前回の続きは大原駅から、いすみ鉄道を乗り鉄します。
【第4日目 1/7(Sat)】
大原11:12~(いすみ鉄道 急行2号 大多喜行き)~11:53大多喜
■蘇れ!キハ52系の旅
東京から安房鴨川を経由して房総半島を1周し大原にやってきた後は、
いすみ鉄道の観光急行列車:キハ52系の急行2号に乗ることにしました。
ここからはいすみ鉄道、しばらくJRからは離れます。
JRのホームから出て隣接するいすみ鉄道の大原駅に移動します。
大原駅はJR外房線といすみ鉄道いすみ線が乗り入れる接続駅。
JRの方は全ての特急が停車し駅員も常駐する有人駅になっています。
いすみ鉄道の方はいすみ線の起点駅で頭端式ホームを有する無人駅。
そのため改札の入り口には食券型の切符販売機が設置されています。
JRの駅舎と隣接してオリジナルグッズなどを販売する売店が併設され、
さらに大原発の急行券やフリー切符の販売も行われています。
(売店の店員に販売を委託しているため駅員はいないので無人駅扱い)
駅舎から出ると、なるほど2つの建物が繋がっているのが分かりますね。
「いすみ鉄道のりば」の文字の色褪せが昔の閑散さを想像させられます。
しかし駅前にはいすみ200形とキハ52系をイメージした塗装の自販機が。
ちょっとしたところにもこだわり凝っているユーモアさが面白いですね!
急行2号 キハ52-125
さていすみ鉄道の駅舎に入ります。
駅舎の中はいすみ鉄道のオリジナルグッズを扱う売店になっています。
いすみ鉄道オリジナルグッズの先駆けであるおかき:「い鉄揚げ」を初め、
「房総のゆけむり饅頭」や電車の形をした四角い「い鉄最中」などなど。
もちろん、食べ物だけではなく四季のいすみ鉄道の写真のカレンダーや、
キハ52の列車プレートレプリカや駅名キーホルダーもおいてありました。
駅舎となっている建物全てがお土産を扱う売店で、かなりの種類です。
この売店では同時に急行列車の急行券などの切符も取り扱います。
フリー切符や確実に座ることが目的の急行は人の方が確実ですからね。
座席は事前予約の指定席・発車1時間前からの販売の自由席の2種類。
今回は到着が発車の40分前というわけで自由席にすることにしました。
さらに急行券も2種類で昔ながらの硬券と写真が印刷された記念タイプ。
どうやら硬券はデザインもほぼ国鉄時代を再現したものなんだそうです。
というわけでここは国鉄時代を味わうためにも硬券にすることにしました。
ついでに今回使用する乗車券『房総横断記念乗車券』も買っておきます。
なんでも、大多喜駅の「関東の駅百選」認定を記念したフリー乗車券で、
大原~五井の相互発着かつ引き返さない限りは途中下車も可能。
(大原~五井の各駅に途中下車出来るが下車した駅より後戻りできない)
値段は1600円、房総半島を横断するにはもってこいの切符です!
メンバー全員分の切符が買えたところで暇なのでお土産を物色・・・
そういえば急行の運転に合わせて駅弁の販売も始めたんそうです。
「本多忠勝 必勝弁当」という名前の弁当は大きなとんかつをメインに、
梅干の乗ったご飯に駅弁用のお茶がついたなんとも国鉄チックな内容。
結構なボリュームで1000円、なかなか美味そうな駅弁ですね。
・・・まあ実は大多喜で考えていることがあって買うのはやめたのですが、
その代わり(?)"モノ"のお土産としてティッシュ箱を買うことにしました。
キハ52系のデザインのティッシュ箱は小さな四角が可愛らしいデザイン。
中に2箱入るようで実用的だしデザインもなかなか面白いやつです(笑)
さて会計に持っていくと・・・2100円!?
なんでも乗車券と急行券とティッシュ箱を合わせて2100円なんだそうな。
(正直な話、乗車券と急行券の会計は済ませてたのでビビりましたが^^;)
だからなんだという話なのですが、実は2000円以上の買い物をすると、
もれなくいすみ鉄道オリジナルデザインのうまい棒がもらえるんです。
もらえたのは黄色のいすみ鉄道の代名詞:いすみ200型のデザイン。
これも隠れたいすみ鉄道オリジナルグッズなんでしょうね。
ちょっと得した気分でいると、やがてキハ52系が入線!!
発車の10分前、折り返し作業と記念撮影のため少し余裕の到着です。
急行1号の乗客を降ろして・・・自由席なので急ぎ目に座席を確保します。
そしてなんとかボックスシート1区画を確保できました。座席は一安心。
因みに今回は進行方向右側:北側の座席に座ることにしました。
というわけで停車中のキハ52系を撮影しにいきます。
やはり乗客各々車内やHMなど記念撮影していました。
懐かしそうな顔をする人もいれば、新しい何かを見るような顔の人も・・・
皆キハ52計にそれぞれの想いがあるんでしょうね。
というわけでまずは側面。青一色のサボには「大多喜⇔大原」の白文字。
キレイな塗装と飾らないサボが昭和の雰囲気をしっかり周到しています。
乗車口の横にはしっかりと「急行 EXPRESS」の文字。
さらにかつて国鉄時代にあった千葉の鉄道を統括する千葉鉄道管理局に
配置されている気動車の目印である「千気」の二文字もちゃっかり。
しっかりと当時を細部にわたって再現していますね。
もう一方の乗車口の横には「そと房」のサボ。
同じく「千気」の印もあり、さらに「一部座席指定」の文字もあります。
文字の書体といい国鉄チックな雰囲気が漂ってきます。
2エンド表記。所属もしっかり勝浦運転区を表す「千カウ」になっています。
(かつての国鉄木原線を走っていたキハ35系の所属先を周到)
上総中野方面。こっち側には何もHMも取り付けられていませんでした。
大原方面側には「夷隅」のHM(日替わり)が取り付けられていましたが、
むしろ何も取り付けられていない姿も逆にいいのかもしれませんね。
いよいよ車内です。車内は青いモケットの座席に薄緑の壁。
いかにも国鉄時代の車両の内装といった雰囲気です。
内装はいすみ鉄道なものの、部品や設備はJR西日本時代のそのまま。
乗務員窓のシールや今では使うことのない運賃表などなど、さらに・・・
優先座席のマークもJR西日本のもの、本物をそのままなのです!
シールの傷は残念ですがここにもJR西日本の昔の姿が感じられます。
木原線に国鉄型ディーゼルカーが走っていた当時を大切にしながらも、
JR西日本の大糸線を走っていた昔の姿も大切にしているのが流石です。
もう一方は席を取っ払ったのか折り畳みテーブルが置かれていました。
その上にはいすみ鉄道のコースターと乗車記念のスタンプ。
おっと、さらにその奥にはくずもの入れまで残されて置いてありますね!
おそらくこの区画は専属添乗員たちの準備スペースになるのでしょう。
しかし、それでも最大限昔の形を保とうとしているのは素晴らしいです。
だいたい車内探索は終わったので自分の座席に戻ります。
座席のそれぞれに小さなテーブルがありますが興味深いものを発見。
なんと大糸線時代の栓抜きがそのまま残されているじゃないですか!
なるほど売店で瓶ジュースが置いてあったのはそういうことなんですね。
実はこれもいすみ鉄道側の"狙い"。
キハ52系登場時の昭和40年頃・・・すなわちまだペットボトルもない当時、
そんな雰囲気を味わえるようにあえて瓶の飲料を販売しているんだとか。
なかなか粋なことしてくれるじゃないですか(笑)
瓶ジュースを買わなかったことにちょっとだけ後悔です。
ふと天井を見上げると、ここにもいすみ鉄道の"狙い"が見られます。
冷房のなかった当時、夏の必需品はもちろん扇風機。
壁のスイッチで自由にON/OFFできるタイプの、これまた国鉄チックです。
さらに車内の中吊り広告は国鉄時代の車両の宣伝が印刷されたもの。
100系が新登場だとか485系のL特急ひたち号だとか全てが国鉄時代。
社長の趣味でコレクションしている昭和40~50年代のものみたいです。
それも定期的に取り替えるようで、これまた楽しませてくれますね。
自分の座席に座っていると添乗員の人が旅のしおりをくれました。
「キハの旅 観光急行列車のご案内」と書かれた3つ折りのしおりには、
キハ52系の生い立ち・拘り・オリジナルグッズ紹介が書かれていました。
それと一緒に今度はキハ52系のデザインが印刷された包装のうmy棒や、
かつて千葉を走った気動車がプリントされた紙に入った飴も貰いました。
なんでも急行列車に乗車した人全員に1つずつくれるものだそうです。
記念乗車券と硬券急行券と一緒に記念撮影。
いよいよ、キハ52系のいすみ鉄道の旅が始まります!!
しばらくすると警笛を1つ鳴らしてキハ52系は発車。
ガガガガ・・・と気動車が加速する時に出す独特のうねりを響かせながら、
老若男女問わず大勢の楽しそうな面々を乗せた列車は進んでいきます。
列車はしばらく外房線の線路と並走します。
かつて木原線だった線路と外房線は一応まだ繋がっているようですが、
流石にJR外房線といすみ鉄道線が直通するということはなさそうです。
そしてすぐに外房線の線路とも分岐、いよいよ線路は1本になります。
♪アルプスの牧場―――
列車が大原を発車して外房線の線路と離合ししばらく進んだところで、
車内にやさしい電子オルゴールの音で「アルプスの牧場」が流れます。
それに続けて流れてきたのは車掌の肉声アナウンスでした。
「お待たせいたしました。本日はいすみ鉄道、臨時急行『夷隅・そと房』2号をご利用いただきましてありがとうございます。ただいま大原を定刻に発車いたしました。この先止まる駅と到着時刻をご案内します。・・・」
列車は、途中駅での列車行き違いや観光のために停車してくれるそうで、
いかにも国鉄時代のまったりとした観光急行列車と言った雰囲気です。
そういえば、この観光急行列車は国鉄時代の昭和40年代に走っていた、
勝浦方面に海水浴客を運んだ急行「そと房」をイメージしているんだとか。
なるほどだから昭和40年~50年代を中心とした雰囲気なんですね。
かつて昭和40年に国鉄型ディーゼルカーとして製造されたキハ52系は、
45年もの間、越美北線・大糸線など北陸地方を中心に走っていました。
しかし、2010年3月のダイヤ改正で引退しJRから姿を消したわけですが、
ひょんなことから冬の厳しい日本海側から温暖な房総はいすみ鉄道へ。
昔は国鉄木原線でも同形式のディーゼルカーが走っていた縁もあって、
そんな昭和の汽車旅を味わってもらおうというのがこの急行列車です。
車両の外観からも、車内の様子からも、車掌の肉声アナウンスからも、
・・・なんだかこの車両だけが昭和40年代にいるような雰囲気です。
「尚、列車は安全確認のため全ての駅に一旦停車をして発車します。また、このキハ52系は昭和40年製のディーゼルカーのため窓が大きく開きます。窓から手や顔を出されますと危険なのでご注意ください。」
どうやらいくら急行列車とは言えど駅は通過しないそうです。
確かに接近放送のない駅もあるので通過は危険だと判断したのでしょう。
それに車両に関する注意だなんてこれまたなんだか滑稽ですね(笑)
「それでは短い時間ですがキハ52系観光急行列車をお楽しみください。」
そう言うと、やっぱり静かな音色の♪アルプスの牧場で終わります。
ゆったりとした時間が流れるようで、それがまたこの汽車旅のいいところ。
列車は独特のうねりを冬の寒い空気に響かせて進んでいきます。
しばらくすると列車は減速していきやがて止まってしまいました。
見ると1つ目の駅は西大原に到着、列車は一旦停車してから発車します。
西大原周辺はちょっとした住宅街がありまあまあの賑わいようです。
しかし・・・
「"何もない"がそこに"ある"―――」
いすみ鉄道のキャッチコピーですが、まさにそんな車窓。
遠くに民家は見えるものの青空の下に広がる風景はまさに「何もない」。
民家が遠くに見えるもののほとんどが田んぼか山が広がっています。
そこには雲ひとつない青空もあって清々しい光景が広がっていました。
列車は冬の田園風景の中を進んでいきます。
・・・と思いきや、遠くに見えた山が近くなり線路の左右を山に囲まれます。
列車はカーブを描きながらまたまた減速し、ここで車内放送。
「進行方向右手をご覧ください。ムーミンの里が見えてまいります。・・・」
そう言うと、列車は徐行でムーミンたちの里を通過していきます。
こういうポイントでしっかりと徐行してくれるのが観光列車らしいですね。
なんでも、ムーミンの里の舞台はここ千葉はいすみ鉄道沿線だそうで、
実は廃線寸前のいすみ鉄道の沿線地域興しに貢献したのがムーミン。
「ムーミン列車」という車体にムーミンをあしらった車両が走らせたりと、
人気なアニメの舞台だと宣伝することでこれまた観光客を呼びました。
個性的なキャラクター達がいすみ鉄道を支えたなんてすごいですね。
因みにさっきのムーミンの里は西大原~上総東の湖の畔にあります。
でもご安心を。ここを通る列車全て車内放送&徐行運転してくれるので、
ずっと車窓に注目していなくても見逃すことはないと思います。
もし放送がなくても列車がカーブしたら車窓に要注目です!
列車はS字にカーブし山を抜けると、最初の停車駅は上総東に到着です。
列車行き違いが可能なここ上総東では列車行き違いのため少し停車。
乗客たちはカメラ片手に列車から降りていきます。
上総東停車中のキハ52系と青空。本当に雲ひとつない快晴です。
降りてきた乗客はキハ52系を撮影したり外の空気を吸ったり小休憩。
2駅進んで長時間停車というのも気楽でいいですね。
そして、やがて黄色い車体のいすみ200型が反対側から入線。
アテンダントさんが構内踏切のない駅の連絡通路を見守ります。
行き違い後アテンダントさんの声で乗客は自分の席へと戻ってきました。
つかの間の休息でしたがキハ52系急行列車の旅はまだ始まったばかり。
まもなく上総東を発車、また単線になった線路を大多喜に向け進みます。
さて上総東を発車すると「何もない」風景の中を列車は進みます。
休耕田と青空がやはりいかにも冬の関東と言った雰囲気ですね。
線路は国道465号線と並走しながら大多喜へ向かっていきます。
と、ちょうど並走していた車の車内の人が手を振ってきていました。
乗客みんなで笑顔で手を振り返えします。のどかで和みますな~。
そして新田野に一旦停車、すぐに発車した後は川を渡ります。
青空に反射して川の水面も青く周囲の風景を反射させていました。
自然たっぷりできれいな車窓ですね。
そしてまもなく2つ目の停車駅は「風そよぐ谷」国吉に到着です。
なんだか駅名が長いしもはや形容詞になってしまっていますが(汗)、
実はかつていすみ鉄道は駅名の"命名権"の販売も行っていました。
正式名称は「国吉駅」なのですが、『自然と共生する環境にやさしい鉄道』
というキャッチフレーズにちなみ「風そよぐ谷 国吉」と名付けられました。
当時は権利さえ売却しなければならない経営状態だったのでしょうね・・・
(因みに命名した企業の代表取締役と現いすみ鉄道社長は同じ人^^;)
「風そよぐ谷」の通り、駅には多くのムーミンが出迎えてくれます。
また駅には年中無休の直営売店「VALLYE WINDS」が併設されていて、
いすみ鉄道オリジナルグッズ・ムーミングッズを数多く取り扱っています。
そんな「風そよぐ谷」国吉には観光のため10分間停車します。
併設された売店でちょっとした買い物が出来るとは粋な計らいですね。
列車から降りると駅看板と共に青い釣りスタイルのムーミンがお出迎え。
それにしても駅看板にもイルミネーションがものすごい数です。
・・・でも流石にカボチャとサンタの季節は終わったはずですケド・・・(汗)
折角10分あるので売店も覗いてみることにしましょう。
構内踏切を渡り駅舎に向かうと、出口には国吉駅の駅名表がありました。
こっちは青い背景に白文字で正式名称で書いてありますね。
そんな出口をくぐると右側に売店「VALLEY WINDS」が併設されています。
見るといすみ鉄道のグッズは多いもののムーミングッズもかなり豊富!
流石「風そよぐ谷」の駅と言ったところでしょうかムーミンばかりでした。
2M 急行2号 キハ52-125
最後に編成写真を1枚。青空がやっぱりいいですね!
今回は売店で何も買わずに車内に戻ることにしました。
ムーミン好きにはかなり興奮する駅ではないでしょうかね(笑)
さて列車に戻ってしばらくすると国吉も発車しました。
後は上総中川・城見ヶ丘・大多喜と3駅だけ、この汽車旅もラストです。
国吉を出ると沿線はしばらくの賑わいが見られます。
駅前の交通量も多く国吉はいすみ鉄道沿線の住宅街なのでしょうね。
しかししばらく走るとまた「何もない」風景が広がります。
それも特にこの周辺は「何もない」!ひたすら休耕田が続きます。
しかしここで車内放送。一体「何もない」のに何があるのかと言うと・・・
「車窓をご覧ください。まもなく『第二五之町踏切』を通過します。『第二五之町踏切』は第3種鉄道踏切で関東では珍しい遮断機がない踏切です。」
どうやら第二五之町踏切と呼ばれる簡易踏切があるそうです。
列車は徐行してくれますが・・・あった!×印の踏切の看板が見えました。
確かに遮断機がなく踏切の×印の看板と踏切名の看板しかありません。
「何もない」からこそ、そんな風景なのでしょうね。
列車はまだまだ「何もない」中を進んでいきます。
この先はずっと休耕田が車窓に見えるだけで後は大多喜に向かうだけ。
城見ヶ丘も出発するといよいよ終点の大多喜は目の前です。
列車は城見ヶ丘を発車すると夷隅川を渡ります。
その後、列車は大きく南にカーブすると、そこは終点の大多喜。
たった41分の短い汽車旅は終わりを告げます・・・
そして11:52、定刻通りに「デンタルサポート」大多喜に到着です!
キハ52系の観光急行列車の汽車旅はこれにて終わり。
乗客はみんなどこか名残惜しそうにキハ52系から降りていきます。
・・・しかし、まだまだ「いすみ鉄道の旅」は終わりではありません。
ここからはいすみ鉄道と小湊鉄道を内房方面に抜けていきます!
続きは次回、大多喜からは・・・そういえばちょうどお昼の時間ですね。
というわけでちょっと大多喜で昼食をとることにしましょう!















































































































