「とりあえずビール」は、酒の席で始めの一杯として
人数分のビールを注文する際の常套句として用いられる。
これは1955年(昭和30年)ごろからの高度経済成長に伴って
ビールという飲み物が大衆化し、一般庶民へ浸透。
それまで良く飲まれていた燗酒に比べて短時間で供されることが受け、
「宴会の席における最初の一杯」という意味合いを込めて、
「とりあえずビール」という言い回しが用いられるようになった。
この形態は「簡単に人数分の飲み物が注文できる」という利点のほか、
「みんなで同じものを飲むと安心する」という会社やグループ間での
帰属意識を高めることができるという効果がある。
また、アルコール度数の低さから内臓への負担が少なく、
ビールに含まれる炭酸やホップが胃腸を刺激することで食欲増進の効果がある。
しかし、日本におけるビールの需要は1994年(平成6年)をピークに減衰傾向にあり、
逆にリキュール(チューハイ)の需要が伸び始めているように、
近年では「とりあえずビール」という形での注文方法が
ビールを好まない人への強制と捉えられる向きもあって、
若い世代を中心に敬遠されつつあり、
各人が自由に飲みたいものを選択するといった傾向にある。
