的な特性があると思います。

 

 人間の身体の動作は、体幹に近いほど大きく、体幹から離れるほど小さくなります。体幹とは体の幹である胴体。胴体から伸びる手足の先は抹消と言われます。木の幹から伸びる根は胴体から伸びる脚やその先の足、木の枝に当たるのは腕や手です。根のひげや、枝に付いている葉は、足や手の指になりますね。

 

 体幹の動きは大きな力を発揮することができますが、細かい動きは苦手です。お尻で書いた字を当てる宴会の余興があります。字を書くような微妙な動きするには、体幹ではなく、抹消である指の先を意識しなければなりません。前に滑るためには体幹を動かさないといけませんが、その中での細かい動きは抹消である指でコントロールしなければなりません。ターン弧を指で描くということです。

 

 前回は、手と足の小指を意識してターンすることを練習しました。足のかかとからつま先への重心を移動してDPTを導くときに、小指でターン弧を微調整をするわけです。重心を前に移動するときに、DPTの右ターン(左にふくらむターン弧)では右手の小指と右足の小指、左ターン(右にふくらむターン弧)では左手の小指と左足の小指を同時に意識すればいいことがわかりました。

 

 では、重心を後ろに移動するときは何を意識すればいいのかというのが今回の問題です。重心を前に移動するときは、足の小指に荷重すると同時にストックのグリップが手の小指を押します。重心を後ろに移動するときは逆なので、足のかかとに荷重すると同時にグリップが手のかかとを押せばいいわけです。手のかかととは掌底(しょうてい)と呼ばれるてのひらの手首に近い肉厚の部分です。

 

 これでDPTのかかとからつま先、つま先からかかとへの重心移動とストックワークがリンクしました。

 

 あとはストックをどこに突くかです。DPTは普通のターン(SPT)と逆の動きをするので、ストックを突く位置も逆です。普通のターンでは、ターン弧が一番膨らむ部分の横あたりに突いて、そこを中心とする円を描くイメージですが、DPTではターン弧がフォールラインと交差する場所を狙います。普通のターンよりターン弧の半分先(ターン弧を半円とすると、4分の1円先)です。ここにストックを突かないとDPTになりません。

 

 まだ、十分検証できているわけではありませんが、今までうまくいかなかったのは、ストックを突く位置が普通のターンと同じ場所になってしまいがちだったからではないかと考えています。

 

 ジャンプの練習はできませんでしたが、大会本番で練習させてもらいます。