【まちづくりコラム Vol.62】地域のストーリーをいかした「食育」 | 中村正明のまちづくりコラム

中村正明のまちづくりコラム

中村正明が地域情報誌「STaD」で連載中のまちづくりコラムを配信します!

このコーナーでは、「市民協働によるまちづくり」について、
STaDプロデューサー中村正明が北総エリアでの事例を交えお伝えします!

 

 みなさんは、新5千円札の新たな顔となる津田梅子を知っていますか?
元佐倉藩の藩士で農学者津田 仙(つだせん)の次女として江戸に生まれました。
日本初の女子留学生の一人で、女子英学塾(現:津田塾大学)の創設者であり、日本における女子教育の先駆者です。
 梅子の父の津田 仙は、江戸幕府の使節団の通訳としてアメリカに渡り、帰国後、西洋野菜の栽培に着手し、西洋野菜普及の第一人者となりました。
 佐倉市では、ゆかりのある津田 仙の功績を称えようと、命日の4月24日前後に佐倉市内の全小中学校(34校)で、自校式給食の特色をいかし、各校独自の西洋野菜を使用した「津田 仙メニュー」給食を提供しています。
 ちなみに、自校式給食とは、給食用の調理室が整備され栄養士が常勤して、独自に給食が提供できる体制が整っていることですが、特徴として、献立づくり、食材の仕入れ、調理がすべて各校に任されているため、出来立ての温かい料理が提供できることはもちろんですが、学校行事や食育の授業内容に合わせた献立、地元野菜を使用したおかずの提供が出来るなど、「食育」教育の充実を図ることができます。
 佐倉市では、津田 仙・梅子などの佐倉ゆかりの歴史的人物を学ぶ「佐倉学」に力を入れており、昨年度、佐倉学子供作品展において市長賞を受賞した佐倉市立根郷小学校の児童が考案した津田 仙メニューが今年度の給食メニューとして登場するそうです。尚、全小中学校の給食メニューは、津田 仙・津田梅子の紹介と合わせて「夢咲くら館」で、展示(6月5日~30日)予定です。
 毎年恒例となっているSTaDとのコラボによる三門農園さんの“アイガモ米体験プログラム”にも、今年は佐倉市職員と市立保育園の栄養士の方々が参加し、今秋の収穫後にアイガモ米を使用した給食を予定しているそうです。
 6月は、「食育月間」ですね。オーガニックビレッジ宣言をした佐倉市ならではの独自のストーリーをいかした地域ぐるみの学校給食をいかした「食育」が大切ですね!