私、普通の男の子に戻ります。





明日は俺の、正確には退職紹介行事が行われる。保険の関係上、明日の行事以降を休暇とし、書類の上では今月末日までは自衛官のままなのだ。
ともあれ、身分証を返納してしまうから実質民間人同然であり、自由の身となるワケだ。

思えば約三年、あっという間だった。ここで学んだことは本当に多い。厳しい世界だが、人として成長したいならば、自衛隊を選択するのは間違いではないと思う。
ここで培ったものは文字通り俺の武器だ。この先の人生でもきっと頼りにしていくことだろう。

ありがとう、自衛隊。入ってよかった。自衛官としての未来も悪くはなかったのだろうが、俺はカメラの世界へ行く。

今後の戦場は優しくはない。人生を賭けた長く厳しい戦いなるだろうが、必ず生き残ってみせる。
スタッフスネークの帰還報告-80615metalgear1.jpg
手品のタネはいつも単純なものだ。





気楽にいこうぜ。トラブルは御免だ。パーティーがいいな!


昨日は何がどうなってそうなったのかよくわからないが、上記の文句を呪文のように繰り返すファンキーなオーストラリア人四人と酒を飲んだ。

事の起こりは、空腹を満たしに秋葉原にある馴染みの店に顔を出したところから始まる。
店に入るなり異様な気配を感じ目をやれば明らかに異質な外国人四人組。
なんというか、完全に「え?」という感じだったが、まあ外国人オタクの聖地巡礼の類いかと思い、客人を迎えるホストの気分で話かけてみれば、おいおい日本語全然喋れないときたぜ。
図らずも、赤錆にまみれた俺のエングリッシュというマイナススキルを発動することになってしまったのだが、どうやら彼らは五週間の年末年始休暇中で、白馬にスノボーをしに来たと言う。ぶっちゃけオタクでもなんでもないそうだ。じゃあなんでこの街に、この店に来たんだとなるわけだが、酒が飲めればどこでもよかったらしい。そんなこんなで片言に色々話したが、どうやら日本に来てからまともに会話でコミュニケーション出来たのが俺が初めてらしく、いたく彼らに気に入られてしまった。ついでに四人の中の一人、ダニエル氏がひどく楽しい状態になっていたので、馴染みの店を荒らされるのも嫌だし、早々に店を変えさせようと、バーテンに教えてもらった近くのミュージックバーへと彼らを案内することになった………
……

のだが、いやぁ彼ら、路上タバコやら交通整理のおじさんとツーショット写真だとか帰宅中のサラリーマンに絡むとか、もう勘弁してくれ。


最後は外国人の多く集まるミュージックバーの店員に丸投げして退散したわけだが、果たして彼らの旅路はいかなるものになるのか。フェイスブックやってないのかと何度も聞かれた。もしかしたら今頃俺の写真(信号待ちの交差点で無理矢理撮らされた)が晒されているのかもしれないが、もう考えないようにしよう。
一つの時代が終わり、俺達の戦争は終わった。
だが、
俺にはまだやらなければならないことがある。





本日、朝霞駐屯地創立記念行事が行われる。
これが、俺が自衛官として携わる最後の撮影任務となる。
内容的にはさほどの任務ではないが、最後ともなると感慨深いものがあるな。これまで任務に手を抜いたことはもちろん一度もないが今日はひとつの集大成として、完遂しよう。

まずはヘリ体験搭乗の撮影。さあ、戦争の時間だ。