舞台は1899年のパリ。


花の都パリに憧れてやってきた

アメリカ人の青年・クリスチャンは作家志望。


ひょんなことから画家のトゥールーズ、

タンゴダンサーのサンティアゴ、

作曲家のサティ、

大道芸人のドクターと知り合う。


彼らはナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」

オーナーであるジドラーの依頼で

新しいショーを作っているのだという。


絢爛豪華なショーを繰り広げる

ムーラン・ルージュだったが、

その華やかさとは裏腹に経営は思わしくなく、

立て直しのため優れた新作が必要なのだった。


トゥールーズたちは作詞の才能のある

クリスチャンを仲間に迎え入れ、

ジドラーに新作を認めさせるため

看板スターであるサティーンの力を借りよう

ムーラン・ルージュに潜り込む。


クリスチャンは華やかな雰囲気にのまれ、

歌い踊るサティーンに目を奪われてしまう。


一方ジドラーは、資金を得るために

金持ちのパトロン モンロス公爵に

サティーンを紹介しようとしていた。


それを知ったトゥールーズは

モンロス公爵を足止めし、代わりに

クリスチャンをサティーンの元へ送り込む。


クリスチャンをモンロス公爵だと勘違いした

サティーンは、

象の部屋と呼ばれる彼女の部屋に誘う。

クリスチャンはそこで愛の歌を披露し

2人はいい雰囲気になるのだが、

クリスチャンは自分の正体を明かしてしまう。


そこへジドラーが本物のモンロス公爵を連れて

やってきて、鉢合わせするはめに。


サティーンはクリスチャンが新しい作品を

書いている作家だと説明し、

なんとか公爵からの資金援助を取り付ける

ことに成功する。


公爵はサティーンを我がものにしようと

誘い続けるのだが、

クリスチャンと愛し合うようになっていた

サティーンは理由をつけて逃げ続けていた。


サティーンを手に入れられないなら

出資を打切ると公爵に告げられたジドラーは

サティーンの恋愛を禁じるのだった。


ムーラン・ルージュの立て直しを願うのは

サティーンも同じであり、

苦悩に苛まれた彼女は倒れてしまう。


医者にかかったことで

彼女が結核を患っていることが発覚するが、

ジドラーはこれを誰にも知らせず

新作の準備に専念する。


いよいよモンロス公爵と密会の約束を

せざるを得ない状況となったサティーンは

クリスチャンに別れを切り出す。


突然の別れ話に納得できないクリスチャンは

新作ショーに自分を投影した役を登場させ

サティーンへの愛を歌う演出をする。

しかしそれに気づいたモンロス公爵に

内容をも変更されてしまうのだった。


クリスチャンはムーラン・ルージュへの

出入りを禁じられたまま、

そしてサティーンの体調は優れぬまま、

新作は初日を迎える。


クリスチャンはサティーンにもう一度会うため

ムーラン・ルージュに忍び込むのだが

にべもなく追い払われてしまう。

それはモンロス公爵からクリスチャンを守る

ためだったのだが、

もう愛されていないと思ったクリスチャンは

サティーンの元を立ち去ろうとする。


そんなクリスチャンに向けて

サティーンは舞台上からあの愛の歌を歌い、

クリスチャンもそれに応えて歌う。


ショーの演出だと思った観客の拍手の中、

病状が悪化していたサティーンは

クリスチャンの腕の中で息を引取るのだった。












美と類稀なる絢爛豪華なショーの世界、

の世界で生きる

、激しい恋に落ちたアメリカ人作家クリスチャンとナイトクラブ、ムーラン・ルージュの花形スター、サティーンの物語が展開される。


ムーラン・ルージュで二人は出会い、激しい恋に落ちるが、ナイトクラブのオーナー兼興行主のハロルド・ジドラーと、クラブのパトロンである裕福な貴族、モンロス公爵が二人を引き裂く。モンロス公爵は望むものすべて、サティーンさえも金で買えると考える男だった。

クリスチャンはボヘミアンの友人たち――才能にあふれた、その日暮らしの画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックやパリ随一のタンゴダンサー、サンティアゴとともに、華やかなミュージカルショーを舞台にかけ、ムーラン・ルージュを窮地から救い、サティーンの心をつかもうとする。