苦しい時期を乗り越えよう | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。


2018年4月2日、浦和レッズは堀孝史監督を解任し、育成ディレクター兼ユース監督の大槻毅氏を暫定的に監督に昇格させました。

堀さんは昨年7月のミハイロ・ペトロビッチ監督解任後、チームを率いてアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)優勝に導きましたが、今季は公式戦5試合で2引分3敗と大きく出遅れていました。国際試合週間で1週間休みがあった後、中3-4日で15連戦を戦う過酷な日程の初戦となった4月1日のジュビロ磐田戦で逆転負けを喫した後、責任を取らされる形となりました。

昨年結果を残した監督に対して酷な仕打ちと感じられるかもしれませんが、フロントからすれば仕方のない決断だったと思います。結果が出ていないだけでなく、内容もよくなかった。ここ数年レッズが自らのカラーとして確立したポゼッションサッカーができていませんでした。長い目で見た場合、ドラスティックな変化は不可欠だったので、ジュビロ戦で負けてくれてむしろ良かったかもしれません。勝っていたり引き分けていれば、監督交代を逡巡して立て直しが遅れた可能性がありますので。

じゃあシーズン前に代えればいいじゃないかと思うかもしれませんが、そこはやはり去年ACLという非常に難しいタイトルを取った監督さんでした。ペトロビッチさんの下で長年コーチを務めていたこともあり、ペトロビッチさんのサッカーを継承しつつ昇華させるのであれば彼が適任では、と思った人は多かったと思います。ただ、ペトロビッチさんの時には、ボールは持てても点が取れず、カウンターで失点してタイトルを逃し続けていたので、堀さんも守備の建て直しを意識しすぎた結果、ポゼッションサッカー自体がないがしろになってしまったのかもしれません。15連戦の前に替えるということも検討したかもしれませんが、堀さんに立て直しのチャンスを与えずに解任するというのも酷だと思ったのでしょう。今が妥当な交代のタイミングだったと思います。

監督初経験でありながら、タイトルを求められるチームを率いなければいけなかったのは、堀さんにとっても難しいところでした。とは言え、ACL優勝監督である以上、必ず他のチームから声がかかるはず。堀さん自身にやる気さえあれば、彼の監督キャリアはまだまだこれからだと思います。

今のところ、大槻さんは暫定監督という形で、レッズのフロントも新しい監督を探していると明言しています。誰になるでしょうね。ヴィッセル神戸の前監督で柏レイソルでリーグ優勝を経験しているネルシーニョさんらは、現在フリーの状態です。

とりあえずは、現状降格圏内にいる以上、短期的にでもいいので監督交代のカンフル効果を期待したいところです。過密日程で、なかなか練習ができないのがつらいところではありますが。4月4日のリーグカップのサンフレッチェ戦は、状況を鑑みれば負けても仕方ない試合ですので、むしろ選手達には思い切りやってほしいところ。とりあえずは、できるところまで状況を立て直してほしいです。

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